山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

入る月のなごりの影は‥‥

2005-10-14 21:53:10 | 文化・芸術
041219-006-1

-今日の独言-

ブロンボス洞窟の巻貝
 南アフリカのブロンボス洞窟で発見された巻貝の貝殻は、7万5000年前近く前に人類がビーズ飾りを作るために孔をあけられ、最古の装身具だったと推測されている。孔のあいた貝殻ビーズのほかに、骨器で文様を掘られたオーカー(赤鉄鉱)など、お洒落の道具や贈答品として使った可能性のある道具が多く出土したという。これらの出土は既にこの頃より人類は象徴的思考能力を有していた証拠となるとノルウェーの考古学者ヘンシルウッドはみている。
 考古学上は2003年、エチオピアで発見された化石から,現生人類はすでに16万年前に出現していたことが明らかになっていた。さらに今年2月には、エチオピアの別の遺跡で出土した化石の年代測定結果によって、は19万5000年前へと遡る可能性が出てきた。しかし,人類がいつ頃から現代人と同じような精神や高度な道具を持つようになったかについては、従来は約4万年前のことだろうと考えられてきたのだが、ブロンボス洞窟の出土類はこの時期を大きく遡らせることになる。
 参照サイト-
日経サイエンス「人類文化の夜明け」

<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>

<秋-7>
 すみなれし人は梢に絶えはてて琴の音にのみ通ふ松風
                                 藤原有家


六百番歌合せ、寄琴恋。平安末期、家隆、定家と同時代人。第二句の「梢」に「来ず」を懸けて、待つ恋の哀れを通わせ、下句「琴の音にのみ‥‥」と結ぶ味わいに「細み」の美を感じさせる。歌合せの右歌は慈円の「聞かじただつれなき人の琴の音にいとはず通ふ松の風をば」

 入る月のなごりの影は嶺に見えて松風くらき秋の山もと
                                 藤原定成


玉葉集、秋下。鎌倉時代、藤原北家世尊寺流、行成の末裔。玉葉集や風雅集の特色は、一首の核心を第四句に表して、風情の面目を一新する、という。この歌も第四句「松風くらき」が、月明りのすでに傾いた頃の闇深く、影絵となった山麓の松林という実景が心象風景ともなって幻視のごとく浮かびあがる。

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