フライフィッシングの話

川、湖、管理釣場などの国内釣行記、海外釣行記、タックル、フライなど、フライフィッシングにまつわる話と美しい写真。

銘竿アルバム03〜ハーディ Hardy Swift 904

2025-02-25 10:00:10 | タックル
例えあまり知られていないロッドであっても、それを気に入りずっと愛用している人が居るのなら、それがその人にとっての銘竿と言えよう。今回はそんなロッドを紹介したいと思う。

スウィフトと聞いて、スズキのコンパクトカー、あるいは歌手のテイラー・スウィフトをを思い浮かべる人も多いことだろう。英国ハーディ社のロッドとしては、比較的最近のものではあるが、このスウィフトという名の由来はよく知らない。英語辞書で調べたら「迅速な」あるいは「素早い」という意味のようだ。

なるほど、その名の通りシャキッとした芯のあるアクションで、ティップの返りも速く、例えば、忍野のS字などで、対岸に繁る柳下のライズをピンポイントで狙い撃ちするには最適なロッドである。実は、同じシリーズの5番も所有しているのだが、印象はこの4番とほとんど変わらなかった。フレックスはちょうどセージのSLTのティップ部を若干しなやかにしたような感じで、非常に扱いやすく癖のない優れたアクションである。

改めて見てみると、細部までとても丁寧に作られていて、仕上げも美しい。特徴としては、バーガンディ色のブランクに同色のカーボンシートフィラー、ブロンズ色のリールシート金具と同色のワインディングチェックといったところだろうか。継数は伝統の3ピースだ。ちなみにハーディ社のロッドは、この頃から洗練されたモダンデザインとなり、横向きに大きく「HARDY」のロゴがプリントされるようになった。




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今季最強寒波の最中にリトリーブ@加賀フィッシングエリア その2

2025-02-20 09:20:00 | 管理釣場
昼休憩の後はいよいよ1号池へ移動。早速、前回と同じ場所でやってみたところ、いきなり良型がヒットする。魚も前回同様とても元気で良く走り、リールファイトが楽しい。全体がグーンと曲がるスペイロッドも良いが、シングルハンドに近いスイッチロッドはティップ部が柔らかいため、一層やり取りが楽しく感じられた。

それから間も無くして、さらに大きな魚がヒット。この魚もすこぶる元気が良く、キューンキューンと糸鳴りがするほどの強烈な引きで、かなり時間を掛けてランディング。前回よりは小さかったものの、それでも50センチ近い白銀のホウライマスだった。

その後もコンスタントに釣れ続け、2号池同様、魚が回遊してくる度に入れ喰いになった。そして、2時半を過ぎた頃から白っぽいユスリカがまとわりつくようになったため、しばらく水面を観察していると、単発ではあるがライズする魚が出てくるようになる。状況次第ではミッジの釣りに切り替えようとタイミングを見計らっていたのだが、結局それ以上良くなることはなく、このまま最後までリトリーブを続けることにした。

そして4時半を過ぎ、池が日陰に入ると、そこからはアタリもパタリと止まってしまった。仕方ないので2号池へ移動して、終了時間までやってみたが、ここでは3尾を追加しただけで終了。今回は様々なアプローチを試した結果、条件が異なるとはいえ、魚がどのタイミングで喰ってくるのか、何となく解ったような気がする。来月の芦ノ湖解禁が楽しみだ。

アフターフィッシングは、釣場から最も近い佐野ラーメンのおぐら屋へ行き、ラーメンと餃子を注文。餃子がすぐに出てきたのは意外だったが、ニンニク不使用の野菜餃子はなかなか美味しく、ボリュームもあり頼んで良かったと思える逸品であった。一方ラーメンの方はあっさり系で、特にインパクトはないものの、冷えた身体に染み入るようなホッとする味わいで、何より両方で千円ちょっとと今どき嬉しい価格設定に今回も満足して帰路に着いた。

今日の釣果、ニジマス43尾、スレ1尾、バラシ多数。


1号池では良型がよく釣れた。



残念ながらヒレは丸いが、50センチ弱のホウライマスも釣れた。



佐野ラーメンのおぐら屋は昔ながらのさっぱり系。何よりこのご時世に税込660円という価格設定が有り難い。



何故かすぐに出てくるニンニク不使用の野菜餃子はボリュームがあってとても美味しい。




タックルデータ

ロッド Maxcatch Skytouch Switch 11ft. 7wt.
リール Maxcatch Avid Pro 7nine
ライン SA マスタリーアトランティックサーモンショート SWT 6/7 SI、バリバスエアーズ 24lb
リーダー バリバス スタンダード ST 9ft. 3X
ティペット クレハ シーガーグランドマックスFX 1号
フライ BHアイスブルーフリッツマラブー #10 オリーブ

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今季最強寒波の最中にリトリーブ@加賀フィッシングエリア その1

2025-02-19 14:00:00 | 管理釣場
2025.02.18
先週から、今季最強の寒波がやってくるとしきりにニュースでやっていたが、その予報通り今朝の気温はかなり低かった。東京を出発した時の外気温は4度で、一瞬行くのをためらってしまったが、芦ノ湖の解禁まで2週間を切ったこともあり、それまでにリトリーブの感覚を磨いておかねばと思ったのだ。

リトリーブのフライフィッシングは、シンキングラインでマラブーやストリーマーといったフライをただひたすら引っ張るというもので、単調で忍耐が必要な釣りだ。しかし、シンプルであるが故に、独特の難しさ、奥深さ、面白さがあるように思う。使用するラインシステムやリーダー、フライなど、選択肢も多く、想像力を働かせ、最終的にはどこで食わせるか・・・ということになるわけだが、いずれにせよ、それら一連の動作を想定する場合、やはりポンドスタイルの管理釣場しかないだろうということで、前回に引き続き、加賀フィッシングエリアでシミュレーションを行うことにした。

釣場に到着すると、今日はやや減水気味で、時折北西の風が強く吹くという、フライフィッシングにとっては最悪のコンディション。とりあえず、今回はスペイではなく、取り回しの良いスイッチロッドで追い風に乗せ、アンダーハンドで遠投しようという作戦だ。まずは場所を確保しようと池に行ってみると、前回大漁だった場所だけが何故か混雑していて、他の場所はガラ空きだった。仕方なく2号池で始めてみたところ、寒さのせいかなかなかアタリが無く、ようやく5投目にヒットしたものの、ランディング寸前でバレてしまった。周りを見ていると、ルースニングではポツポツ釣れているようだが、今日はリトリーブと決めている。それから20分ほど経過したところで、ようやくレギュラーサイズのニジマスをランディング。今日は渋いのかな〜と思ったが、その後は魚が回遊して来る度に、ワンキャストワンヒットの入れ喰いとなり、あっという間にツ抜けに到達してしまった。

つづく


開始30分後、ようやく手にした1尾目はレギュラーサイズのニジマス。



ファイトが素晴らしかったヒレピンレインボー。



スイッチロッドのリトリーブで釣れた35センチのブルーバックレインボー。




タックルデータ

ロッド Maxcatch Skytouch Switch 11ft. 7wt.
リール Maxcatch Avid Pro 7nine
ライン SA マスタリーアトランティックサーモンショート SWT 6/7 SI、バリバスエアーズ 24lb
リーダー バリバス スタンダード ST 9ft. 3X
ティペット クレハ シーガーグランドマックスFX 1号
フライ BHアイスブルーフリッツマラブー #10 オリーブ

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銘竿アルバム02〜セージ SAGE GFL686

2025-02-10 12:35:00 | タックル
セージ社のロッドで真っ先に思い浮かぶのは、何と言っても1983年に発売されたRP(リザーブパワー)シリーズだろう。何しろ、グラファイトIIテクノロジーという新素材を採用した次世代アクションは、キャスタビリティとディスタンス性能に長け、そればかりか驚異的な軽さをも兼ね備えていた。確か、高番手のマルチピースパックロッド(4ピース)なんかも、RPシリーズが最初だったのではないだろうか?

この革新的なRPシリーズが登場して以来、主要なフライロッドメーカーの多くが、追従するように次々とハイモデュラス化されたファストアクションモデルを発売。ところが、その後もセージ社は快進撃を続けるのだ。他社に先駆け、最新のグラファイトIIIテクノロジーを引っ提げ登場したRPLシリーズは、至近距離から遠投までこなす現代フライロッドのお手本とも言うべきアクションとなった。

そんなセージロッドの原点がこのGFLシリーズだ。飴色のブランクに濃茶色のスレッドと薄茶色の飾り巻きが施された外観は、その後のRPシリーズを経て、RPLシリーズまで受け継がれた。言わばセージロッドのトレードマークである。滑らかなベンディングカーブを描くミディアム〜ミディアムファストアクションのブランクは、バット部がやや細めだが、25ヤードを超える遠投も難なくこなすパワーを秘めていた。



セージのロッドも最初の頃はフェンウィックのようなアメリカらしい無骨なデザインだった。この6番ロッドは、当時千駄ヶ谷にあったウォルトンで購入、今見ると長めのハーフウェルグリップにローズウッドのフィラーとアルミ製ダウンロックスクリューという独特な組み合わせが面白い。




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今日は大漁@加賀フィッシングエリア その2

2025-02-06 11:30:30 | 管理釣場
休憩の後は、ダブルハンドのリトリーブを再開。すると、アタリはあるのだが、またしても魚が乗らなくなってしまった。そこでいま一度フックをチェックしてみるが、特に問題は無さそうだ。しかしながら、見た目は真っ直ぐのようでも、実際には微妙に影響しているのかも知れない。そう思いながらも全くフッキングしないわけではないので、とりあえずそのまま続けてみることにした。

やがて陽が傾き始めると、ユスリカが顔の辺りにまとわりついてきた。今日のユスリカは極小ではなく少し大きめで、黒っぽいグレーとも焦茶色とも取れるような暗色系だ。時計を見ると午後2時半を回っていたため、今のうちに準備をしておこうと思い、シングルハンドロッドのティペットを0.6号に替えておく。ティペットの先にはダークカラーのミッジピューパ#18を結んだ。この時はまだライズを待っているつもりだったが、ちょっと試すつもりで投げてみたところ、意外と反応があり、ここからミッジの釣りへ切り替えることにした。

外からは見えないが、恐らく魚たちは水面下でミッジを捕食していたのだろう。そして、その推測どおり、ここからはほぼ入れ喰いになった。しかし、ここに来て突如トラブル発生。カメラのメモリーカードが容量不足となり、シャッターが切れなくなってしまったのだ。仕方なく、ここからは良いところだけスマートフォンで撮影して、他はすぐにリリースすることにした。

やがて、池のあちこちでディンプルライズが起こるようになり、とりあえずライズの一番遠いところに落としてみる。しばらくしてモコっと出たので合わせると、直後に真っ白な魚体がバシャッとジャンプした。今度の魚はかなり重くて力強い。しかも、初っ端からものすごいファイトで暴れ回り、近くまで寄せても、またすぐに10〜15ヤード走られる。その先でジャンプを何度も繰り返す姿は、まるで湖の魚のようだった。5分ほどのファイトを経て上がって来たのは50センチほどのホウライマスで、小さなフックが大きな口にガッチリ掛かっているのを見るのは本当に久しぶりである。まるで海サクラのような白銀色の魚体は、色が無いぶん鱗のギザギザが強調され、普段見慣れたニジマスよりも鱗が大きく感じられた。早速、大人しくなったところを見計らって、スマートフォンを操作していたら急に暴れ出し、結局、未撮影のまま池の中へと消えてしまった。

久しぶりにミッジで大型魚を釣り上げ満足したため、ここからはまたアンダーハンドキャストの練習を再開。さほど反応は良く無かったものの、それでもポツポツ程度に釣れて、そのまま終了時刻を迎える。今日は前回と条件が異なるものの、得意のミッジフィッシングでリベンジ出来たのは良かったと思う。そして、アフターフィッシングは、前回同様「北むら食堂」で味噌ラーメンをリピート。今回も大満足で店を後にした。

今日の釣果、ニジマス50尾、スレ掛かり3尾、バラシ多数。久しぶりの大漁だった。


午後は北東の空に怪しい雲が現れたが、天候は最後まで良好で、しかも暖かかった。



ミッジに出た40センチのニジマスとマックスキャッチのタックル。5番指定のロッドだが、今回6番ラインで使ってみたところなかなか良い感触だった。



前回に引き続き「北むら食堂」で味噌ラーメンをリピート。ご馳走様でした。





タックルデータ

ロッド Maxcatch Top water 9ft. 5wt.
リール Maxcatch Avid Pro 5seven
ライン SF WF6F
リーダー ティムコ アクロン スタンダード 9ft. 5X
ティペット クレハ シーガーグランドマックスFX 0.6号
フライ オリジナルミッジピューパ #18

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今日は大漁@加賀フィッシングエリア その1

2025-02-05 11:00:00 | 管理釣場
2025.02.04
今回はスペイキャストを練習するため、1ミリの迷いもなく加賀フィッシングエリアへ直行。釣場に到着すると、今日は暖かいうえにガラガラで、しかも1号池より2号池の方が人が多かった。どうやら水温の関係で、1号池に放流したマスが2号池へ移動してしまったらしい。

とりあえず、前回と同じく1号池の南側に入り、昨日巻いたばかりのUVバグヤーンでルースニングを開始。すると、魚がワッと寄ってきてフライをつついてくる。そのうちにフライを咥えたところをすかさず合わせてヒット、いとも簡単に最初の1尾が釣れてしまった。続いて今度は少し遠投してみるが、今日は北西の風が強く、ラインは出せてもせいぜい20ヤードくらいまでで、沖に居る魚の群れには届かない。それでも、すぐにピクピクと小さなアタリがあり、やがてインジケーターがスーッと引き込まれると、あっという間に2尾目を追加。同様に3尾目を追加したところで、何だかマス釣り堀で餌釣りをしているような気分になってきて、ルースニングはここで一旦終了する。

次はいよいよダブルハンドでリトリーブだ。早速投げてみると、練習の成果もあってか、前回よりスムースに投げれるようになった。ここでは魚もポツポツ程度に釣れてはいたが、やはり左から強い風が吹くため、スペイキャストでもなかなか飛距離が出にくい。そこで、西側へ移動してみたところ、今度は追い風で楽に30ヤード以上飛ぶようになった。移動してからはアタリも毎回あって楽しかったが、なかなか魚が乗らず不思議に思っていると、思い出した! 確か前回も同じような状況になり、フライをチェックしたら針先が曲がってたんだっけ。チェックしてみると、やはり僅かに内側に曲がっており、フォーセップで慎重に針先を曲げて、かなり真っ直ぐになったのを確認。再開してみると、今度はグーンとティップが持って行かれ、ようやく魚が乗るようになった。釣れる魚もサイズがあって力強く、湖の釣りをシミュレーションするにはちょうど良い。その後、40センチ近いブルーバックが釣れたところで昼を迎えたため、ここで一旦ランチタイム休憩を取ることにした。

つづく


最初の1尾はUVバグヤーンを使用。



今回は北西風が強かったため西岸に移動した。



リトリーブで釣れた40センチ弱のブルーバックレインボー。




タックルデータ

ロッド Maxcatch V-Spey 13ft. 6/7wt.
リール Maxcatch Avid Pro 9eleven
ライン SA マスタリーアトランティックサーモンショート DH 6/7 SI、バリバスエアーズ 24lb
リーダー ティムコ アクロンフロロカーボンハイエナジー 9ft. 3X
ティペット クレハ シーガーグランドマックスFX 1号
フライ BHアイスブルーフリッツマラブー #10 オリーブ

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銘竿アルバム01〜スコット Scott G904/4

2025-02-02 15:00:00 | タックル
黒鉛色のアンサンドフィニッシュブランクに赤いスレッドという組み合わせは、僕の知る限り、確かスコットGシリーズとオービスのウエスタンシリーズの二つだけだったと思う。どちらもグリップの先端が特徴的で、スコットはコルクフィニッシュ、オービスの方は低番手がスレッドラッピング仕様だった。

スコットGシリーズは、ティップがとてもしなやかで、そのかわりバットはかなり強靭に作られている。素材はローモデュラスのグラファイト製で、素振りしてみるとグラスロッドのようにモッタリしていて、今となってはやや頼り無さを感じるほどだ。この辺は好みの分かれるところであろう。

とりわけこのG904/4は、アメリカのテクニカルな川で神経質なマス達を攻略するために開発されたもので、後にオービスがウェスタンシリーズで同スペックの2ピースロッドを発売しているが、それまではライトラインのロングロッドとして唯一無二の存在だった。僕自身も忍野村のスプリングクリークに何度か持ち出したことがあるが、当時はセージやダイヤモンドバックのようなアクションに慣れていたせいか、ロッドを振り切った際に起こるティップのバイブレーションに難儀して、以来ほとんど使わなくなってしまった。


改めて見てみると、細部までとても丁寧に作られていて、仕上げも美しい。



スコット伝統のコルクフィニッシュも、仕上げの美しさを際立たせている。



日本を代表するテクニカルストリーム忍野にて。




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