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東京都知事選に見えてきた 理念・制度社会からデータ・制御社会の政治

2024-07-09 01:11:36 | コミュニケーション-メディア

東京都知事選での石丸伸二候補の活動や獲得票数が、マスメディアもこぞって取り上げる選挙後です。
日本現行の政治・選挙運動概念、マスメディアの公共幻想による評価軸のズレが顕著なので、独り言に記しておきます。

軍人系・信仰系から産業系・文化系の統治者選出は、人格政治志向で、知名度が高いMC出身の小池知事3選と、まだ続く。
しかし、アナリスト出身の石丸伸二氏が安芸高田市長をへて、ネット・メディアと街頭演説で得票数2位まで獲得できたのは、一次的な現象ではないだろう。
政権二期つづいた成果評価もしないまま、努力と願望表明を信じている人はどれだけいるのか?
もう政治は、現状をリアルタイムでセンシング・分析・調整できるデータ・ネットワーク時代に入っている。
この時もう一つ重要なのは、国際通貨換算での交換価値と並行する地域の生活文化価値基準だろう。交換経済では測れない、風土・歴史で身体に刻まれた生活文化に基づいて、どう地域の価値基準を測るデータづくりをするか? それは、既存に流通できるビッグ・データではない。
そこが、体感され合う地域それぞれの価値観であり、今後のグローバル市場でも、流動化・コモディティ化されにくい、文化経済市場での持続可能な地域政治の目的だろう。

動物的なレベルでの人間感性は、グローバル化されてきた。
戦闘状態の地域以外では、生命の維持と衣食住(武力統制と体温・栄養・居所)の基本的条件は、満たされてきた。通信・交通・運輸・情報流通による、コモディティなモノの生産・流通・消費は、世界共通から最適地化(資源・生産・消費のエコシステム)へ進んでいる。
次は、交換しにくい希少価値としての地域文化を、商品化と関係人口増加により、如何に持続するか?

今回の選挙公約において、データ化による社会制御への方向が見えてきた。
石丸氏は、安芸高田市長就任後、行政財政の分析をし、「安芸高田焼き」の商品化を進め、大阪万博への神楽出演などの短期的な施策と、学校環境の整備による教育から次世代への長期的な施策を並行していた。 
また、安野たかひろ候補は、AI起業家として、デジタル・データ社会での持続可能性を訴えた。

選挙結果は、現在の東京選挙権所有者の民意として、

理念・制度に基づく民主主義が陥ったポピュリズムを反映し、変革より、より悪くならない志向が選ばれた。変革の良否はその変える基準次第なのだが、高度成長期の成功体験ををひきずってきた現状に甘んじようとする。自身の生命維持を他国に任している国民は、ポピュリズムで現状維持を続け、変革してゆく退路を断つことはできないようだ。
その他国、米国・英国などの政治も変わろうとしているというのに。


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