のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

過激

2007-12-21 | 日記
 ショーの後に、ガールズ・ホリデー・パーティがローラの家でありました。メインはプレゼント交換。まずは全員が番号札を引いて、番号順に好きなプレゼントを選んで開けていきます。私は19番中の11番。
 事の成り行きを見ていると、これは自分の番号が来たときに、その前に開けたプレゼントが欲しければ奪えるようです。プレゼントは中身が分からないように包んであるわけですから、ある程度番号が遅い方が、プレゼントを開ける楽しみはなくても、好きなものは選べるということです。私の番号前までに、下着の上下セットが何回も奪い合われていました。
 私はプレゼントを開ける楽しみを味わいたかったので、テーブルに載ったプレゼントを眺めました。そして金の雪の結晶のついた袋小さな袋に手を伸ばしました。すると、「あっ…。」と言いながら、気まずそうにうつむく人が。すぐに手を引いて「やめた方がいい?」と訊くと「うん、あ、いや…まあいいか…。」と。やめるにやめられなくなった雰囲気もあり、そのままそれを手にして恐る恐る、中の細長く切ってある白と金の飾りの紙を、少しずつ取り出していきました。そしてプレゼントに到達し、かわいい小さなパッケージを手にすると同時に、それが何であるかを彼女が言い、みんなが大笑い。「それをプレゼントにするのはどんなものかとは思ったのだけど、やばいかな、と思うのはノリコぐらいだし、まあ、ノリコは来るとは思ったけど、その一人にこれが当たるとは思わなかったし…でも、ね、当たっちゃったね…。」と、ブツブツと…。中にもう一つ何かがあり、それを取り出すと「あ、それは目のところに塗るやつ…。」と。
 二つのものを小さな袋に詰めなおし、何となく親指と人差し指の指先で袋を持ち、元居た場所に戻り、袋をソファの背の上に置きました。自分の笑いが引きつっているのが分かります。袋を眺め、さて、どうしたものか。家にあるだけでも嫌な感じ。
 ひとりは「私、見たころないから見てみたい。」と、覗きに来ました。そうこうしているうちに、私の目の前に居た人の番号になり、その人は「私はこういうことしたくないのだけど…アイライナーが欲しいから…」と言いながら後ろを振り返り、私の袋を奪いました。「アイライナーがねぇ…。」とみんなに冷やかされながらも、奪っていきました。奪われて安心する私。
 そして、もう一度プレゼントを選べることになりました。今度は、ローションやクリームなどが入ったセット。塗るとくちびるが10倍に見えるという少し怪しい“セクシー”と書いてあるリップクリームも入っていましたが、これはもう、先ほどのものに比べると全くかわいいもの。今度はほっとして元居た位置にもどりました。
 一通り終わると、そのプレゼントは誰が用意したものかを当てて行きました。みんながその人のことをどう思っているかが分かり、なかなか面白かったです。私は自分では絶対買わないであろうと思われる、二つで14ドルもするチョコレートと、それと一緒に楽しめるように、たった二つのかわいいティーパックが缶に入ったものをセットにしてプレゼントにしました。お世話になったゲイルが引いて丁度良かったです。
 もう一つ、刺激的なものがあり、それも奪い合われていたものです。プレゼント交換が終わると、それにみんなが寄って行き、覗き込むように見ながら大爆笑していました。
 女の子の集まりってこんななんですね…。中性の私には過激でした。

練習量と比例するもの

2007-12-20 | KA
 今朝は久しぶりに暖かく、部屋の中では半袖で大丈夫でした。お陰で快活に動け、掃除、洗濯をしてさっぱりしてから、クリスマスの飾りつけまでできました。
 
 振付の変更を本番でやると決めた日、昨日たくさん練習できたので、心の準備はできていました。3年以上、同じことをほぼ毎日してきたことを変えるとなると、染み込んだものの除去にまずは時間が掛かります。フルートを見つめながら、気持ちよく踊っていると、つい元の振付が出てきてしまうのです。その上、手から離れるものを新たに入れるとなると、さらに神経を使います。
 一回目、バトンをスカートに当ててしまいました。広がったスカートがおさまるのを待ってからバトンを回さなければいけないと何度も言い聞かせていたのですが、本番では力が入りすぎたのでしょう、すべてを早く早く行ってしまいました。その処理に手首を力強く使ったので、終わると腕が疲れていました。
 二回目、スカートは待てました。でも、その後のバトンがやはり速く回りすぎて上手くいかないところがありました。でも、一回目よりは良かったと思います。
 フィジオに氷をもらいに行くと、コーチのエイドリアンに「どう?」と話し掛けられました。踊り終えた直後でしたので、「今日は新しいことをしてみたのですけど、あまり上手くいかなくて。」と言うと、「ノリコのあまり上手くいかなかったは、ほかの人の上手くいった、と同じくらいだよね。きっと上手くいっていたのでしょう。」と。いやいや、本当に上手くいかなかったのです…。
 練習の量に心の準備は比例しても、練習量と本番での成功率は比例しないな、と思いながらも、一回目より二回目の方が良くできたのだから、今日より明日のほうが上手くいくだろうと思い、ショーの後もう一度練習をしてから帰りました。

30日まで?

2007-12-19 | KA
 就労許可書が手に入ったので、運転免許証の更新に行きました。2時間は掛かると覚悟して行きましたが、受付、手続き、写真撮影、どこの待ち時間も10分程で、今年は簡単に新しい免許証が手に入りました。
 こちらの運転免許証の写真はどんな写真でもいいようで、写真撮影の時は「笑っていいよ。」と言われます。私は普通に微笑んで撮って頂きました。ニューヨークに一緒に行ったアナトリ、彼の写真はおかしな顔で、空港で本人との確認を何度もされていたのを思い出しました。
 免許証を頂いて、内容を確認すると、期限が2008年の12月30日まで。慌てて就労許可書を確認すると、同じく30日まで。来年の大晦日は水曜日でショーがある予定ですが、私はショーに出られないのかしら…。

 MGMは無事に復旧していました。バックステージテクニシャンの上の方に訊くと、あれから3時間ぐらい電気が通らず、MGMの客室も真っ暗だったとか。彼は朝の4時過ぎまで、そのほかのテクニシャンの一部は、昼のシフトの人たちが来る6時過ぎまで残って、点検してくださっていたそうです。そして、写真を見せてくれました。電柱と3本の電線が接触したところが、3か所とも真っ黒焦げになった写真。未だ原因は不明で、MGM側が調べているそうです。

 ショーの間に練習をしていると「休みの日は楽しみなさいよ。」と、次のシーンに向かう途中でトレーニングルームに立ち寄ったアーティストに言われました。「明日、新しいことをしたいから…。」と言うと、「まったくこの人は…。」と、もう一人の人に。
 久しぶりに同じことを何回も何回も曲に合わせて繰り返す練習をして、私は楽しかったです。
 帰りがけ、MGMの郵便受けを覗くと手紙が届いていました。11月末にショーをご覧になったという方から。それは、更衣室を出る時にアーティストが話してくれたことと共に、代役の日の遣る瀬無い気持ちを晴らしてくれました。

ブラックアウト

2007-12-18 | KA
 少しのことでも新しいことを本番で取り入れるのは勇気を必要とします。今日はひとつ身体の動きを増やそうと心に決めていたので、緊張していました。この緊張がいい方向に出ますように…。
 無事に新しいことを入れられて、最後にフルートが手の中におさまると、静寂の中に男性の一瞬の笑い声が聞こえました。静寂はすぐに戻り、舞台が下がり始めると拍手を頂きました。
 新しいことをして上手くいった時の2回目は特に注意深くしないと、と思いながら臨んだ2回目。
 それは影絵の時でした。花道を出て行き、誰かが向こうから来るのを感じ、舞台から客席に降り、隠れてすぐ、双子の男の子たちが出てきた時、
「ブチっ!」
 と大きな音がして、音楽が切れ、客席が明るくなりました。双子の男の子はすぐに客席に降りて、手招きをして舞台裏に戻るように合図しました。
 舞台裏に行くと薄暗く、電気が落ちて、応急のライトのみが点いているとのこと。客席は非常事態なのでライトが点いたのでしょう。MGMだけではなく、ニューヨークニューヨークも同じようになっているとのことでした。
 ステージマネージメントからは、とりあえず今居るところにそのまま居るように指示があり、私は舞台袖で待ちました。
 待ちながら、アーティスト達といろいろな“もしも…”を話していると、恐ろしくなってきました。もし、クライムの時だったら?安全を確保しているエアーバッグは、電気で空気を送って膨らませているのだよね。舞台が垂直になった時に、一番上まで登って棒につかまっているアーティストが落ちる直前に電気が落ちたら?鳥が客席の真上を飛んでいる時だったら?森のシーンのデュエットの時だったら?バトルフィールドでみんなが吊られている時だったら?どれもこれも怖い話です。影絵の時で良かったと思えます。
 電気が戻ってきても、すべての安全を確認してからショーを始めるとしたら、時間がかかることだろうと思い、寒いのでジャケットを取りに行きました。廊下は薄暗く、更衣室も非常灯がひとつ点いているだけでした。
 舞台袖に戻ると、影絵を映す縦になった舞台に入っていたリガーの人たちが、縄を使って降り始めました。アーティストはグリーンルームに呼び出され、ショーをキャンセルすることを告げられました。キャンセルになるのはいつも満席の時…。
 更衣室に戻って、帰る支度を始めました。薄暗い中での作業は捗りません。それでも、非常灯はすぐに消えてしまうことだろうから、支度を急ぐように言われました。
 更衣室を出て、静まり返っているグリーンルームで、持っていたおにぎりを食べ、帰るのにエネルギーを蓄えました。そこにいたドレッサーが発電機か何かが爆発したらしいと教えてくれました。
 果たしてカジノはどうなっているのだろう…。覘いてみました。劇場の前はもう人影もなく、みな仕方なくお帰りになったようでした。チケット売り場も静かになっていました。非常事態であることを告げるフラッシュライトはピカピカしています。その中、薄暗い部屋のカジノで楽しんでいる人たちがいました。セキュリティの人の話によると、カジノの機械は応急用の電気で動かしているとのこと。
 劇場に戻ると、バックステージテクニシャン達はまだまだ帰れないようでした。
 明日は無事にショーが行えますように…。

Las Vegas Wranglers

2007-12-17 | 日記
 半年に一度の歯のクリーニング、痛くて涙が出そうになりました。抜いた歯の隣の歯に虫歯らしきものが見えるといわれ、今日はドクターが不在の為、もう一度行かなくてはならないことになりました。

 Tシャツへプリントするデザインの仕上げ作業、昨日ようやく見つけたスプレーでペイントしました。日本へそれを送る作業まで無事終了。これも長く作業をしていたことなので、ようやく完成してホッとしました。

 今週末の一大イベントは夜の11時59分に始まるホッケーです。ラスベガスにもプロのホッケーチームがあり、今日は特別に夜中のゲームです。KAのメンバー、多くはバックステージテクニシャン達、40名ぐらいで観戦に行きました。自分たちで買ったチケットのほかに、カンパニーマネージャーからスウィートルームのチケットも頂き、特別席からの観戦も楽しめました。
 このリーグは最高峰のNHLではなく、マイナーリーグではありますが、さすがはプロ、アマチュアがやっている試合とは、速さが違います。スケートも滑らかで、チーム全体で計算されて動く様子は、とてもきれいでした。
 ゲームはLas Vegas Wranglers が優勢でしたが、第3ピリオドでは4対4の同点。延長戦になりました。延長戦は4人対4人で5分間行われ、それでも点が入らず、サッカーのPK戦のようなゲームウイニングショット戦が行われました。結局、Phoenix Roadrunnersに負けてしまいました。
 お酒を飲んだり、ゲームとゲームの間のファンサービスに参加したり、得点を入れては大騒ぎをしたり、アメリカ人のスポーツの楽しみ方に触れられた2時間半でした。

懐かしい自分の姿

2007-12-16 | メディア
 明日のアイスホッケーの試合に友達も誘えばよかった…と、自分のチケットはすでに購入してしまったものの、連絡をしてみると来たいと。オーリンズに彼らのチケットを買いに行ってみました。私の団体券より、いい席がありました。
 ピラーティスでその券を渡し、久しぶりに会ったので長話。今日は気持ちがのんびりしているので丁度いいです。

 のんびりした気持ちは夜まで続いていました。寒いからヒーターをつけると、「実家にいる時に、こうやってストーブの前で丸くなってよく寝ていたな…。」とぬくぬくするところに近寄って丸くなると、スヤスヤと寝てしまいました。ヒーターが止まって寒くなっては目を覚まし、作業を再開し、またヒーターがついて暖かくなっては近づいて丸くなってスヤスヤと…。同じことを3回ぐらい繰り返し、このままでは捗らないから、と布団に入って寝ることにしました。だらだらとした自分の姿、懐かしくて笑いました。 

 Weeklyというラスベガスのフリーペーパーに、先日のネバダバレエとの企画、『Choreographer's Showcase』のことが載っていると何人かが教えてくれました。そしてエリックは4冊もそれを持ってきてくれました。「ノリコのことが書いてあるよ。」と。髪型のおかしい写真付きでした。

Dianaごっこ

2007-12-15 | メディア
 今日はKAでクリスマスランチとしてバッフェを用意して下さいました。サンクスギヴィングもクリスマスも食事の内容はあまり変わらず、ターキーが中心になるようです。
 いただいているとレイがきました。
「昨日居酒屋に行ったのだけど、雑誌を見つけたよ。知っている?もらってきたからあげるね。」
 毎月見ている日本語の小さな無料雑誌『ようこそラスベガス』であることはすぐにわかりました。
「今月号はまだ見ていないから丁度良かったわ。」
 ところがレイが持ってきてくれたその雑誌を見てびっくり。なんと私のキャラクターが表紙になっていたのです。丁度良かったどころか嬉しいです。
 ショーが終わってから、トレーニングルームに行くと、タップをしていたアナトリが「ちょっと居酒屋に行こうと思う。」と言います。例の雑誌をもう一冊欲しかったこともあり、私も行くことにしました。
 お店には、今日は何となく人がパラパラと集まってきたとのことで、アナトリだけではなく、7人での食事になりました。
 そのうち、何人かがたばこを吸いにお店を出て、帰ってくると、「いいもの見せてあげるよ。」と、例の雑誌を手にしていました。
 そこからみんなで雑誌を横に写真撮影。お箸をフルート代わりに2本持って、宙を向いて…。それぞれの顔がおかしくて、大笑い。最後に私にリクエスト。
「お箸を一本ずつ両手に持って、怒った顔をしてくれる?」
 みんなのふざけた写真と、私の怒った写真を誰かのフェイスブックに載せるそうです。 

ACE

2007-12-14 | 日記
 新しいミュージカル『ACE』の台詞の読み合わせを公開するというので行ってみました。
 入場するときに頂いた紙を見て、KAの指揮者、リチャードが作曲ばかりではなく脚本なども手掛けていることを知りました。 
 リチャードの挨拶からそれは始まりました。大学内の小さな劇場の舞台に机を並べ、18名の役者が横一列に並んで、台詞を読んでいきます。ミュージカルですから、もちろん歌もあり、舞台の端にはグランドピアノが用意され、そこに立つ指揮者に合わせて、リチャードが演奏をします。
 英語の台詞、歌詞が本当に理解できていたかはわかりません。でも場面が変わるごとに情景が目に浮かび、最後は涙が出ました。
 今日は、釘付けになった主役の男の子を何度も思い出しながら舞台に立ちました。

ヒーター

2007-12-13 | KA
 あまりにも寒くて、ヒーターを買いに行きました。この3年、どうやってこの寒さをしのいでいたのかしら、と思いながら。ここに付いている、風がビュービュー出て、紙があちらこちらに飛んでしまう暖房はあまり使った記憶がないので、きっと家の中でもジャケットを羽織って、寒い、寒いと言いながら、お湯でも沸かしていたのかもしれません。座っているときに、足もとが温まるように、小さなヒーターを買いました。

 今日は、新しくなった森のシーンのデュエットを操るリガーが、新たに一人デビューしました。デビュー前のこわばっている顔、一回目が終わってもまだ二回目があるので緊張が抜けない様子、二回目が終わってようやく出た笑顔。こうやって裏で働いて下さっている方々も、緊張して真剣になってショーを創ってくださっているのだと改めて感じました。

 ふたご座流星群、今年は3つだけ流れ星を見て帰路に着きました。

力の抜けた身体

2007-12-12 | KA
 今日の身体は、力の抜けた身体。ふわふわしているわけでもなく、バラバラしているわけでもなく、抜けていて中心はある身体。踊るには気持ちいいだろうな、という身体。物を手で回すには、少し力が抜けすぎている気もしましたが、感情の起伏もあまりない状態なので、今日はこのままこの身体を使ってみることにしました。
 全部が全部力が抜けていたのでは、気持ちいいのは自分だけで、舞台をご覧いただくにはきっとつまらないことでしょう。少しアクセントを入れるようにしました。
 どういう風に見えていたのかは、明日DVDで確認してみます。

 今日は社員食堂がお休みでした。毎年恒例のMGMのクリスマスディナーが、MGMグランドアリーナで行われていたからです。年々規模が縮小しているように感じるのは気のせいでしょうか。それでもこういう楽しみを与えて下さるのはありがたいことです。