リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

沖縄米軍クラスター:「治外法権」による水際対策すりぬけを監視する努力をしていたか

2021-12-24 | 一般
沖縄駐留の米軍で新型コロナウイルス感染のクラスターが232人になった。県内ではオミクロン株感染者が10人も出ている。県は米本国からの米軍人によって持ち込まれたとみているが、関連は証明されていない。米軍基地内ではオミクロン株かどうかの検査ができず、県がゲノム解析を申し出ても個人情報保護を理由に断られたという。「すべての国内感染者について、オミクロン株の検査を行う」(岸田首相)という日本政府の方針が守れていないのだ。(朝日新聞2021-12-24
日本では11月30日以降、外国人の新規入国禁止など水際対策を強化しているが、米軍人や軍属は対象外だ。日米地位協定により、旅券やビザに関する国内法が適用されず、米本国から基地に直接入国できるからだ。
それでも、出国前2週間と到着後2週間の隔離など、独自の厳しい感染対策を講じているとされてきたという。だが、ワクチン2回接種者であれば入国直後でも基地内での行動は自由だという。
また、出入国時にはPCR検査を行うことになっているが、米軍はそれも実施していなかったという。
マスク着用義務も11月下旬には解除されており、基地外でマスクなしで歩く米軍関係者もいるという。
日常的に基地を出入りする人は多く、基地内で感染が広まれば、米軍だけの問題では済まなくなる。県が「基地内で『市中感染』が起きている可能性がある」と危惧するのももっともだ。

米軍基地の抜け穴がなくてもオミクロン株の国内侵入は時間の問題だったとは思う。だが米軍のやり方はあまりにずさんではないか。
日本が隷属国のような地位に置かれている日米地位協定の問題はかねてから指摘されているが、現状でもここまでいい加減なやり方は防げたのではないか。
「隔離」「PCR検査」「マスク着用」など、米軍の感染対策について、確認しておくべきだった。いや、確認はしたのだろうが、それがきちんと守られていなかったというのが問題だ。方針を聞いてよしとせず、定期的に実施状況を確認する必要があるだろう。
オミクロン株の検査について、米軍は22日、「日本側の協力を得て変異株検査を行い、結果を日本側と共有する」と連絡してきたという。「隔離」「PCR検査」「マスク着用」などの感染対策をきちんとすることは米軍の利益にもなるはず。その点をわからせて、実効性のある感染対策をするように仕向けてほしい。

追記:林芳正外相の発表によると、在日米軍基地はどこでも米本国出国時のコロナウイルス検査を行っていなかったそうだ(朝日新聞2021-12-25)。ワクチン接種が進み、感染状況が落ち着いたことで9月3日に免除になったのだという。だがその後欧米では再び感染が急増したはず。なぜそのまま放置したのだろう。もう少し外相はきちんと状況を把握して、米国に意見するべきだった。
一方、日本に入国後5日目までのPCR検査は実施していたそうだ。

追記2:上記「5日目までの」は誤報だったのだろうか。在日米軍は、これまでは日本への出国時、入国直後の検査のいずれも行わず、「日本入国後5日目以降」の検査しかしておらず、林外相が12月22日に在日米軍に改善を要請、米軍は26日から出国前の検査を始めていた(朝日新聞2022-1-1)。さらに、12月30日以降に入国する関係者は入国後24時間以内の検査もするという。


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