フライフィッシングの話

川、湖、管理釣場などの国内釣行記、海外釣行記、タックル、フライなど、フライフィッシングにまつわる話と美しい写真。

黒くて太いのが好き?

2007-04-27 01:11:55 | タックル

自分達の世代にとって、一眼レフカメラやオーディオアンプは黒いものというイメージがある。当時はテレビだって黒が主流だったし、喪服に間違われそうな黒ずくめのファッションだって、ちょうどその頃に流行したものだ。

一方、フライリールはと言うと、私がフライを始めた1970年代後半は、ほとんどが銀色だったと思う。確かに当時主流だったバンブーやグラスロッドには、ハーディ製のシルバーやガンメタ色のリールが良く似合っていた。

やがて、カーボングラファイトという画期的な新素材の出現により、フライロッドは目覚ましい進化を遂げる事になるのだが、構造が極めてシンプルで変わりようの無かったフライリールも、それに追従する形で進化せざるを得なかった。確か、黒いリールが出現したのもちょうどそんな時だったと思う。

当時、ハーディのマーキスシリーズが、黒っぽいカーボンロッドに合わせてガンメタ色になった時は、さすがに違和感を覚えたものだが、真っ黒いリールというのはまだハーディには無かった。
では、一番最初の黒いリールというのは、どこのどんなリールだったのだろうか? 今ではすっかり記憶が曖昧で思い出せない。もしかしたら日本製が最初なのかも知れないが、もしそうだとすれば、私の知る限りではイーアンのXGシリーズしか思い浮かばないのだが・・・。(もしご存知の方が居たら教えて下さい。)

その後フライリールは、変形しやすいアルミダイキャスト製から、頑丈なアルミ塊から削り出された、いわゆるバーストックが主流となり、オービスのCFOリールも全てバーストックモデルになった。そしてエーベルやロスといったフライリールの専門メーカーが次々に現れると、いつの間にか世の中のフライリールは黒一色となっていたのである。

果してそういう時代を過ごしたせいなのかはわからないが、所有するフライリールも気が付けばハーディ以外は黒ばかり、たまに銀色のリールも買ったりするけど、結局オークション行きだったりで、今は黒いラージアーバーのリールばかりである。

写真手前はダニエルソンリール社のFW2six、奥はガルバンフライリール社のラッシュR-4。
FW2sixにはDT3FかDT4Fを、そしてR-4にはDT3Fをセットしている。

最近はほとんどラージアーバーしか使わなくなって、だんだん径の大きなリールを好むようになったが、時代はさらに大型化&軽量化に向かっているようだ。
そう言えば、ラムソンのライトスピードはとうとう穴だらけになっちゃったけど、出来れば以前の型でブラックバージョンが欲しかったなぁ。まあ、この先も黒は出ないだろうけど・・・。

折れるという事。

2007-04-19 11:45:26 | 湖(レイク)
もうこれは毎度の事だが、初釣行を終えると、すでに頭の中は釣りの事ばかり。
いわゆる『釣り馬鹿』状態になる。
今年もその兆候は著しく、2日前に出掛けたばかりだと言うのに、またしても釣り場へと向かってしまった。

河口湖ICを出て国道139号線を右折、目指すは本栖湖である。
湖岸沿いの道を進み、スポセン前へ向かう。
ワンドには、すでにスペイキャスターが入っていたが、それ以外に釣り人の姿は無い。とりあえず、岩の上からその様子を眺めていたら、突然大きな黄金色の魚体が目の前に現れ、吸い込まれそうなほど蒼い水の中へと消えて行った。紛れも無くそれはブラウンのライズだった。

急いで湖仙荘まで戻り、入漁券を購入する。
湖岸に出ると、思ったより風が強く、しかも巻いていて投げづらい。
そのうちに、監視員のおじさんが来たので話をしたところ、しきりに「まだ10日早い。」と言っていた。何の事かと思いきや、ヒメマスが解禁している間は沖で餌を撒いているので、魚が接岸しづらいのだと言う。やや意味不明ではあったが「ワカサギはもう産卵で岸に寄ってるから、それを食いに来るのも居るだろう。」と言い残し、おじさんは立ち去って行った。

結局、本栖では何の反応も無く、いくつかのフライをロストしただけ。
風も強くなる一方だったので、早めに退散し、忍野へと向かった。

忍野へ到着してみると、さすがに土曜日とあって結構混雑していた。
しかし、昼前の丁度良い時間帯だったので、先日良かった大臼荘前から始める事にする。
始めてから数投目、対岸のライズを狙っていると、ブッシュにフライを引っ掛けてしまう。
そのままロッドを煽ったところ、次の瞬間、「ボキッ!」っという音とともに、バット部が呆気なく折れてしまった。
そういえば2日前、釣った魚の写真撮影をしている時に、足下に置いたロッドを踏んでしまい、ブランクに傷が付いていたのを思い出した。チェックしてみると、やはりその箇所から奇麗にポッキリと折れている。
がっかりしながら、大臼荘前の土手を上がって行くと、すれ違ったフライマンから声を掛けられた。

「どうしました?」
「いや~、見てのとおり折れてしまいました。」
「ええっ、セージですか? あ、でもセージなら生涯保証だから直るでしょう。」
「そうかも知れませんね。でも古いロッドなので・・・。」

30年間フライをやってきて、ロッドを折るなんて事は今回が初めてだった。
しかも、こんな日に限って、予備ロッドを持って来ていない。
いや、もうそんな事はどうでも良い。どうせショックで釣りにならないのだから・・・。
むしろ、今私にとって一番気掛かりなのは、果たしてこの折れたロッドが元通りになるかどうかなのである。

ようやく初釣行

2007-04-13 12:53:19 | 桂川(忍野)
3月1日芦ノ湖。3月15日忍野。

今年は両方とも解禁日の釣行を目指していたのだが、結局どちらも果せなかった。
要するに、またしても寒さにめげてしまったのだ。
しかも、今年はとことんタイミングが悪いようで、なかなか初釣行まで漕ぎ着けない。気が付けば、近所の公園の木々が芽吹き始め、新緑の季節はもうすぐそこまでやって来ているではないか。

「きっと桂川沿いの桜も、蕾みをパンパンに膨らませている頃だ。いや、こうしている間にも、桂川でいくつもの尺ヤマメが、忍野で50センチを超えるヒレピンレインボーが釣られているに違いない。」

そう考えたら、もう居ても立ってもいられなくなるのが、釣り人の性というものである。

「こうなれば、何が何でも桜前線が来る前に初釣行を達成せねば・・・。」

私は、この一見何の根拠も持たない目標が達成されるまで、さほど時間を要さない事を知っていた。

忍野に到着すると、臼久保橋の脇のスペースに車を停めた。
今年は、さかな公園の駐車場が利用出来なくなったと聞いていたので、様子を見に行ったのだが、確かに「釣り人の利用禁止」という看板が立っている。

早速、橋から下流へ釣り下ってみるが、ライズも殆どなく、フライへの反応も無い。
堰堤でまず最初の1尾をキャッチ。30センチオーバーのレインボーだったが、何とお腹にティペット付きのフライが刺さっていて、しかもその部分が化膿している。もちろん丁寧に外してリリース。
そのまま金田一まで行き、流れ出しで小さなブラウンを1尾キャッチ。続いて橋の上流部で30センチ弱のレインボーをキャッチする。

あまりにも反応が良くないので、富士急を見てから上流部へ向かう。
相変わらずS字は泥だらけで、魚影は少なかったが、テニスコートから江戸屋釣堀までは逆に魚が溜っている箇所が多かった。

江戸屋釣堀では、親父さんが、「兄ちゃん、こっちこっち!」と手招きしているので、近寄ってみると、いきなりペレットを川に撒き始める。すると30尾程のニジマスやブラウンが狂ったように餌を食べ始めた。川底近くには50~70センチクラスのレインボーも居て、暫くその様子を眺めていたら、「早く釣りなよ!」と催促されたので、仕方無くペレット色のウーリーバガーを投げ入れてみたら、見向きもされなかった。
暫くして親父さんが居なくなると、少しはフライへの反応も良くなったが、口を使うまでには至らなかった。それでもしつこくやっていたら、とうとう30センチオーバーのブラウンがヒット。これでブラウンがこの中で最も食い意地のはっている魚だという事を証明出来た。

膳棚橋で折り返し、今度は釣り上がりながら、イワナやヤマメ、ニジマスをいくつかキャッチして、出発地点の臼久保橋に戻って来たものの、どうもそれまでは何か釈然としないというか、納得の出来る釣りが出来ずにいた。

とりあえず、橋の上から魚の動きを観察してみると、マス達は明らかに水中で何かを捕食していて、活発に動き回っている。そこで今度は大臼荘前でじっくりと腰を据えてやってみる事にした。
ハッチの状況を見ながらフライを選び、ダウンクロスで流してやると、モワッと水面が盛り上がった直後に、ロッドにもコンという魚の反応が伝わった。フライを追って来る魚の姿も見える。予想通りだ。
次に、比較的型の良い藻影の黒っぽい魚に狙いを定めると、慎重にポジションを決めてから、クロスでキャスト。鼻先をかすめるように流してやると、絵に書いたようにフライを追って来て、フライをくわえ反転した。フックアップした直後から何度も素晴らしいジャンプを繰り返し、リールを逆転させるファイトは、さながらヘンリーズフォークのビデオを見ているようで、魚体もレッドバンドが美しい35センチのヒレピンレインボーだった。

この日の釣果。
ニジマス12尾、ブラウン2尾、ヤマメ2尾、イワナ1尾。
初釣行にしてはまずまずの結果だった。

尚、さかな公園の駐車場の問題だが、現時点ではゲートが開いている時間帯なら使っても良いとの事。さらに完全使用についても交渉中で、元通りになる日もそう遠くは無さそう、との事である。