夕方、ヒゲナガのハッチを待つため堰堤へ移動。
しかし、ライズは頻繁にあるものの、なかなかフライには反応してくれない。
厳密に言うと、いちおう追ってはくるのだが、銜えるところまでいかないのだ。
念のため、ミッジやウェットも試してみるが、30分くらいやってフッキング出来たのは1尾だけだった。
そうこうしているうちに、だんだん暗くなってきたので、臼久保橋へ移動。
早々にヒゲナガのイミテーションフライをティペットに結び、様子を見ていると、目の前でガボッと派手なライズが起きる。
しかし、ヒゲナガの姿はまだ見えない。
試しに、足下でフライを滑らせてみたら、小さめの魚がバシャっと飛び出して来て、これを期に、すこし上流から流してみる。
すると、今度は良型の魚が出て、かなりの重さが伝わってきたが、すぐにバレてしまう。
その後、何度かすっぽ抜けを繰り返した後にようやくフッキング。
重々しい引きでぐんぐん上流へ走って行くので、これは良い魚だと確信する。
上がって来たのは、無傷のパーフェクト・ブラウンだった。
この日の釣果、ニジマス10尾、ヤマメ3尾、イワナ1尾、ブラウン1尾。
写真上:日が沈み、辺りが薄暗くなった頃、派手なライズとともにヒゲナガのステージが始まる。
写真下:真っ暗な中、キャッチ出来たのはこの美しいブラウンだけだった。今年のヒゲナガは少ない。
午後は少し仮眠をとろうと車の中で横になっていたのだが、どうやら眠りこんでしまったらしく、気が付けば3時をまわっていた。
慌ててS字へ行ってみると、いつの間にか結構人が入っていて、一番奥の樹の覆い被さった場所しか空いていなかった。
仕方無く、そこからブッシュ下のいかにも魚が付いてそうなところへロールキャストでフライを打ち込んでみる。
すると、一投目から呆気なくニジマスが釣れてしまった。
このように、やる気のある魚は一発目に反応することが多いので、ミスがなければ確実に釣れるのだ。
暫くして、今度は別の場所でライズを発見。
アンダーハンドの応用で、ロッドを横にしてから振り下ろしてみると、思い通りの場所へフライが入っていく。
魚は見えてなかったが、すぐに川底から黒い影が飛び出してきた。
ファイトの感じからしてブラウンかと思ったが、以外にもライズの主は25センチほどの奇麗なイワナだった。
つづく
写真上:S字の最奥部は樹木に被われているため、ロールキャストとメンディングが攻略の要となる。
写真下:ブッシュ下から飛び出してきた奇麗なイワナ。今回は大人しく写真に収まってくれた。
今日のロッドは、デーモンのシャトーゲイ8フィート6インチ4番。
現在、手持ちのロッドの中では、最も使用頻度の高い忍野用ロッドである。
しなやかなティップと強靭なバットを持つウェット系アクションのこのロッドは、どちらかと言うとナローでスピードのあるループは苦手だが、そのぶんコントロールがしやすくテーリングも起きにくい。
さらに、ロールキャストが打ちやすいため、ブッシュが多い忍野では非常に実用的なのだ。
ということで、道具は万全。
後は肝心の釣りの方だが、だんだんと日が高くなるにつれ、ライズもコンスタントに見られるようになったので、とりあえずウェットに変更してみる。
すると、立て続けに良型のヤマメが釣れてしまった。
どうやら水生昆虫のハッチが始まり、活性が上がってきたらしい。
暫くすると、今度は目の前にサーモンのような魚影が現れる。
もちろんサーモンであるわけもなく、よくよく目を凝らして見ると、それは巨大な雄のニジマスであった。
目測で70センチはあろうかという超大物だが、不思議と最初から釣れる気がしなかった。
そして、実際にニンフを沈めて目の前を通過させてみたが、やはり全く反応しない。
良く見ると、少し先にも50センチクラスのニジマスが居て、そっちは何となく口を使いそうだったので試しに鼻先へ流してみると、いとも簡単にパクパクっとフライを銜えた・・・と思ったのだが、残念ながらこっちはすっぽ抜け。
仕方無くウェットに戻し、流心を流してみると、何と40オーバーのニジマスがヒットした。
凄い勢いでスプールが逆転し、上流へグングンと走って行く。
野性味溢れる素晴らしいファイトだった。
しかし、すぐ近くまで寄せたところで、ピッという音とともにバレてしまう。
皮肉なことだが、明らかに今回はバーブレス特有のバレ方だった。
つづく
写真上:デーモンロッドと26センチの幅広ヤマメ。
写真下:再び『ふもとや』の絶品吉田うどん。トッピングのわかめは有料だが、揚げ玉は無料。
午前7時過ぎ、さかな公園の駐車場に到着。
昨日までの暑さとはうって変わって、空気がひんやりとしたとても気持の良い朝だった。
さすがに平日とあって先客の姿は無く、余裕で準備を済ませそのまま川岸へ。
そして、臼久保橋の下流に入り第一投・・・と思ったら、早くも後ろの樹の枝に引っ掛けてしまった。(汗)
微妙にロッドが届かない場所だったので、仕方無くラインを持って引っ張ってみる。
すると、「パチン!」という音と同時に右手親指に痛みが走った。
見れば、親指には明らかに自分の巻いたものでは無い黒いビーズヘッドニンフが刺さっている。
とりあえず外そうと試みるが、深く刺さっている上に強力なバーブが引っ掛かりなかなか外れず。
しかも、めちゃくちゃ痛いではないか。(涙)
結局、痛みを堪えて無理矢理外したが、開始早々こんな目に遭うとは、まったくトホホである。
血だらけになった親指とロッドのグリップを川の水で洗い流し、気を取り直して始めてみたものの釣果はナシ。
そこで、対岸へ移動して、先ほどの黒いビーズヘッドのフライにしてみるとやたら反応が良く、面白いので足下に落としてみたら、いきなり50センチくらいのヒレピンレインボーが影から出て来て、もう心臓バクバクものだった。
結局、口を使わずに去ってしまったが、やはり忍野には凄いのが隠れているんだなあと思わせる一幕であった。
そのまま下流に移動して、結局『拾った』いや『降ってきた』フライで最初の一尾をキャッチ。
藻の脇に定位していた忍野らしい奇麗なニジマスだ。
ところがこのニジマス、外観は奇麗なのだが、残念ながら唇が欠けていた。
私はこのフライを使うときも、フォーセップでバーブを潰してからティペットに結んだし、手持ちのフライも全てバーブレスにしている。
だから、こういう魚を見ると、せめてC&R区間では皆がバーブレスを使うべきではないかと思うのである。
つづく
写真上:さかな公園駐車場(上)に到着すると、松林の向こうは抜けるような青空だった。
写真下:ヒレの黒い忍野のニジマス、えさとなる水生昆虫が最も多いこの時期は、ご覧のように胃袋も満タンである。
結局、そのまま国道139号線を都留方面へ左折。
そう、目指すは鹿留川、いや、管理釣場のフィッシュオン鹿留である。
随分とご無沙汰だったので、思わず右折する信号を見逃し通り過ぎてしまったが、とりあえず無事鹿留に到着すると、駐車場に車を止め、各釣場の様子を確認した上で、少し睡眠をとった。
午後3時、事務所でイブニングB券を購入。
早速鹿留湖で始めると、フライを投げ入れた途端に魚が集まって来て、殆ど入れ食いというか、何もしないでも食いついてくる。
それでも、ひとたび型の良いニジマスが掛かれば、4番ロッドは弧を描き、ラインはあっという間に引き出されるし、取り込むのにもひと苦労だった。
中には、銀化したスチールヘッドや、ヒレピンのニジマスなんかも釣れたり、結局、薄暗くなるまでに、数え切れない程の魚が釣れて、もう一年分くらいの魚を釣ってしまったような気分だった。
写真上:鹿留ではちょうど八重桜が見頃を迎えていた。
写真下:管理釣場と言えども、コンディションの良い魚が釣れるのは嬉しいものである。
臼久保橋から富士山を眺めてみると、やはりこの時期にしては雪の部分が多いようだった。
というのも、高速で来るとき、西桂の辺りでちょうど正面に富士山が見える箇所があり、そこから見た富士山がやけに白っぽく感じられたのだが、気のせいではなかったのだ。
恐らく先週の寒波のときに冠雪したのだろう。
一方、堰堤付近のライズは、その後ぱったりと無くなってしまい、試しにニンフを沈めてみたところ、いきなり40センチオーバーのニジマスが釣れた。
そのうちに風が出て来たので、タックルを3番から4番に替えるため、一旦車に戻り仕切り直しをする。
S字ではウェットを試してみるが、コツコツとアタリはあるものの全く乗らず、そのまま忍野の手づくりパン屋『ブローニュ』へ行き、パンを買ってひと休み。
結局、仕切り直ししてから全く釣果のないまま昼時を迎えてしまった。
昼食は、富士吉田の『ふもとや』へ行き、名物吉田うどんを食べることにした。
ここのうどんはほぼ一年振りだったが、シコシコした手打ちの麺には何とも言えない甘味があり、相変わらず美味であった。
腹ごしらえも完了し、さてこれからどうしようかと思案する。
実のところ、今日は午前中だけやって帰ろうなどと考えていたのだが、このまま帰れば、胃袋に収まったうどんは消化できても、釣りの方は未消化のままである。
かと言ってこのまま忍野に戻ったところで、良くなる保証は何も無い。
そうこうしているうちに、車は富士吉田市内から国道139号線にさしかかっていた。
つづく
写真上:この日は珍しく空気が澄み切っていて、富士山が良く見えた。
写真下:富士吉田にある吉田うどん専門店『ふもとや』のワカメ入りうどん。これで450円は安い!
今日はピーカンの予報のため、いつもより早く出発する。
道路は全く混雑することなく忍野に到着したが、意外にも先客の姿は見られなかった。
「それにしても今朝は冷え込むな~」と思いながら外へ出てみてびっくり。
何と冬の匂いがするではないか。
そして、臼久保橋へ行ってみると、今度は水面から湯気が立ち上り、辺り一面霜が降りている。
まるで季節が逆戻りしたような感じだった。
早速準備をして、様子を見ながら堰堤へ向かう。
風は無風状態、そして濁りも無し。
それでも、ポツポツとディンプルライズが起きていたので、迷わず7Xのティペットにミッジを結び流心へ投げ込んでみると、すぐに25センチのヤマメがヒットした。
これは幸先が良いと思いながらもう一投。
しかし、二投目以降は反応があってもなかなか乗ってくれず、乗ったと思ってもすぐにバレてしまう。
暫くはそんな状態の繰り返しだった。
そのうちにリバーズエッジのW氏が見回りにやって来たので話をすると、今朝の冷え込みで水道が凍ってしまったのだと言う。
忍野の住人がびっくりするくらいなのだから、やはり異常なことなのだろう。
その後、日が高くなるにつれ気温も上昇、堰堤付近のライズは殆ど見られなくなっていた。
つづく
写真上:臼久保橋から護岸カーブを望む。ゴールデンウィークだというのに、川面に湯気、岸辺には霜が降りていた。
写真下:一投目に釣れた25センチのヤマメ。しかし後が続かなかった。