ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
       ・・そんなこと探りたい

2012-04-10 10:56:09 | 日々の暮らし・思い出
中、高校生の頃、住んでた家は雨漏りする箇所が何箇所もあった。

床にそれ用のバケツを置くと布団が敷けなくなるので、

天井に透明のビニール風呂敷みたいなのを画鋲で止めて、

ある程度の量になったら、下から棒でつつくと、

溜まってた水がこぼれてそれを受け取るバケツに落ちた。

弟がそのビニールに溜まった水を見て、

「あそこで金魚を飼おうか」と言って、二人で笑い合ったこともある。

ある晩思いがけなく大雨が降った。

大量の雨水の重さに耐え切れなくなったビニール風呂敷の画鋲が外れた。

ぐっすり寝ていた私の顔の上に水がバシャー!と落ちて来た。

びっくり仰天とはこのこと。

びっくりはしたけど、惨めにも思わず、悲しくもならず、

あー、昨日のうちに水全部出しとけばよかったぁ、

でもそれでもダメだったかな~

画鋲じゃなくてもっと強いので止めたらいいのかとか、

もうちょっと布団敷く場所をずらして置けばよかった、

・・そんなことを思った。

翌朝それを知った弟は大爆笑だった。私も一緒に大笑いした。

バシャー!と落ちた夜中は笑うことはなかったけど、

二人だと本当に可笑しかった。

こういう出来事を体験したことがある人が居るのか居ないのかわからないけど、

これは悲劇じゃなくて喜劇だった。

中学生の時、友だち(家が金持ちだった)が家に遊びに来たことがあった。

雨樋が壊れているのを見て、彼女は当たり前のように「治せばいいのに」と言った。

恥ずかしさや悲しさは感じなかった。

少し頭に来た。この子はわかってないんだな、と思った。

どこの家もそれぞれ都合ってものがあるんだよ、

それ直すより先に使わなくちゃならないお金の使い道があることも知らないのか、

って思った。


ノー天気な明るい母だったことが、

私たち兄弟の気持ちに暗さを与えなかったんだと思う。

高校生だったある晩、夜中に目が覚めたことがあった。

隣の部屋に灯りが点いていて、母が一人で声も立てずに泣いていた。

声をかけることもはばかられる姿だった。

翌朝の母がどんな様子だったかは覚えがないけど、多分いつもと変わらなかったと思う。

その姿を見てしまったことは母に言わなかった。


子供の前の母親って明るいのが一番だなぁと思う。

母に辛い時も悲しいこともそりゃたくさんあったろうけど。

彼女、忘れっぽかったし。

あの雨漏り状態の家で母の気持ちが暗かったら、

私たちはどうなっていたのかなぁと思う。

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