リベラルくずれの繰り言

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歴史教科書の用語精選は入試改革が前提ではないか

2017-12-06 | 一般
高校の歴史教科書に載せる用語を絞り込んだリストを高校や大学の教員ら約400人からなる「高大連携歴史教育研究会」が提案し,「坂本龍馬が教科書から消えるかもしれない」などと話題になっている(asahi.com).
だが提案されている「リスト」は「最低限の用語リスト」であって,教科書の本文以外の部分(資料,図版,コラム,注など)で取り上げることを否定しているわけではない(ということは,教科書本文ではリスト外の用語は使わない,ということのようだ).だから慣れ親しんだ用語がリストから外れたといっても,教科書から消えるとは限らない.
歴史の流れや社会の構造の変化を学習するのが大切であって,用語の暗記に追われる現状をなんとかしなければならないという指摘は正しい.背景になっているのは覚えなければならない歴史用語の増殖だ.大学入試に出た用語を教科書に取り込んでいくことを年々繰り返してきた結果,世界史B,日本史Bの用語数は1950年代の3倍近くになっているという.
だがこうした背景を考えるなら,入試で細かい知識を問うことをこそ改善するべきだ.入試が変わらなければ,本文の用語をいくら制限しても意味がないのは明らかだ.記事によれば,今回の「リスト」は入試に関しても,「知識を問う以外の形式で取り上げること」を否定しているわけではないという.つまり,「知識を問う」問題はリストの用語に限定するということだ.大切なのはその点だろう.

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