7 なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか 「 1ヘ 日本の外交暗号をすべて解読していたアメリカ 」
第1章
ルーズベルト(FDR)が敷いた開戦へのレール 一部引用編集簡略版
本章は以下の内容を投稿予定です。
1イ まえがき
1ロ アメリカの決意、日本の一人芝居
1ハ ルーズベルト(FDR)による敵対政策の始まり
1ニ なぜルーズベルト(FDR)は、中国に肩入れしたか
目次漏れ項目 日独伊三国に向けられた「防疫演説」
1ホ 中国空軍機による九州来襲
1ヘ 日本の外交暗号をすべて解読していたアメリカ
1 ト 中国軍に偽装した日本本土空襲計画
1チ 日本を戦争におびき寄せた本当の理由
1リ ルーズベルト(FDR)を喜ばせた三国同盟の締結
1ヌ 着々と進む日本追い詰め政策
1ル 開戦五か月前に日本攻撃を承認した文書
1ヲ 「日本という赤子をあやす」
1ヨ 直前まで対米戦争を想定していなかった日本
1タ 日米首脳会談に望みをかけた近衛首相
************************
1ヘ 日本の外交暗号をすべて解読していたアメリカ
ルーズベルト(FDR)政権は1938(昭和13)年7月に、アメリカの航空機と航空機部品の製造業者と輸出業者に対して、日本への航空機とその部品などの輸出を禁じるように、要請した。
1939(昭和14)年9月1日に、ヒトラーのドイツがポーランドを侵略した。
イギリスとフランスはポーランドの独立を保証していたために、その二日後に、ドイツに対して宣戦を布告した。
第二次世界戦争の幕が、切って落とされた。
アメリカはすぐに中立を宣言した。
この日、ルーズベルト(FDR)大統領はラジオ演説を行って、「私は戦争の惨禍をよく知っており、戦争を憎む。私はアメリカを戦争の局外に置きたい。私に力があるかぎり、アメリカの参戦を防ぐ」と、述べた。
日本では1940(昭和15)年8月に、本土の防空に当たるために、防衛総司令部がようやく新設された。
翌年7月に、防衛総司令部の隷下(れいか)の航空部隊の編成が完了した。しかし、その指揮下に置かれた戦闘機は、全国で100機に満たなかった。
高射砲も、砲弾も不足していた。東部軍司令部で模擬演習が行われたが、対空砲による来襲機の撃墜率は0.3パーセントとされた。1,000機に3機でしかない。
アメリカとソ連による本土空襲については、研究が行われたが、中国空軍による空襲はまったく想定していなかった。
1940(昭和15)年9月末から10月の第一週にかけて、アメリカ陸海軍の暗号解読班が、日本の外交暗号すべてと、日本海軍の暗号の一部を、解読することに成功した。
日本の外交暗号を「パープル・コード」と名付け、日本外交暗号の解読機械が「パープル・マシーン」と呼ばれた。「パープル・コード」解読はアメリカ陸軍作戦局軍事情報部が担当し、解読の作業班に、「マジック」という通称が与えられた。
これ以降、アメリカは日本政府の動きを、刻々と手に取るごとく、知ることができるようになった。
ハロルド・スターク海軍作戦部長は「マジック」を、「スプレンディッド・アレンジメント(何とも素敵な仕掛け)」と呼んだ。
参考:加瀬英明著「なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか」
加藤英明氏は「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長