リベラルくずれの繰り言

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子供の安全:「知らない人と話しちゃダメ」は逆効果?

2019-04-14 | 一般
子供にまつわる痛ましい事件もあり、「知らない人と話しちゃだめ」と教えることも多いだろう。だが他人と口をきいてはいけないというのはあまりに寂しくないか。そんな矛盾に長年悩んでいたが、「面識がない人と口をきかない子より、堂々と話す子の方が被害を防げる」という犯罪学が専門の小宮信夫教授の言葉(朝日新聞2019-4-13)で目からうろこが落ちた。
子供の連れ去りというのは力づくというよりも、やさしく話しかけてだますケースのほうが多い。教授の例では、「お母さんが病院にいるから行こう」と声をかけられたときに、「どこの病院?」「どんなけが?」と聞いて相手がしどろもどろになるようならおかしいと気づけるという。教授はさらに、知らない人と話せる力は非常時に他人に助けを求める力にもなると指摘する。
もちろん、教授も「入りやすく見えにくい場所」で近づいてきた人は警戒するなど切り替えも大切と言っているように、堂々と話せばすむというものではない。いくらしっかりしていても所詮は子供。弁舌さわやかに返答されたら結局言いなりになってしまう可能性もある。子供に限らず、悪徳業者や宗教団体の勧誘でもそうなのだが、理由を挙げて断ろうとすると、相手はその理由を解消するような理屈を並べてくる。やはり場合により、きっぱり断ることが必要だ。このように「切り替え」ることは必要だが、その際にきっぱり断るにしても、やはり他人と堂々と話せる子のほうがうまくできるだろう。
たしかに「切り替え」は子供にはかなり難しく、「知らない人とは話さない」というのはやむを得ない対応かもしれない。だが、少なくとも「誰にでも言いたいことを言える」よう慣れておくことは大切だろう。

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