フライフィッシングの話

川、湖、管理釣場などの国内釣行記、海外釣行記、タックル、フライなど、フライフィッシングにまつわる話と美しい写真。

ポートランドの魅力

2009-04-20 23:03:34 | 海外(アメリカ合衆国)

そう言えば、オレゴンのポートランドは、何かと居心地の良い町だった。
もちろん、買い物に税金が掛からないというのもあるが、とにかく町の雰囲気がことのほか良かったのである。

何が良かったかというと、まず空が広い。
古いレンガ造りの建物が多く、落ち着いた雰囲気。
さらに、人々がのんびりしていて怖くない。
ワインやコーヒーが美味しい・・・等々。
とにかく、住んでみたいと思うくらいの居心地の良さなのだ。

そして、ポートランドと言えば、ご覧のようなビルの壁に描かれたペイントが有名。
ナチュラリストやアーティストが多いのもまたポートランドの特徴である。

とは言え、フライフィッシャーにとっては、近くに奇麗な川や湖があって、そこにサケやマスが居れば他に何も要らないわけで、デシューツを始めコロンビア水系の有名河川がひしめくこの辺りは、我々にとってもやはり魅力のある土地なのである。

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スプリングクリークの黒い影

2007-06-27 09:42:35 | 海外(アメリカ合衆国)

荒涼とした大地の中をゆったりと流れるスプリングクリーク(湧き水の川)。
そして、その透明な流れに潜む大きな黒い影。

それまで、スプリングクリークと言えば、忍野しか知らなかった私は、アメリカという土地を、ずっとそんなイメージで捉えていた。

実際にその場に立ってみると、砂漠地帯特有の異常な暑さを除けば、ほぼイメージ通りと言って良い。
釣りの方でも、忍野で培われた経験や知識を充分に生かせたと思う。
そして、20インチ(50センチ)を超えるネイティブレインボーをキャッチ出来た時は、本当に嬉しかった。

私にとって、アメリカのスプリングクリークで釣りをする事は、フライフィッシングを始めた、あの頃からの長年の夢だったのである。

コロンビア川でダム見学

2007-06-21 12:24:55 | 海外(アメリカ合衆国)

コロンビア川は、カナディアンロッキーに源を有し、カナダのブリティッシュコロンビア州、アメリカのワシントン州、そしてオレゴン州を経て太平洋へと注ぐ、全長1,900kmのアメリカ西部を代表する大河である。

まあ、ひとくちに大河と言っても、日本のいわゆる一級河川とは、あまりにも桁違いな、とても川とは思えないくらいの水をたたえているわけだが、それでも鮭鱒類が遡上するという意味では、日本の河川と何ら変わりはない。

ダムの施設に入り、エレベーターで下に降りると、『フィッシュラダー』と呼ばれる階段状の魚道が、ガラス越しに観察出来るようになっていて、そこを次々と巨大なキングサーモンやスチールヘッドが通過して行く。
それが各階にあって、まるで水族館のようであった。

さらに最上階へ上がると、いよいよ本流から魚道に入って来たばかりの元気な魚たちを直接見れるわけだが、どれも巨大な魚影ばかりで、あまりにも現実離れしていた。

もちろん釣り人がこれだけの魚を見て興奮しない筈が無い。
増して1メートルもあるキングなんて初めて見るのだから、それだけでワクワクする筈だった。

ダム見学を終えると、そのままフッドリバーを経由し、デシューツリバーへと向かった。
デシューツリバーは、レインボートラウトとスチールヘッドの宝庫である。
その言葉通り、いかにもトラウトが居そうな流れであった。

その流れを前にして、私はひどく興奮していた。
もちろんその時は早く釣りをしたいという、はやる気持ちもあっただろうが、やはりFFマンにとっては、遡上するサーモンを眺めるより、トラウトのライズを探す方が何倍もエキサイティングな事なのである。

橋の下でサーモンフィッシング

2007-06-15 09:41:30 | 海外(アメリカ合衆国)

さて、橋の上から濁った水を眺めていた私は、橋の下でルアーを投げている二人の男を見つけると、土手を駆け下り、川岸で彼らの釣りを暫く眺める事にした。

間もなく「フィッシュ!」という声が聞こえ、彼らの方を見ると、すでにロッドがぐいぐいと絞り込まれている。
ところが、タックルがヘビーなせいか、大したファイトもしないまま、銀色の魚体が宙に舞った。
上がって来たのは、20インチ(50センチ)程の雄のサーモンだった。

相棒はすかさずそのサーモンを捕まえると、手際よく生き絞めにして、クーラーボックスに放り込んだ。
それを見て、私は何故か多摩川を遡上する鮭の姿を思い浮かべていた。

シアトルの風景

2007-06-14 12:12:17 | 海外(アメリカ合衆国)

このところ釣りへ行けない日々が続いているので、楽しかった思いで話をアップしてみようと思う。

私がシアトルへ行ったのは、今から約4年前。
まだまだ残暑の厳しい9月中旬頃の事であった。

この辺りでは、夏から秋にかけてサーモンやスチールヘッドが遡上するため、この時も河口に近い市内の河川でウェーディングしているアングラーを多く見掛けた。
ところが、この光景、私にとってはかなり違和感のあるものだった。
というのも、川は茶色で水量が多く、水はどこまでもゆったりと流れていて、そもすると荒川や利根川の下流部か、江戸川に居るのではないかと錯覚してしまう程で、ここでサーモンやスチールヘッドが釣れるなどとは到底思えなかったからだ。

もちろん、水は濁っているので、橋の上から眺めてみたところで、魚影はおろか、川底だって見えない。見れば見る程、鯉かナマズが潜んでいそうな流れであった。

写真は瀬尻のポイントで群がるようにウェーディングするアングラーたち。
後ろに見えるのは、有名なタコマ富士。

アメリカの思い出

2006-03-31 15:40:09 | 海外(アメリカ合衆国)
フリーウェイをひたすら走り、砂漠地帯の小さな街に到着。
どこまでも真っ直ぐに延びた道と、その道沿いに間隔を置いて並ぶ低い建物、その周りは植物の殆ど生えていない荒涼とした大地が果てしなく続いている。

私が不安げにしていると、同行者は「もうすぐポイントだよ。」と言った。
こんな所に川があるとは到底思えないような景色だったが、街のはずれの交差点を曲がり、暫く走っていると、だんだん緑色の帯が見え始め、間もなくポイントに到着した。

そこは完全な湧き水だけを源としたスプリングクリークで、透明で穏やかな流れの中には、20尾程のネイティブレインボーが悠然と群れていた。サイズはどれも16~20インチ(40~50センチ)の良型ばかり、かなりスポーキーな感じだ。
私は、はやる気持ちを押さえながら、注意深く観察を続けた。すると、時々ゆっくりとした動きでディンプルライズを繰り返しては、白い口をパクパクと動かしているのが見えた。私は迷わず6Xのティペットにミッジピューパを結び、デッドドリフトで鼻先へ送り込んでみる。ちょうど魚の目の前をフライが通過しようとした時、その魚は身体をひねり、やはり白い口を開けてパクパクっとフライをくわえた。
最初の獲物は18インチ(45センチ)程の赤い側線が見事な雄のレインボーだった。
その後、20インチ(50センチ)を筆頭に、5尾のレインボーをランディングして、その日の釣りは終了。夜はハンバーガーを頬張りながら、缶ビールで乾杯し、翌日に備え早々にベッドへ潜り込む。

前日の抜けるような青空から一転、今朝はどんよりとした低い雲が上空を覆っている。
ポイントに到着すると、すぐさま昨日と同じ方法を試すが、魚の活性が悪いのか、フライに全く反応が無い。良く見ると、魚達は水面からかなり深い場所に定位しているようだった。

流れのある場所から沼地の止水へとポイントを移動してみる。
ここには車椅子の人でも釣りが出来るようにと、バリアフリーのデッキが設置されていたが、この時期の浅瀬は一面藻に覆われていて、例えここで魚を掛けたとしても、ランディングは不可能に近い。唯一藻が切れているのは、流れ出しのブッシュから10メートルまでの、非常に狭いエリアに限られていた。
デッキから対岸までの距離は25~6ヤード。岸沿いはやはりびっしりと藻が生え、いかにも魚が付いてそうだが、水面は相変わらず静かなままだった。
あれこれ悩んだ末、結局ルースニングを試す事にした。
6Xのティペットはそのままで、インジケーターを付け、ティペットの先にMSCスペシャルを結ぶ。
丁度良い位置でフライが沈むよう、計算しながら流れ出しの奥へ落とし込み、そろそろフライが下に到達した頃かなと思った瞬間、インジケーターがピクピクっと反応した。ロッドを軽くあおるようにして合わせると、グングンとやけに重たい感触が伝わって来る。これはかなり大きいと思った。
すぐに余分なラインを巻き取り、リールファイトに移るが、魚は相変わらず鈍重なローリングを繰り返している。
そうこうしているうちに、黒っぽい大きな魚体が見えた。サイズは25インチ(62センチ)、いやそれ以上かも知れない。私はリールを巻きながら、もしかしたらこのままランディング出来るかも知れないと思ったが、そこは正真正銘のネイティブレインボー、そう簡単に降参する筈が無い。次の瞬間、とてつもない力で走り出したかと思うと、物凄い速さでスプールが回転した。私は必死にロッドのグリップを握りしめ、リムを押さえてスプールの回転を止めようと試みた。間もなく、魚は止まったが、スプールにはあとひと巻き程のラインしか残っていない。しかも、対岸の藻の生えている場所まであと僅かだった。
とりあえずドラグを締め直し、これ以上走らせまいとするが、さすがに相手も必死である。もはや最初のスピードは失っていたが、力強い走りは衰える事無く、少しずつラインが引き出されると、やがて魚は藻の中に到達した。

結局、魚は取れなかったが、何故かその時はさっぱりとした気持ちだった。
「あの状況では、例え4Xのティペットを使っていたとしても、ランディングは難しかったに違いない。いや、それ以前に、6Xだからフライをくわえたのだ。」帰国後、私は何度かそんな事を考えた。そして今では、悔しかった思い出に変わっている。

スプリングクリーク

2005-06-25 15:10:24 | 海外(アメリカ合衆国)

スプリングクリークは湧き水を源とする流れの事。日本のスプリングクリークと言えば、やはり忍野が代表的でしょう。
本場アメリカのスプリングクリークはどんなものかと思っていましたが、回りのロケーションはともかくとして、それは忍野と何ら変わらない流れでした。要するに、流れは緩く、魚も丸見えで、サイトフィッシングによる魚達との知恵比べを強いられるという事です。

初めて訪れる場所では、まず魚達がいつ何を捕食しているのか調べる必要があります。とりあえず最初の1尾が得られれば、胃の内容物を確認する事が出来るので、その後の戦術もたてやすくなり、良い結果に繋がる可能性が高まります。まずはライズフォームをじっくりと観察し、マス達が何を捕食しているのか、これまでの経験に基づき、判断する事からスタートです。
この時のライズは、ゆっくりとした動作で、明らかに水面下の何かを捕食していました。「何か」という表現になるのは、肉眼では確認出来ない程小さなものだからです。私は迷わずミッジピューパを7Xティペットに結びました。やがて、2、3投目もしたところで、足下に居た40センチ程のニジマスがゆっくりとフライに近付き、口をパクつかせるのが見えました。ようやく1尾目の魚がネットに収まり、早速ベストのポケットからポンプを…と思ったら、ストマックポンプがどこにも見当たりません。どうやら出発前にベストの中身を整理していて、そのまま忘れて来てしまったようです。

暫くして、フライに全く反応が無くなったので、半ばヤケクソで、ソフトハックルを引っ張ってみました。すると1投目でバシャっと大きな魚がフライをくわえ、鈍重なファイトで上がって来たのは、20インチを超えるレインボーでした。結果的に納得は行かないものの、これも良い経験と言えるかも知れませんね。

モーテル

2005-06-25 13:00:01 | 海外(アメリカ合衆国)

アメリカの安宿と言えば、やはりモーテルでしょう。特に片田舎の場末モーテルには、旅情を掻き立てる独特の風情があり、私は好きです。

ある日、シアトル在住の友人と、ワシントン州のとあるスプリングクリークでイブニングの釣りを終え、近くの町で宿探しとなりました。幹線道路に出ると、三叉路の向かいに手ごろなモーテルを発見、近くにはスーパーマーケットやバーガーキング、ガソリンスタンド等があり、明るくて便利そうな場所でした。
チェックインを済ませようとオフィスへ行くと、南アジア系の家族がソファーに腰掛け、テレビを見ながらくつろいでいるところでした。主人はどうもパキスタン人のようで、何故かニヤリとしながら部屋の鍵を私に手渡してくれました。
ところが、部屋へ入ってみると、何と巨大なベッドがひとつ、ドッカリと部屋を占領しているではありませんか。私達は一瞬唖然となり、すぐに主人を呼んで、ツインベッドの部屋に替えてもらいました。

暫くして、我々がタックルを片付けていると、例の主人が現れ、「何だ、釣りか?」と話し掛けて来ました。その時の主人の表情は、「やっと謎が解けたぞ」とでも言っているように見えました。やっぱアメリカってその手の人が多いんでしょうかねー?

デシューツリバー

2005-06-24 13:00:51 | 海外(アメリカ合衆国)

昨年の9月にオレゴンへ行きました。
ポートランドからコロンビア川沿いのフリーウェイをひたすら走り、途中フッドリバーという街へ立ち寄りライセンスを購入。目指すはデシューツリバーです。
デシューツリバーは荒涼とした砂漠地帯を流れるオレゴン屈指の川で、ドライで釣るスチールヘッドが特に有名です。生息しているのは通称「レッドサイド」と呼ばれる側線色の強いレインボーですが、1マイル/2,500尾と言われる魚影の濃さは、米国内でもトップクラスと言えるでしょう。

まず、ポイントに到着し、車から外に出てみると、とにかく「暑い!」の一言。ウェーダーは持って来ていなかったので、竿の出せる場所を探しているだけで、熱射病になりそうです。とりあえずライズも無いので、岸際のブッシュの下へウーリーバッガーを流し込むと、何と1発で来ました。30センチ程ですが、立派なレッドサイドです。これに気を良くし、同じ場所で何度も流しますが、後が続きません。そのうちに15センチ程の稚魚が釣れましたが、暑さに耐えきれず木陰で休憩。そうこうしているうちにタイムアウトとなってしまいました。出来ればもう一度挑戦したい川のひとつです。