リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

異性店員の接客を求めるのは異常なのだろうか

2024-04-02 | 一般
北海道のコンビニで店員3人が刺され1人が死亡した事件で、「男性店員が対応、不満」という見出し(朝日新聞2024-3-18)を見たとき、これは話題になると直感した。死傷事件そのものは決して許されるべきではないが、客対応の在り方について議論を巻き起こすと思ったのだ。(安倍首相銃撃事件でも、銃撃は決して許されるものではないが、事件がきっかけとなって旧統一教会による被害に光が当てられた。)人が性別や容姿で判断されるべきでないのはもちろんだが、接客というのは容姿も含めて店員の実力と言えると思っていたのだ(過去ブログ)。誰だってどうせ買い物をするならイケメンやかわいい子に対応されたいと思うのではないか。「女性理容師だけの床屋」などで検索する人も多いようだ。

ところが一向に議論が盛り上がる気配はない。ニュース(HTB北海道ニュース)のコメント欄をざっと見た限り、非難一色で共感の声は見当たらなかった。(繰り返すが、犯行そのものは100%非難に値する。「男性に接客されるのが不満」という点で同情の声があるかと思ったが、みつからなかった。)一人のコメントによると「この犯人によればたまたまでなく女性店員がカウンターにいて自分が会計する時だけ男性店員に入れ代わる」ということらしい。これが本当だとしたら私は逆の意味で容姿差別ではないかと思ってしまうが、映像を見る限り、犯人は見るからに不審者というような容姿でもないから、たまたま何度かそういうことがあって犯人がそう思い込んでしまったのだろうか。報道では犯人の趣旨は「どのコンビニのレジでも、女性ではなく男性の店員に対応される」(asahi.com 2024-3-17)とあり、「どのコンビニでも」とあるが「自分の時だけ」とは書いていない。

コメント欄の趨勢が予想外だったので考えてみた。デパートや床屋での接客となると、単に品物を売ればいい、髪を切ればいいという以上の「客当たり」も評価対象になるのはわかる。だが逆に、そのような場合、ルックスだけで実力を伴わない店員よりは、内実がきちんとした人に接客されたほうが最終的な満足度は高いのだろう。コンビニの場合、多くの人がコメントしているように、店員は商品の売買に徹すればよく、客もそれ以上を求めるべきではないだろう。そんなコンビニでさえ男性店員に接客されるのを不満に思ってしまうというのは、犯人が日常的によほど孤独を感じていたのではないかと思う。(たとえ男友人やSNSであっても、人とのつきあいが充実していれば、このような不満をもつ人は少ないのではないだろうか。)


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