フライフィッシングの話

河川、湖沼、管理釣場などの国内釣行記、海外釣行記、タックル、フライなど、フライフィッシングにまつわる話と美しい写真。

アマゴデズ・・・。

2006-06-28 16:01:50 | 伊豆
6月25日 雨

沼津ICから国道136号線を南下、大仁の狩野川大橋を渡り土手沿いを走りながら狩野川を眺めると、川の中には鮎師がずらりと並んでいた。さすが鮎釣りのメッカ狩野川である。
今年から狩野川水系の大見川とその支流については、鮎釣りが解禁した後も、フライとテンカラに限ってアマゴ釣りが可能になった。それは関係諸氏による長年の働きかけによって実現されたものであり、その恩恵を受ける者はルールを厳守するのはもちろんの事、現場で鮎師とトラブルになるような事も避けるべきである。

早速、遊魚券を購入するため、釣宿「好鱗」へ行ってみると、アマゴの券は置いておらず、その先の『橋本屋』にあると言う。
「みんな鮎なんか釣りに来てるけど、今頃はまだ小さいのしか居ないんだから、本当はアマゴ狙った方がいいんだよなぁ。」
『橋本屋』のオヤジさんはそう言いながらも、私が「どこがいいですか?」と尋ねると、案内図を取り出し漁協の養魚場を指している。何でも、養魚場の下にはニジマスが居て、ニジマスは誰も釣りたがらないのだそうだ。
「あれだったら、間違い無く釣れるよ。」
確かに、わざわざ伊豆まで来てニジマスを釣ろうなどとは誰も思わないだろう。私だってアマゴが釣りたいのだ。
念のため、養魚場の下をチェックしてみたが、雰囲気は良くないし、魚の気配も無かった。ただ、途中の発電所の上流はなかなか良い感じだった。水は雨の影響で笹濁り程度である。

今回は単なる家族旅行なので、釣りをする時間は無理矢理作るしかなかった。
とりあえず、宿に行きチェックインを済ませると、夕食は6時だと言われる。この時すでに3時半を回っていたので、釣りが出来るのは正味1時間半程しかない。本来なら上流部へ入るべきところだが、そこまで行っていたらそれこそ時間が無くなってしまうので、仕方無く、宿から最も近い小川橋上流に入る事にした。

早速土手沿いに車を停めウェーダーに着替えていると、テンカラ師が土手沿いを上流へ向かって歩いて行った。丁度この頃から霧が濃くなり、視界が悪くなって来た。ハッチは全く見られないので、当然ライズも無い。水温もかなり高めのようだった。
しかし、渓相はとても良い感じで、非常に変化に富んだ大から小といったポイントの連続である。とりあえずパイロットのウェット#12を流してみると、何投目かでコツンと当たり、何と10センチに満たない小鮎が釣れた。サイズは小さいが、遡上してから時間が経っているので、姿形は立派な鮎そのものである。その後も2度小鮎がヒットしたので、#8フックに変更してみると、今度は明らかに鮎とは別のアタリがあった。小さな落ち込みの先へ送り込んでやると、間もなく小さな魚がヒットして、ブルブルとティップを震わせたかと思ったらバレてしまった。
その後、流れの緩やかな場所に移ってみたが、そこで立て続けに釣れたのはアブラハヤばかりだった。(汗)

翌朝、雨は本降りになっていた。
とりあえず伊東方面へ向かい、途中松川湖へ寄ってみる事にした。
とりあえず奥野ダムの上からチェックすると、遠くでライズしているのが見えるが、かなり沖目である。
ログハウスでは2人のフライマンが休憩していたので、状況を聞いてみたところ、ハヤやブルーギルばかりであまり良くないようだった。下に降り、湖の近くで様子を見てみたが、確かにライズらしきものはどこにも見当たらなかった。ところが、対岸の先では、小魚の群れが逃げ惑っていて、その先ではボイルが起きていた。その正体がニジマスなのかブラックバスなのかは判らないが、物凄いスピードで捕食していたので、たぶんニジマスだったと思う。
今回は竿を出さなかったが、機会があれば是非挑戦してみようと、温泉に浸かりながら想いを馳せるのであった。

梅雨の晴れ間の忍野にて

2006-06-21 14:50:51 | 桂川(忍野)
6月20日 曇り時々晴れ

今日こそ明け方のライズを狙おうと思っていたのだが、このところワールドカップのテレビ観戦で寝不足が続いていたため、結局今回も早起きは出来なかった。

到着した時には、すでにライズも散発気味になっていたが、まだまだ魚の反応は良く、ワンキャスト、ワンヒットで立て続けにレインボーが3尾釣れた。
最近放流があったのだろうか、釣れたのは殆どがヒレの丸い放流マスで、丸々と太ったその魚体はどれもコンディションが良く、リールを逆転させたり、何度もジャンプを繰り返すなど、ヒレピンレインボーに負けないくらいのファイトで楽しませてくれた。

一方、堰堤では、相変わらずゆったりとしたフォームでディンプルライズが起きていて、迷わずユスリカを試すと、頻繁に当りはあるものの、なかなか乗ってくれない。バラシも多く、結局2時間程粘って7尾の釣果だった。
そのまま下流へ移動してみると、川沿いの小径は前回よりも明らかにブッシュが多くなっていた。特にさかな公園裏から金田一にかけては自然林が続くため、ちょっとしたトレッキングコースを歩くようなものだが、今回は藪漕ぎという程ではないにしても、それに近い場面に出くわす事も多かった。8フィート半のロッドがちょっと煩わしく感じられ、そう思いながら歩いていたら蜘蛛の巣に引っ掛かってしまった。身体に付いた蜘蛛の巣を振り払っていると、左腕には大きなジョロウグモが居て、思わず声を上げてしまう。(汗)

水面の静まり返った温泉下をスルーして、金田一で様子を見てみる。
今日の金田一は散発ながらまだまだライズがあり、様々な水生昆虫がハッチしていた。先行者が見当たらなかったので、とりあえず先に富士急へ行ってみると、ルアーマンがど真ん中でウェーディングしていて釣りにならず、手前の落ち込みで1尾釣り、そのまま金田一へ引き返す。橋の下流には放流マスが溜っていたが、何故か釣れたのは23センチ程の綺麗な雌のブラウンだった。
そのまま橋の上流へ行き、暫く川の中を観察していると、底に定位しているマス達は、特定の流下物だけを選んで捕食しているように見えた。試しにドライを流してみるが、ポッカリと浮いているものより、べったりと水面に張り付くパターンの方が反応が良い。また、対岸のブッシュ下では常にカディスがハッチしていて、ピューパパターンにもまずまずの反応を示した。しかし一通り試してみると、だんだんと反応は鈍くなり、当りも殆ど無くなってしまう。仕方が無いので、以前から同じ場所に定位していた50センチクラスのレインボーをサイトニンフィングで狙ってみると、その手前に居たブラウンが飛び出して来てフライをくわえた。すかさず合わせると、勢い良く左右に走ったかと思ったら、今度は水面で身体を目一杯くねらせ「ガボッ、ガボッ」と大きな音を立てながら暴れている。とても力強いファイトだ。ネットに収め、写真撮影をしようとするが、大きなアクションで暴れるため、すぐにもネットから飛び出しそうだった。そして結局3枚撮影した直後に、ガボッという音と共に流れの中に消えて行った。32センチとブラウンにしては若干小振りではあったが、宝石のような鮮やかな朱点を身に纏った完璧な魚体(写真)を手にして、それだけで今日は十分に満足だった。
夕方は堰堤でユスリカの釣り~ヒゲナガの釣りを楽しみ、最後に25センチ程の綺麗なブラウンを釣って夜8時に納竿。今日のヒゲナガはハッチ量もまずまずだったが、魚の反応は差程でも無かった。

この日の釣果。
ニジマス27尾、ブラウン3尾。
ニジマスは放流ものが多かったが、ブラウンはどれもパーフェクトな魚体だった。

最盛期の忍野パート3

2006-06-09 15:29:11 | 桂川(忍野)
6月8日 曇り

今日は朝からどんよりとした曇り空で、富士山も太陽も今日一日は拝めそうにない。
今年は春の到来が遅れたばかりでなく、GW後半から続いた天候不順が5月の後半まで続き、最近になってようやく持ち直したと思ったら、もう梅雨入りである。
先週も先々週も、釣行日は天候に恵まれたため、ちょうど今頃の時間帯には朝日が差し込み、清々しい気持ちで釣り始める事が出来たが、今朝は分厚い雲が太陽を遮り、辺りはまだ薄暗かった。

いつものように橋の上から川を覗くと、今日はやや濁り気味。ライズも少ない。
とりあえず、先週魚の反応が良かった護岸カーブへ行ってみるが、今日の魚達はなかなかヤル気を見せてくれない。結局、1時間程粘って2尾キャッチするのが精一杯だった。

そのまま温泉下~金田一~富士急を回ってみるが、早朝からこの辺りにはかなりの人数が入っていたようで、魚影もライズもまばらだった。もしかしたら明け方に大量のハッチがあり、皆出勤前に駆け付けていたのかも知れない。そう思ったら何を使っても釣れないような気がして来て、実際本当に釣れなくなってしまうから不思議なものである。やはり釣りというものはイメージが重要なのだとつくづく思う。
鐘ケ淵堰堤へ行くと、相変わらずディンプルライズがポツポツと見られたが、ここは1発大物狙いでLLを試してみる事にした。すると、開始後何投目かでラインがスーッと引き込まれ、すかさずロッドを立てるとゴクンゴクンと超大物の感触。ところが今回はファイトを楽しむ間も無くフックが外れてしまった。恐らくあの首振り具合から察するに、50センチは裕に超えていただろう。
気を取り直してウェットの釣りに変更すると、間もなく35センチ弱のヒレピンレインボーがヒット。相変わらず素晴らしいファイトで、何度もリールを逆転させて楽しませてくれた。
その後ミッジに変更し、ニジマス2尾とヤマメ1尾を追加して午前の釣りを終える。

午後は4時頃から大臼荘~護岸カーブ~S字と回ってみるが、バイトはあるものの、バラシかすっぽ抜けばかりでキャッチ出来ず、再度鐘ケ淵堰堤へ向かった。
今度はルースニングを試してみると、アタリはあるものの、やはり魚が乗らない。食いが浅いのだろうか?
暫くして、インジケータがスッと引き込まれたので、ロッドを軽く立てると、またもやゴクンゴクンと大物の感触。しかし今回はガッチリとフックアップ出来たようだ。早速余分なラインをスプールに巻き込み、臨戦態勢に入るが、どうも魚のファイトが鈍重な感じで、一瞬「鯉か?」とも思ったが、インジケーターの先に見えるのは虹色の魚体である。その魚体は、異様に体高が高く見えたが、良く見ると背骨の曲がった奇形マスだった。
5分以上掛かって何とかネットに収め、魚体を浅瀬に置いてみると、背骨は腹ビレの辺りが特に大きくまがっていた。そればかりでなく、まるで串に刺した鮎の塩焼きのように、背骨が横にも湾曲している。通常自然の川でこのような個体が大きくなる事は稀だが、太り具合や、ヒレの再生具合からして、放流後少なくとも1年以上は経過しているに違いない。流れが緩くエサが豊富な忍野では、このような事も有り得るのかと関心させられた。メジャーで計測してみると、やはり体長は53センチと思ったより短い。しかし頭の大きさや顔付きは間違いなく60センチクラスのものだった。
その後、ミッジで綺麗な25センチのヤマメと2尾のレインボーを追加してひと休み。
イブニングは2回の電話に邪魔されながらも、短時間でヒレピンレインボー2尾に綺麗なブラウンとブルックを1尾ずつ釣る事が出来、まずまずの結果だった。

この日の釣果。
ニジマス10尾、ヤマメ2尾、ブルック1尾、ブラウン1尾。
これであとイワナが釣れていれば「五目釣り」を達成するところだった。

最盛期の忍野パート2

2006-06-03 13:16:45 | 桂川(忍野)
6月1日 晴れ

今日は朝から天気が良く、富士山が良く見えた。
確か先週訪れた時は、富士山の雪もまだかなり残っていたが、ここ数日の夏のような陽気で、ようやく初夏らしい富士の姿になった。
そう言えば忍野もこのところ急に緑が増えた印象だ。ブッシュにフライを引っ掛ける事が多くなって来ると、いよいよテレストリアルが活躍する季節である。

早速、川を覗いてみると、先週のような濁りは無く、とても澄み切っている。
ピーカンで澄み切った流れという事は、今日はかなり渋い日になりそうだ。当然ライズは少なく、魚が川底にサスペンドしていたため、サイトニンフィングを開始するが、やはり反応は鈍い。護岸カーブで小さなヤマメをキャッチし、S字をチェックしてから一旦下流へ戻る。
鐘ケ淵堰堤下の流れ出しで小さなライズを発見。
早速ウェットをライズのあったところへ送り込んでやると、グーンとティップが曲がった。
ロッドを立てるとゴクンゴクンという重たい感触。ネットに納まったのは38センチの放流マスだった。しかし型は良くても、ヒレの丸い放流魚では仕方が無い、ヒレピンを求めてさらに下流へ移動する。
先週良型のブラウンをバラしたポイントへ行くと、同じ魚がうろうろしていたが、殆ど反応が無く、そのまま金田一へ移動。しかし今日の金田一はなかなか反応が良く、ここで綺麗なレインボーを3尾とブルック30センチを追加する。

その後富士急でサイトニンフィングをしていると、35センチ程のヒレピンレインボーがヒット。何度もジャンプを繰り返し、素晴らしいファイトだった。その後2尾を追加して、今度は川底近くまで沈めてみると、突然黒っぽい大きなレインボーが現れフライをくわえた。すかさず合わせをくれてやると、物凄いスピードで魚が走り出し、リールが逆転。この時、藻の中に突っ込まれなかったのはラッキーだったが、まだまだ余力を残しているのは間違い無かった。魚体はアメリカのスプリングクリークに生息しているような黒っぽい色をしていて、鮮やかなレッドバンドが印象的である。もうすぐ手が届きそうな距離まで寄って来ていたが、予想していた通り、またもや猛然と走り出し、次の瞬間、急にロッドが軽くなった。ラインブレイクでは無く、フライが外れたのだ。恐らく45センチはあったと思うが、取れる自信があっただけに、かなり悔しかった。
戻りがてら、温泉下で37センチ程の放流マス、橋の下で小さなヤマメをキャッチして、午前の釣りは終了する。

午後、鐘ケ淵堰堤で40センチジャストの太った雌のレインボー(写真)がヒット。しかし後が続かず。結局夕方のユスリカで苦戦して、2時間やって釣れたのはたったの3尾のみ。この日もヒゲナガのハッチは少なく、あまり期待はしていなかったが、今回は3尾キャッチ出来た。

この日の釣果は、ニジマス14尾、ヤマメ2尾、ブルック1尾。
前回同様、今回もバラしが多かった。