大好きな”渋い”スタンダード曲を録音しました。
1953年につくられた『Here's That Rainy Day』です。
お気に入りのスタンダード曲を100曲選ぶとしたら、この曲を真っ先に選びます。
絶妙なコード進行でメロディがしっとりとしていて、大好きな曲なんです。
作詞が、Johnny Burke (ジョニー・バーク)、作曲は、Jimmy Van Heusen
(ジミー・ヴァン・ヒューゼン)です。
左 : ジミー・ヴァン・ヒューゼン 右 : ジョニー・バーク
古い曲ですが、現在もたくさんのジャズ奏者やシンガーがルパートして演奏したり
歌ったりしている曲なんです。
この曲について、少し調べました。
アメリカの映画監督プレストン・スタージェスが、1936年のフランス映画
『女だけの都(La Kermesse Heroique)』をリメイクして1953年に制作した映画
『フランダースの謝肉祭(Carnival in Flanders)』を元にこの監督が同年に同じ
タイトルでミュージカル化し舞台でも上演しました。
『Here's That Rainy Day』は、このミュージカルの挿入歌として作られた曲で、
失恋の悲しみを雨の日の憂鬱な気分にたとえている歌詞です。
<歌詞>
(和訳は、私なりに訳していますので正確ではありません)
Maybe
I should have saved
those leftover dreams
多分、
見残した夢は捨てないで、
とっておいた方が良いのかもしれない
Funny,
But here's that rainy day.
滑稽だ
こんな日に限って雨がふるなんて
Here's that rainy day
They told me about,
And I laughed at the thought
that it may turn out this way.
雨が降る日が来ると皆が言っている
そんなはずはないと笑い飛ばしていたのに
Where is that worn-out wish
that I threw aside
After my lover was so near?
擦り切れた望みはどこに
恋人をこんなにも近付けたのに
置き去りにしてしまった。
Funny, how love becomes a cold rainy day
And Funny, that rainy day is here.
おかしいよ
恋に冷たい雨がつきものなんて
まさかの雨降りになってしまった。
では、素晴しい名唱をお聴きください。
まずは、Nat “King” Coleの TV ショーの貴重な映像で
次は、私が一番気に入っているサミー・デイビスJr.の録音を聴いてください。
ローリンド・アルメイダのギター1本だけで歌っているReprise盤の
「Sammy Davis Jr. Sings Laurindo Almeida Plays」からです。