リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

日本の新聞記者が中国製ワクチンを受けてみたら…

2021-05-04 | 一般
中国がワクチン提供を通じて友好国を増やすワクチン外交を積極的に行なっている。治験データが十分に公開されていないため「危ないのではないか」との声もあるが、すでに中国以外でも多数接種されているが、薬害事故の話は聞かない。(ちょっと検索したところ、中国製ワクチンを接種した上海在住の韓国人女性が突然死したという韓国メディアの報道が伝えられていた(テレ朝news 2021-4-22)が、そんなことを言ったら韓国のインフルエンザワクチンを接種した直後の死者が多数出たという報道(Clinic For 2020-11-26)もあった。たまたまタイミングが重なっただけということもあるので、これだけではワクチンとの因果関係は証明できない。)
それにしても中国製ワクチンの評判は芳しくない。アルゼンチンでは、中国のシノファーム製ワクチンは当局の承認を得ているにもかかわらず、世論調査での安全性に対する否定的な評価が、未承認のワクチンまで含めた中で最も多かった(JETRO 2021-4-15)。ブラジル経済相は「米国製よりも効果が低い」と発言した(JIJI.CMO2021-4-28)。中国の当局者自身さえ中国製ワクチンは「予防できる確率はあまり高くない」と述べた(案の定、すぐ修正したが)(BBC 2021-4-21)。
その一方、先日も触れたが、大半が中国のシノバック製のワクチンを使って接種率を伸ばしているチリの保健省の調査では、有症状の感染を67%、死亡を80%防ぐ効果があるという結果が出ているという。入院を防ぐ効果は85%、集中治療室の利用を防ぐ効果は89%だという。(Bloomberg 2021-4-17)その前の4月6日にはチリ大学の研究者は有効性54%と発表(ファイザー製やモデルナ製は90%超、アストラゼネカ製は約80%という)(RIETI 2021-4-10)していたので、食い違いの理由が気になる(政府の調査は、接種を推進したいという立場からバイアスがかかっているのだろうか?)。

そんななか、中国駐在の日本の新聞記者が中国製ワクチンを受けた体験談を読んだ(朝日新聞2021-5-3)。香港などと行き来する際に隔離期間が短くなることを期待したからだ。注射の痛みはなかったものの、10分ほどすると頭がふらふらし始めたという。同僚2氏もめまいや強い眠気に襲われ、そのうち小柄な女性は座っているのもつらくなり早退、大柄の男性も机に頭を伏していたという。病院によると、「正常な反応の範囲内」で、2~3日で症状は治まるという。個人の体験談にすぎないが、三人とも一時的とはいえかなりの副反応が現われたようだ。インフルエンザワクチンで特に変わったことを経験したことのない身としては、これを聞いただけでもちょっとこわい。さらに、1週間はお酒も辛い物もだめという制約がつくそうだ。
中国では現に2億7000万回も接種されており、北京の日本大使館にも邦人からの深刻な副反応の相談はないそうだ。だが、中国ではコロナは落ち着いているので、(記者氏のまわりでは?)出国の予定のない人は「副反応のリスクのほうが怖い」として接種しない人が多いそうだ。
初めて読む中国製ワクチン体験談で、非常に興味深かった。他社のワクチンはどうなのだろう。

近々WHOが中国製ワクチンの最終的評価の結果を出すという(人民網日本語版2021-5-1)。トランプ大統領などはWHOは中国寄りだと批判していたが、はたしてどのような結果が発表されるだろうか。

追記:その後中国ワクチンもWHOで緊急使用リストに加えられた。

追記2:日本で使われているファイザー社の場合の副反応として、37.5度以上の発熱は(1回目→2回目の順に)3.3%→38.5%、倦怠感は23.2%→69.5%、頭痛は21.4%→53.6%とのこと(厚労省)。

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