のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

アルビンと緑の紙で遊ぶ

2006-06-05 | 日記
アルビンはディレクターになりたい人で、もうだいぶ前のことになりますが映画のコンテストにも参加をしたことがあります。そのコンテストは、テーマを言われてから48時間以内で映画(確か7分)を制作し提出するというもの。彼は確か3位になったと思います。
彼が昨日、大きな鮮やかな緑の紙を広げて「僕の新しいおもちゃ。」と言いました。そして「僕の新しいおもちゃで一緒に遊んでくれる?」
他に誰か来るのかと思っていたら私一人でした。大きな紙を天井から吊り下げ、ライトをセットし、カメラをセットし・・・何から何までアルビンが一人でやっていました。こういうことを手伝うのは大好きです。
今日頼まれたのは、彼の演奏している曲に(多才ですよね)即興でバトンの演技をして欲しいということ。それを吊り下げた紙の前、紙の上で行い、撮影して、編集する時に緑の部分を抜いて他の映像を入れるテストをしたいということでした。“プリクラ”みたいなことです。久しぶりに“レギュラーバトン”を持ちました。握った時はもちろん、特にロールをする感覚が違います。また使えるスペースは4MX4Mほどで、紙を破かないかの心配もありました。
初めは彼の演奏している優しいやわらかな曲。始めるとバトンをあまりにも回せないので私はものすごくショックでした。回し方の種類が数えられるほどしかなかったのです。でもそれを観た彼には発想が生まれてきたらしく、次は、彼が「ストップ」と合図したら始めは前、次は左、次は後ろ・・・と止まり遠くを見つめるというようなことを。曲をかえ、今度は攻撃的だったり怒っているような気持ちで同じようなことを。そして、何かを考えながら横切る。そのときに知らず知らずバトンは回っていたということを。
それから横顔を撮りたいといわれ、髪を下ろしバトンを抱えながら、人に微笑みかける様な表情をしたり、目を瞑って幸せな気持ちに浸っている表情をしたり、父と母からの微笑を受け取る表情をしたり・・・「ここから先は私のスペースだから入ってこないで!」という表情というのが一番難しかったです。
最後にカメラを近づけて、バトンがいつも表情の周りを回っているようなカットを撮りました。どういう風に映像をはめ込むのか楽しみです。
心配なのは表情だけ撮られているほうが簡単に思えてしまったほど今日のバトンはうまくいかなかったことです。
緑の紙を下ろし、今度は黒い生地を置いてインタビューがありました。どうしてバトンをはじめたのか、どうして好きなのか、何が一番難しいか、どうして毎日練習しているのか、緊張を解く方法、教える時に大事にしていること、などなど。そして、明日命がなくなるとしたら何をしたいか。私は「いつもと同じ生活を普通に続けていたい。」と言いました。みなさんはどうしたいですか。