モノと心の独り言

コミュニケーション/メディア/コミュニティ ココロの建築家になりたいと・・・ 

生活文化価値を測るコミュニケーション価値は、SGGsの評価軸にも

2021-08-07 02:13:49 | コミュニケーション-メディア

日々繰り返す環境との意識されない交感の上に、視覚・聴覚・触覚・臭覚、そして取り込めば味覚の刺激が、皮膚・身体・脳に伝搬・編集されて蓄積されたり身体での動作に反映する。 その直近性・頻度・質量の累積が、個人の個性を更新し続ける。
そして、人と人が環境やメディアを介しながら繰り返す行為の直近性・頻度・質量の累積が、地域やテーマの持続的特性を顕著にする。

モノの構築・交換による文明は、市場交換価値によるGDPとして、数値化され、国ごとの通貨は、為替相場で相対化され、未来に対する期待まで株式相場として膨張・交換されている。
他方、所有・交換できない感性・感情による生活文化は、凝縮した芸能・芸術などを商品化した交換価値でしか評価されていない。
私有され交換されない、交感・共感・共歓などの生活文化価値を、測ってこれなかったのは、感情を測れなかった近代理性科学の限界だった。
しかし、昨今のコミュニケーションのデジタル変換・センシング技術の発展・脳科学・ネットワークの展開・データ収集・分析・活用技術の発展により、コトバ・イメージの総合的な収集分析・活用が可能になってきた。

もう、世界はモノの製造・交換で測る段階から、コミュニケーションで測る段階に入ってきた。自然現象・無機物は、物理・化学的な因果律の世界だが、自律的な個体が形成される有機物は、相互のコミュニケーションで成り立っている縁の世界だ。有機物は、生物から動物・人間に至り、道具と同時にコミュニケーションのメディアを自律させ、人間社会を拡大もしてきた。
この人間社会を測る手がかりは、コミュニケーションであり、「社会はコミュニケーションで成り立っている」というのはN.ルーマン。コミュニケーションとは、一方通行でも双方向だけでもなく、共時的・回帰的な共感までを含みます。人と人・組織と組織・分野と分野の狭間をも、相互干渉させ、複雑系の中での自己組織化を進めます。

移動・移住が増え、環境依存が薄れた街暮らしでは、

このコミュニケーションの累積に資する、街空間が、生活の場として評価できるようになれば、経済効果と両立することができる。
生活の場の活性化は、市場活性化にもつながるし、環境保全という観点では、無駄なモノの生産・流通を減らすこともできる、SDGsに通じる評価軸です。


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1 コメント

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生活文化の蓄積を観る、バルセロナ・ウィーン・・・ (藤井俊公)
2021-09-15 15:04:01
災害列島日本では、木と紙と土の建物は崩壊・焼失し、石碑・石垣・堀などしか残しきれないで、その当時の建築技術を使いまわしてきた。 市民が社会的資産として、街を育ててきたバルセロナ・ウィーン・パリ・・・などは、かっての大陸の首都であり、植民地貿易で潤った市民資産が見える形で受け継がれてきたこと。私たちは、その刹那の花火・祭りで、消尽する文化だったかもしれない。オリパラ後を、どうするか?
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