フライフィッシングの話

川、湖、管理釣場などの国内釣行記、海外釣行記、タックル、フライなど、フライフィッシングにまつわる話と美しい写真。

湯ノ湖で岸釣りその5

2023-05-24 16:55:55 | 湖(レイク)
朝6時、アラームの音で目を覚ましカーテンを開けると、まだ雨は降っていなかった。辺りは霧のような低い雲に覆われていたが、空が明るいので、しばらくは降らないだろう。とりあえず朝風呂に浸かってから、7時に朝食会場へ。どうせ今日も昼ごはんは食べれないのだから、ここぞとばかりに食べておく。山盛りのサラダに山盛りの白飯、味噌汁と漬物、ソーセージにスクランブルエッグ、海苔と明太子、そして温泉卵と納豆、フルーツにヨーグルト、最後にコーヒーといった具合である。

早々にチェックアウトを済ませて釣り場へ向かうと、ボートを待つ釣り人がレストハウスの前で大勢待機していた。一方、砂浜ポイントには誰も居らず、どこにでも入れる状況だったが、とりあえずは昨日と同じ場所から始めてみることにした。すると開始早々からアタリがあり、30センチ弱の銀毛ニジマスが釣れた。その後も頻繁にアタリがあるのだが、なかなか乗らず、乗ってもすぐにバレてしまうといった具合で、なかなか思うようにいかない。やがて、マーカーがスーッと水の中に吸い込まれたので合わせると、かなりの重い手応え。直後に魚が走り出し、そこからラインは出ていく一方だった。ドラッグを一段締め直し、スプールも押さえてみるが、一向に止まる気配がない。そうこうしているうちに、あっという間にバッキングラインまで到達し、放っておけば100ヤードのバッキングも全部出てしまうのではないかと不安になってくる。もうこうなったら一か八かで、やや強めにスプールをサミングしながら、ロッドを立てて堪えるしかなかった。ようやく止まったときには、すでにラインが見えないところまで行ってしまい、もしかしたらボートで釣っている辺りまで到達しているようにも見えた。恐らくバッキングだけも50ヤード近くは出ていただろう。とりあえず、ここからは慎重にリールを巻き、だんだんと魚が寄ってきたが、10メートルくらいまで来ると、そこからなかなか寄せることが出来なかった。まったく姿が見えないので、「いったい何が掛かったのだろうか?」と想像したら、少し怖くなって、やや強引に寄せると、とうとうオリーブ色に黒斑の魚体が見えるようになる。それは紛れもなく大物レインボーの背中に違いなかった。芦ノ湖のケースもあったので、そこからはやや慎重にやりとりしたつもりだったが、突然ロッドがフッと軽くなり、またしても目前でバラしてしまう。フライをチェックすると、フックは伸ばされていなかったので、もしかしたら掛かりが浅かったのかも知れない。

その後、30センチ程のニジマスを2尾追加、1尾をジャンプでバラシ、さらにもう1尾追加したところで、放流トラックがやって来る。「今日って放流ありましたっけ?」と尋ねると、「ホンマスの稚魚です。稚魚を食べに大物が寄ってくるので、ストリーマーが良いかも知れませんよ。」と教えてくれた。実際、稚魚を放してから、まったくアタリがなくなり、そのうちに浅場で大型マスが稚魚を追い回しているのを目撃。試しに、インターミディエトにマラブー#8をセットして投げてみるが、特に反応はなく、雨が強くなったところで、引き上げることにした。


この日の釣果、ニジマス4尾、バラシ2尾。


この日も釣れたのは銀毛マスばかりだった。




今まで体験したことの無い重さだったが・・・。




ホンマスの稚魚放流。



タックルデータ

ロッド Maxcatch Black Star 9ft. 6wt.
リール Maxcatch AVID PRO 5Seven
ライン SF WF6F
リーダー バリバス ST 9ft. 5X
ティペット バリバス スーパーティペット マスタースペックII フロロカーボン 5X
フライ BHスピードファイバーマラブー#12 ブラック


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湯ノ湖で岸釣りその4

2023-05-23 13:35:35 | 湖(レイク)
イブニングはほぼ無風状態となり、期待が持てそうな雰囲気だった。
湖面を観察すると、ライズは沖の方からだんだん岸よりに近づいてくるものの、なかなか決め手を見出せずにいた。何しろユスリカのハッチ量が少なく、ライズも散発で、ライズフォームにも一貫性がなかったからだ。

とりあえず、ミッジピューパ#18を6Xのティペットに結んで、近場から探ってみるが、これにはまったく反応が無かった。放流量が多いとは言え、やはり自然湖のマスともなると、なかなか一筋縄では行かないらしい。やがて、足元でディンプルライズが散発的に起きたので狙い撃ちしたところ、水面がモコッと盛り上がり、すかさず合わせを入れると、銀色の魚体がバシャバシャっと水面で暴れた。魚は右に左に走り回り、この引きはもしかしてホンマスかな?と思ったが、ランディングしてみたら30センチ弱のニジマスだった。

結局、ユスリカのハッチは期待外れのままイブニングが終了。ホテルに戻ると、私はすぐに夕食会場へ向かった。
そう言えば、今日の食事は、早朝の佐野SAで食べたかき揚げ蕎麦と、昼のあんドーナツのみだった。当然空腹のはずだが、あまりに腹が減りすぎたのか食欲が湧いてこない。とりあえず、好きなものだけ皿に乗せて席につき、そこで飲み物のメニューを見ていたら、「飲み放題1,800円」というのが目にとまって、思わず注文してしまった。結局、食事も大して食べることが出来ず、飲み物も、ビール1杯とワインを赤白1杯ずつ飲んだだけ。ワインがもう少し美味しければ良かったが、値段が安いのだから仕方ない。

食後は少し部屋で休んでから、日光湯元の白濁した温泉に浸かり、布団に入ると、明日の天気のことなどを考えているうちに、吸い込まれるように眠ってしまった。

この日の釣果、ニジマス9尾。

つづく


夕方、静かな湖面にライズの輪が広がる。




ミッジに出たのはホンマスではなく銀毛のホウライマスだった。




夕食のブッフェで食べたのは、山盛りのサラダに、麻婆豆腐、豚の角煮、棒棒鶏、タンドリーチキン。




タックルデータ

ロッド Maxcatch Aspire 9ft. 5wt.
リール Maxcatch AVID PRO 5Seven
ライン Maxcatch Perception WF5F
リーダー バリバス ST 9ft. 5X
ティペット フジノ プロフェショナルフロロカーボン 6X
フライ ミッジピューパ #18


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湯ノ湖で岸釣りその3

2023-05-22 10:57:57 | 湖(レイク)
午後は断続的に風が強く吹くようになり、急に水が濁り始める。湖面は大きく波立ち、底からはドロドロとした茶色の堆積物が浮き上がってきて、それがラインに絡んでくるため、釣りづらいことこの上ない。

そんな中、マーカーがスーッと水中に入っていったので、合わせると今までにない重い手応え。今度こそは良型と確信する。しかし、隅っこの狭小スペースでかけたため、隣のぶっ込み仕掛けに絡まないよう、ロッドを傾けたり、スプールをサミングしたりしながらコントロールを試みたものの、結局、もの凄いスピードで隣側へ走られてしまった。すると、隣の人が良型をかけたことに気付き仕掛けを上げてくれたので、とりあえず充分なスペースを確保出来て、そこから一進一退のやりとりが始まる。

実は、午後の釣りを再開する際、イブニングのミッジを念頭に、5番ロッド+6Xティペットに切り替えようか迷っていたのだが、この時ばかりは交換せずに6番ロッドを使っていて良かったと思った。やはり自然の湖でライトタックルを使うのは、そのぶんリスクも大きくなる。そのことは前回の芦ノ湖で痛感していたのだ。

一方、魚の引きはかなり強く、重さから察するに50センチクラスだろうか。そう思いながらやりとりしていると、徐々に姿が見えてきた。隣の人が「ゴーマルはありそうですね!」と言うので、「たぶん50ないくらいだと思います。」と答える。そして、最後の抵抗をいなしてから、ようやくランディングに成功。メジャーをあてると、思った通りの48センチ、美しい銀毛のヒレピンレインボーだった。

その後は、長いファイトで場荒れしてしまったのか、ピタリとアタリが無くなった。午後3時になったところで宿へ行き、とりあえずチェックインを済ませておく。そして、部屋で少し休んでから釣り場へ戻ると、徐々に餌釣りの人たちも帰り始め、空いたスペースで再開してみたところ、最終的に30センチクラスのニジマスを3尾追加。気が付けば、周りの釣り人はほとんど居なくなり、同時に風も無くなった。私はイブニング用のタックルを準備するため、一旦駐車場へ引き返すことにした。

つづく


10年ぶりの湯ノ湖でこのような魚に出会えたのはとてもラッキーだった。




尾ビレも美しい。




見本のような綺麗なニジマスも釣れた。



タックルデータ

ロッド Maxcatch Black Star 9ft. 6wt.
リール Maxcatch AVID PRO 5Seven
ライン SF WF6F
リーダー バリバス ST 9ft. 5X
ティペット バリバス スーパーティペット マスタースペックII フロロカーボン 5X
フライ BHスピードファイバーマラブー#12 Sオリーブ


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湯ノ湖で岸釣りその2

2023-05-21 10:54:54 | 湖(レイク)
今日の関東は真夏日の予想で、奥日光の湯ノ湖でも風の無い午前中は少し暑いくらいだった。午後になると風が強くなり、そのぶん体感的には涼しくなったが、それでも長袖シャツがちょうど良いくらいの快適な気候である。果たしてこの暑さが釣果にどう影響するのか、それは午後の釣りではっきりすることだろう。

昼休みを終えて砂浜に戻ると、先ほどまでやっていた場所もすでに人が入っていて、本当に端っこの狭小スペースしか残されていなかった。それでも、ルースニングであればまだ充分に釣りは可能と判断、午前中に何となくコツが掴めたので、開始早々からすぐにアタリがあり、オリーブ色のニジマスがヒットした。良く見るとカムループスのように斑点が大きい個体である。続いて今度はスリムで美しい銀色のマスがヒット、黒い頭部と白いヒレを見て、一瞬ホンマスかと思ったが、良く見るとこれもニジマスだ。

この時点で釣れた魚は、30〜35センチ程のニジマスが計4尾。多分、このままルースニングを続けていても、状況はほとんど変わらないだろう。かと言って、シューティングヘッドを投げるスペースもないため、もはや釣法はルースニング一択である。そうなると、後はイブニングに期待する以外なさそうだった。

つづく


雪解け水の白根沢が流れ込む砂浜P。




午後の1尾目は、斑点の繋がった珍しい個体。




午後の2尾目は、ヒレピンの銀毛ニジマス。




タックルデータ

ロッド Maxcatch Black Star 9ft. 6wt.
リール Maxcatch AVID PRO 5Seven
ライン SF WF6F
リーダー バリバス ST 9ft. 5X
ティペット バリバス スーパーティペット マスタースペックII フロロカーボン 5X
フライ BHスピードファイバーマラブー#12 Sオリーブ


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湯ノ湖で岸釣りその1

2023-05-20 15:11:51 | 湖(レイク)
今年は15年ぶりに芦ノ湖へ通ってみて、60オーバーを筆頭に、まずまずの成果が得られたと思っている。やはり自然湖の魅力は、環境の素晴らしさ。雄大な景色の中で、自然のサイクルに順応したマス達を相手にするのは、本当に楽しい。そして、芦ノ湖の余韻が冷めないうちに、私は次の目的地を奥日光、湯ノ湖に定めることにした。

約10年ぶりとなる湯ノ湖だが、実はフルタイムで釣りをしたことがない。以前は湯川と共通の遊漁券だったため、湯川の後にやってみるとか、温泉旅行のついでとか、いつもついでに竿を出す感じで、これまで真剣に釣りをしたことが無かったのだ。

朝7時過ぎ、釣り事務所に到着。状況を聞いたところ、砂浜と兎島で釣れているという。早速、準備をして砂浜へ向かったが、すでにエサ釣りの人たちが陣取っていて、仕方なく空いているスペースに入ってみたものの、まったく反応無し。周りもあまり釣れている様子はなく、一度その場を離れ、事務所前へ移動してみる。しかし、そこでも同様に反応が無く、再び砂浜に戻ってみると、すでにスペースは埋まってしまい、仕方なく端っこで再開。10時頃になると、徐々に風が吹き始め、かなり振りづらくなっていたが、手前のかけあがりをルースニングで狙ってみたところ、ようやくアタリが出始めて、何度かすっぽ抜けた後、立て続けに2尾釣れた。放流マスではあったが、とりあえずキャッチ出来たのでひと安心。修学旅行の小学生が、「さっき釣れたのは何ですか?」と聞くので、「ニジマスだよ。」と教えてあげた。次々と生徒が集まってくるので、ロッドを踏まれないか心配になり、「そこ気をつけて!」と注意した矢先、小太りの眼鏡っ子が足にラインを引っ掛けて、危うくロッドを折られるところだった。

昼のチャイムが鳴ったので、昼食を食べようとレストハウスへ行ってみたところ、今はカフェだけで、食事はやっていないらしい。食べ物もひとつ500円のあんドーナツしかなかったので、近くの「休暇村日光湯元」まで歩いて行くと、ここは宿泊者のみで入れず、最後の望みは「食堂ふく」だったが、何と定休日。結局レストハウスまで戻って500円の高級あんドーナツを買う羽目になってしまった。ついでにレストハウスのマスターと話をしてみると、夕方に風が止まってユスリカのハッチが始まれば、ホンマスやヒメマスのライズに遭遇するかもしれないと言う。思いがけず良い情報を聞き、イブニングに思いを馳せながら、あんドーナツをひとくち頬張ってみたら、小豆の風味が強い熱々の粒あんに、ふわふわのドーナッツ生地がマッチして、なかなかの美味であった。

つづく


残雪がまばらに残る白根山。




1尾目はレッドバンドの35センチオス。




2尾目は銀色の30センチメス。




タックルデータ

ロッド Maxcatch Black Star 9ft. 6wt.
リール Maxcatch AVID PRO 5Seven
ライン SF WF6F
リーダー バリバス ST 9ft. 5X
ティペット バリバス スーパーティペット マスタースペックII フロロカーボン 5X
フライ BHスピードファイバーマラブー#12 Sオリーブ


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