リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

高校無償化:私学まで支援は必要なのか?

2025-02-05 | 一般
高校授業料の無償化が与野党のかけひきの焦点になっている(朝日新聞2025-2-3同3面)。
国レベルでは、旧民主党政権が始めた無償化政策に自公政権が所得制限を取り入れるなどして2014年に始めた支援策があるが、一部自治体は独自に上乗せしている。だが、東京都などの財政が豊かな自治体と周辺との格差につながり、不公平感のもとにもなっている。
東京都は都内私立校の授業料平均額48万4000円まで私立生向けに支援しているという。
大阪府では私立生向けに年63万円まで支援し、2026年度以降はそれを超える分は学校負担とするという。(このやり方だと、平均より高い学費を取って内容を充実させようとする学校には不利になることを過去ブログで書いた。)
だが私は私立校まで無償にするというのがどうも理解できない。誰でも無償で公立高校に進学できるというのであればわかる。だが公立という選択肢があるのにあえて私立を選ぶ人が高い学費を払うのは仕方ないのではないか。公立では十分な学習ができないから私立も同じ無償で選べるようにしようというのであれば本末転倒だ。そんな余裕があるなら、公立でも十分な教育が受けられるよう公立の底上げこそするべきではないか。「公立校の教育があてにできないから私立を受験する」などという人が出ないようにしてほしい。教員の労働条件とか少人数学級とか、改善すべき点はいろいろあるはずだ。
今回の記事では識者が「私立を無償化の対象にすべきではないという声」に対して反論していた。いわく「私立は公立の不足を補い、地域の教育機会の質量の拡充に貢献してきた。今より支援を手厚くして、子どもにとって行きたい学校の選択肢を増やすのは当然だ。」と言っているが、公立校の充実ではだめなのか、納得できる説明ではない。「量」を補う点、「選択肢」を増やす点は正しいが、公立校の改善よりも優先すべきこととは思えない。
識者は続けて「欧州の多くの国は中等教育を無償にし、韓国も2021年から完全無償化した。」と言っているが、これは私学も含めてのことなのか、きちんと示してほしい。記事本体を見てもはっきりしないし、ちょっとネット検索した限りではわからなかった。続報に期待したい。

難しいのは政治的な打算がからんでくることだ。私立も含めた所得制限なしの高校無償化は日本維新の会が大阪で実施しているもので、維新は少数与党となった石破政権に国レベルでの実現を迫っている。これに対し、自民党は安定財源が必要だとして慎重な姿勢だという。ここは私も自民が正しいと思う。維新の言い分は必要な財源約6000億円は行政改革などで捻出できるというが、これは無責任だ。「無駄を削れば財源はある」と言って財源の手当てをせずに、有権者にアピールしそうな政策を組み込んで予算を膨らませるのはやめてもらいたい。少数与党で予算成立に野党の協力が欠かせない石破首相としてはたいへんだとは思うが、ここはどうにか筋を通してほしい。

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