今回は私の地元である奈良の大和野菜について調べましたので書かせて頂きます。
稲の穂が金色に色づき始め、豊かな秋の実りを食べられる季節が近づいて来ました。
奈良には、なぜか昔から「奈良にうまいものなし」と全国的に言われ伝えられて
イメージされていますが、決してそんな事はありません。奈良にだって誇れる
「美味しいもの」がたくさんあります。
どうも、「奈良にうまいものなし」と言われ始めたのは、小説家の志賀直哉が
随筆『奈良』の中で「食ひものはうまひ物のない所だ」と書きそれが伝わったと
云う説があります。
それは、1938年に奈良県が発行した冊子「観光の大和」創刊号に志賀直哉が書いた
随筆『奈良』の僅か4ページほどの短い文章の中に「食ひものはうまひ物のない所だ」
という記述があるからです。
しかし、よく読んでみると奈良のわらび粉や豆腐、がんもどきを褒めています。
牛肉も美味しいと書いています。
そう、このエッセイは奈良を離れる直前の志賀直哉が奈良愛を綴ったものなんです。
つまり、志賀直哉が書いたとされる「奈良にうまいものなし」は、前後の文脈から外れ、
残念ながら一人歩きをしてしまっているようなんです。
そんな不名誉なイメージのある奈良の食べ物で、全国的にはめずらしい奈良独自の
大和野菜を取り上げてみたいと思いました。
「大和丸なす」は、ツルンッと丸く黒紫色に輝いており田楽で食べれば最高に
美味しいです。
ヒョロリと長い「ひもとうがらし」は、天ぷらにいいです。
これからの旬である大和郡山の「筒井レンコン」は粘りと甘みがあり逸品。
これは、筒井城の堀跡の豊富な地下水と柔らかい土質で肥えた土壌で栽培されている
からで、煮ても、揚げても美味しい。さらにきんぴらで食べても絶品です。
その他の大和野菜も調理したり漬物にしたりなど、たいへん美味しくいただくことが
出来ます。しかし、奈良には、けっこう美味しいものがたくさんあるのに、なぜか
食料自給率は15%前後であり全国平均の40%を大きく下回っているのは残念です。
これらの改善には、奈良県内にあるスーパーマーケットなどに積極的に大和野菜を
はじめ奈良の特産品を販売してもらう努力が必要で、その供給量も確保できるくらい
の生産が必要です。
我々消費者が他の野菜と同様に、いつでも購入できるようになればいいのですが。
※大和野菜とは、
伝統的な大和野菜には、「大和まな」「大和きくな」「千筋みずな」「紫とうがらし」
「宇陀金ごぼう」「黄金まくわ」「ひもとうがらし」「片平あかね」「軟白ずいき」
「大和三尺きゅうり」「大和いも」「大和丸なす」「祝だいこん」「下北春まな」
「結崎ねぶか」「筒井れんこん」「小しょうが」「味間いも」「花みょうが」
「黒滝白きゅうり」などがあり、地域独特の栽培方法により「味、香り、その形」などに
特徴があります。
皆様も、購入出来る機会がありましたら ぜひ大和野菜を食べてみてください。