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―日々余話― Soulful days-42- 和解案提示さる
昨夕、K弁護士からの封書が届いた。書面は、10月4日付、大阪地裁から和解案が提示された、その写しであった。A4紙3枚、第1面は「事務連絡」と表題され、それぞれ原告代理人と被告代理人宛と並記され、「頭書の事件について、別紙のとおり和解案を送信します。」とあるから、各宛にFaxで送信されたものらしい。いまどきはこういう重要事項まで封書ではなくFaxで事足りるとは、少々驚かされる。
和解案本文は2葉、請求の項目が列記され、項目ごとに原告の主張と和解案の提示額が並記され、その算定根拠や理由が付されているといった仕様で、ずいぶんと判りやすく合理的な体裁に、これまた驚かされる。
提示の額については特段の感慨はない。この事故がここまで争わなければならなかったのはもっと別次の理由があったことだし、これを一個の命の値段と受けとめるような愚を犯せば、またまた不条理の底に沈み込むだけだ。
さらに客観的にみるならば、この提示額は、予想されえた範囲内とはいえ、その上限に匹敵するものだった。
そんなことよりも、私の心を捉えたのは、末尾に付された一文である。
「本件事故は、別冊判例タイムズ16号133ページ<60>図に該当する事案である。基本的な過失割合は、直進車2割、対抗右折車8割であるけれども、被告T.Kが対抗右折車の前照灯を認識していたにもかかわらず、特段の注意を払っていないことも斟酌し、本件事故における過失割合-負担割合-は、被告T.K 3割、M.K 7割とする和解案を提案する。」
8:2が7:3へと、たかが右と左で1移動しただけとはいえ、この過失評価がなされたことは大きい。刑事の法廷ではどうにもならなかったことが、ここで一矢報いえたのは、我々にとっても、またMにとっても、僅かな慰めとも救いともなるだろう。
―山頭火の一句― 行乞記再び -109
4月19日、晴、そして風、行程3里、赤間町、小倉屋
奥さんが夜中に戻つてこられたので、俊和尚も安心、私も安心だ、しかしかういふ場合に他人が介してゐるのはよくないので、早々草鞋を穿く、無論、湯豆腐で朝酒をやつてからのことである。
行乞気分になれないのを行乞しなければならない今日だつた、だいたい友を訪ねる前、友を訪ねた後は、所謂里心が起るのか、行乞が嫌になつて、いつも困るのだが。
もう山吹が咲き杜鵑花が蕾んでゐる、紫黄のきれいなことはどうだ。
同宿5人、-略-、筍を食べたが、料理がムチャクチャなので、あまりおいしくなかつた、うまい筍で一杯やりたいものだ。
※句作なし、表題句は前日記載の中から
現在の宗像市赤間は、唐津街道の宿場町赤間宿。近くには福岡県教育大-赤間文教町-がある。
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Photo/赤間宿の街道筋にある熊越池公園
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Photo/その公園に接するようにある法然寺と須賀神社
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昨日10月6日は、私にとっても喪、というかもう帰らない喪失のひとをじっくり思い出す一日となりました。
産業カウンセラー講座でちょうど年間最後の40分セッションだったので、私は自分の離婚の話を中心に話しました。
10月6日は2002年の私の結婚記念日でした。クライエント役の私は、「(結婚式の日は)よく晴れていて」と言っただけで、涙があふれました。
そして、もし今後再婚することがあろうとも、自分にとっての結婚記念日はただひとつだと、そして、離婚したことを後悔しています、私の努力が足りなかった、と
泣きながら初めてそんなことを言いました。
覆水盆に返らずの離婚だと。私はいつも、相手のことを第一に考えているのですねと、たまたまカウンセラー役が例の兄ちゃん(笑)でして、そう何度も言われて意外で、でも慰められた思いがしました。
これからどうなるのでしょうね。
覆水盆に返らずは、たしかにそうだけれど、だからこそ別れて後、却って相手を大切に、思いやる心がもてるようになることもありますネ。