リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

尖閣諸島:「実効支配も頭数次第」にならないように

2017-09-10 | 政治
中国船による尖閣諸島への領海侵入が常態化している.たとえ軍艦であっても「無害通航」であれば他国の領海の通行も認められるのが国際的なルールではあるが,昨年などは大量の中国漁船が押し寄せるということもあり,看過できない.今日の朝刊(朝日新聞:「尖閣へ出漁「中国政府の命令」 国有化5年」)は,中国漁船が尖閣諸島に来るのが中央政府の指示によるとする漁船の船長/船員の証言を紹介している.尖閣諸島付近はいい漁場だが勝手に行くことはできない一方,(政府指示のもとに)尖閣沖に向かう漁船群に加わると補助金が出るとのこと.補助金の額は,日本が尖閣諸島を国有化した2012年には年100万元(約1700万円)だったが徐々に減って現在は25万元だという.
記事でも尖閣諸島は「日本が実効支配する」という表現が使われていたが,実効支配とは何だろう.2013年の台湾との漁業協定により(当時の報道で「実を捨てて名を取った」と評されていたと思う),石垣島と尖閣諸島の中間海域では日本の漁船は台湾の船団に囲まれて,衝突におびえて漁をしている状態だという.こんな状態で日本が「実効支配」していると言えるのだろうか.
中国漁船に話を戻すと,昨年は,東シナ海での中国漁船の操業解禁直後,200隻以上の漁船が尖閣諸島周辺に群がった.今年は解禁前に,(国家安全保障局長が?)「昨年のようなことをすれば,日本メディアを集めて上空から撮影させて国民に見せる」と中国側を強く牽制したという.(朝日新聞9月7日:「秋の安倍外交、実りは?」(記事のこのくだりはよくわからなかった.上空から撮影させて国民に見せることがなんで牽制になるのだろう.そんなことしなくても昨年の報道で中国漁船の問題は国民に十分伝わったと思うし,視覚に訴えられて日本の世論が沸騰したとしても特に日本に利はないと思うのだが.)
牽制が奏功したのか,同記事のいう安倍政権の「経済優先アプローチ」による妥協(「すりより」でないといいのだが)のおかげか,今年は上記で紹介したように中国政府も漁船団の派遣に積極的ではなく,昨年のようなことにはなっていないという.
それにしても,中国には日本の10倍の頭数がある.今後も昨年のような漁船の大量派遣がされたとき,「実効支配」はどうなってしまうのだろう.領海侵入にしたって,将来的に中国公船が日本の海上保安庁の巡視船の10倍の人員・艦船を備えるようになったとき,対応できなくなるのは明らかだ.「牽制」「抗議」……私にも何が有効かはわからないが,外交当事者にはしっかり対応してもらいたい.
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