山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

痒いところを掻く手はある

2005-03-25 10:03:18 | 文化・芸術
Titei-Yose-05-03

<風聞往来>

<地底旅行寄席はいかが>

大阪市内の西部、港区と大正区を分かつ境界を流れるのが尻無川。
その港区側の尻無川沿いに、
40年もの長い間、剥き出しの鉄骨を風雨に曝したままの、6000坪に及ぶ古い大きな工場群跡があった。
工場群跡と書いたが、実際には此処では5.60名の人々がずっと働きつづけてきた生活拠点たる砦でもあった。
「田中機械労働争議団」の拠点である、
70年代当時、戦前からの精糖機械メーカーとして中堅企業であった田中機械の経営陣は突然会社を倒産させる。決して業績不振だった訳でもないらしい。たえまなく組合が要求し続ける労働条件闘争に明け暮れる経営に嫌気がさしたともいわれる。
大和田幸治委員長率いる田中機械労働組合は直ちに工場を封鎖占拠した。
以来、彼らは生活と職場を守るため自主生産を続け、この工場群を生活拠点の砦としてきた。


89年には、温泉を掘削。その温泉の水を利用してミネラルウォーター「地底旅行」の販売を始めた。もちろん、温泉も組合員たちや地域の人々にも開放している。
98年には、イタリアのプラントを導入して、地ビール「地底旅行」を生産販売するようになり、同時に工場内中二階にレストラン「地底旅行」を開業。
その翌年からだと思うが、二階食堂を改装した田中機械ホールにて「地底旅行寄席」を月一回ペースで始めた。
この寄席が日の目を見、現在まで続いているのには、一昨年、露の五郎に代わって上方落語協会の会長となった桂三枝と幼馴染だった田中機械一職員との友情秘話が背景にある。
この寄席、今月で60回を数えるから、もう丸5年続いたことになる。


現在、先年の債権者側との調停和解により、敷地6000坪のうち4分の1にあたる1500坪ほどを田中機械労組側が占有し、残り4分の3の敷地はキングマンションに転売され、高層分譲マンションが急ピッチで建設中、近く第一期分譲分の入居が始まるだろう。

町工場と小さな商店街がひしめく下町の雰囲気がまだなおプンプンと臭い立つような空間と
まったく不似合いな対照をなす真新しい高層の分譲マンション群。
滅びゆく大阪の下町風景のなかで、気鋭の落語家たちの熱演を鑑賞した後は、工場レストランで地ビールを一杯ひっかける。


「地底旅行寄席」 第60回
・日時 3月29日(火) 開演6:30 開場6:00
・場所 田中機械ホール
・前売 1000円 当日 1500円
・出演 桂都丸、桂三風、桂三ノ助、桂さん都
・電話予約有 Tell 090-8526--0327


みなさんいかがですか?


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