里の部屋

日々思ったことを綴っていこうと思います。

病院の駐車場で見た光景

2014年01月26日 | 日々のつぶやき
若い夫婦らしき2人がお見舞いを終えて車を出そうとされていました。

すると、丁度その駐車場が入院されている部屋から、見える部屋だったようで、いきなり病室の窓を開けて、この若い夫婦のどちらかのお母さんらしき人が、大きな声で、「ありがとう、また来てね」と言って手を振られた。

車からも2人が手を振って帰って行かれた。

病室から手を振っておられるお母さんは、もうとっくに車が見えないところまで帰って行かれたのに、ずっとずっと手を振られていました。

この光景を私は同じく駐車場に止めた自分の車の中で、じっと見ていて涙が出て来ました。

と言うのは、今見た光景によく似た情景を思い出したのです。

【その1】 私の母も、元気な頃には、いつも私たちが実家に行って帰る時は、「気をつけて帰りや、また来てな」と言い、私たちの車が見えなくなるまで、手を振っていた母の姿が甦りました。

【その2】 母が、生きていた最後のお見舞いに行ったときは、その時には、もう母は、しゃべることも出来なくなっていました。しかし、言っていることは解るらしく、「今日は、もう帰るけど又来るしね。待っててや」と言うと、ベットに横たわったまま、一生懸命上半身を起こそうとしたり、私の手を握って引っ張るような力を入れました。それから2週間経った朝、訃報が入りました。

【その3】 以前に、「千の風になったあなたに贈る手紙」と言う本を読んだとき、その作品の中に、どういう方がどなたを見舞われた時の記事だったかが、もう忘れてしまいましたが、お見舞いに来られた方に、やはり、病室の窓を開けて、「ありがとう、さよなら」と大きな声で言って、手を振られたそうです。
そして、その「ありがとう、さよなら」と大きな声で言いながら、手を振られた方は、その夜病状が急変して帰らぬ人になってしまわれたと言う記事の内容が甦って来ました。

それで、私が見た若い夫婦の乗った車は、もうとっくに見えなくなっているのに、いつまでも手を振っていたお母さんは、今晩大丈夫だといいのだけど・・・と言う思いがしてたまりませんでした。