フライフィッシングの話

川、湖、管理釣場などの国内釣行記、海外釣行記、タックル、フライなど、フライフィッシングにまつわる話と美しい写真。

スプリングクリークの黒い影

2007-06-27 09:42:35 | 海外(アメリカ合衆国)

荒涼とした大地の中をゆったりと流れるスプリングクリーク(湧き水の川)。
そして、その透明な流れに潜む大きな黒い影。

それまで、スプリングクリークと言えば、忍野しか知らなかった私は、アメリカという土地を、ずっとそんなイメージで捉えていた。

実際にその場に立ってみると、砂漠地帯特有の異常な暑さを除けば、ほぼイメージ通りと言って良い。
釣りの方でも、忍野で培われた経験や知識を充分に生かせたと思う。
そして、20インチ(50センチ)を超えるネイティブレインボーをキャッチ出来た時は、本当に嬉しかった。

私にとって、アメリカのスプリングクリークで釣りをする事は、フライフィッシングを始めた、あの頃からの長年の夢だったのである。

コロンビア川でダム見学

2007-06-21 12:24:55 | 海外(アメリカ合衆国)

コロンビア川は、カナディアンロッキーに源を有し、カナダのブリティッシュコロンビア州、アメリカのワシントン州、そしてオレゴン州を経て太平洋へと注ぐ、全長1,900kmのアメリカ西部を代表する大河である。

まあ、ひとくちに大河と言っても、日本のいわゆる一級河川とは、あまりにも桁違いな、とても川とは思えないくらいの水をたたえているわけだが、それでも鮭鱒類が遡上するという意味では、日本の河川と何ら変わりはない。

ダムの施設に入り、エレベーターで下に降りると、『フィッシュラダー』と呼ばれる階段状の魚道が、ガラス越しに観察出来るようになっていて、そこを次々と巨大なキングサーモンやスチールヘッドが通過して行く。
それが各階にあって、まるで水族館のようであった。

さらに最上階へ上がると、いよいよ本流から魚道に入って来たばかりの元気な魚たちを直接見れるわけだが、どれも巨大な魚影ばかりで、あまりにも現実離れしていた。

もちろん釣り人がこれだけの魚を見て興奮しない筈が無い。
増して1メートルもあるキングなんて初めて見るのだから、それだけでワクワクする筈だった。

ダム見学を終えると、そのままフッドリバーを経由し、デシューツリバーへと向かった。
デシューツリバーは、レインボートラウトとスチールヘッドの宝庫である。
その言葉通り、いかにもトラウトが居そうな流れであった。

その流れを前にして、私はひどく興奮していた。
もちろんその時は早く釣りをしたいという、はやる気持ちもあっただろうが、やはりFFマンにとっては、遡上するサーモンを眺めるより、トラウトのライズを探す方が何倍もエキサイティングな事なのである。

橋の下でサーモンフィッシング

2007-06-15 09:41:30 | 海外(アメリカ合衆国)

さて、橋の上から濁った水を眺めていた私は、橋の下でルアーを投げている二人の男を見つけると、土手を駆け下り、川岸で彼らの釣りを暫く眺める事にした。

間もなく「フィッシュ!」という声が聞こえ、彼らの方を見ると、すでにロッドがぐいぐいと絞り込まれている。
ところが、タックルがヘビーなせいか、大したファイトもしないまま、銀色の魚体が宙に舞った。
上がって来たのは、20インチ(50センチ)程の雄のサーモンだった。

相棒はすかさずそのサーモンを捕まえると、手際よく生き絞めにして、クーラーボックスに放り込んだ。
それを見て、私は何故か多摩川を遡上する鮭の姿を思い浮かべていた。

シアトルの風景

2007-06-14 12:12:17 | 海外(アメリカ合衆国)

このところ釣りへ行けない日々が続いているので、楽しかった思いで話をアップしてみようと思う。

私がシアトルへ行ったのは、今から約4年前。
まだまだ残暑の厳しい9月中旬頃の事であった。

この辺りでは、夏から秋にかけてサーモンやスチールヘッドが遡上するため、この時も河口に近い市内の河川でウェーディングしているアングラーを多く見掛けた。
ところが、この光景、私にとってはかなり違和感のあるものだった。
というのも、川は茶色で水量が多く、水はどこまでもゆったりと流れていて、そもすると荒川や利根川の下流部か、江戸川に居るのではないかと錯覚してしまう程で、ここでサーモンやスチールヘッドが釣れるなどとは到底思えなかったからだ。

もちろん、水は濁っているので、橋の上から眺めてみたところで、魚影はおろか、川底だって見えない。見れば見る程、鯉かナマズが潜んでいそうな流れであった。

写真は瀬尻のポイントで群がるようにウェーディングするアングラーたち。
後ろに見えるのは、有名なタコマ富士。

宇治川にて

2007-06-04 12:45:09 | その他

先週、出張で京都に行って来た。

京都は高校の修学旅行以来だったが、それよりも、到着した時はとにかく美味しいものを食べるのが先決とばかりに、通りがかったそば屋に飛び込むと、天ぷら、ご飯、うどんがセットになった昼定食を注文した。

暫くして、料理がテーブルに運ばれて来る。

「天ぷらはソースか醤油どっちや?」
「はあ?」
「両方置いてくよって、好きなほうつこうてな」
「は、はい・・・」

店主の言葉に、とりあえず頷いてはみたものの、あまりにも予想外だったので、一瞬何が何だか解らなかった。
少し冷静になったところで考えてみたが、薄口のうどんつゆでご飯は食べられないし、かと言ってソースというのも未体験ゾーンで想像がつかなかった。結局醤油で食べたのだが、後で皆にその話をしたところ、家ならまだしも、そんな店は京都でもあり得ないと言われた。(汗)

翌日、時間が出来たので、宇治の平等院へ出掛けた。
そして、ひと通り見学した後、宇治川沿いを散歩してみる事にした。
中州にルアーの人が居たので、近くまで行くと、小鮎のミノーを投げている。

「バスですか?」
「ええ」

すぐ傍の浅瀬で、数尾のマルタウグイが大きな鰭を出しているのが見えた。

そのまま宇治橋まで歩いて行くと、今度は橋の下の瀬尻でオオシマトビゲラがハッチしていた。
その様子を眺めていたら、突然大きな魚影が勢い良く川底から現れ、水面ぎりぎりのところでピューパを捕らえ反転した。50センチクラスのマルタウグイだった。その状況は暫く続き、見ているだけで楽しかった。

もちろん世界遺産の平等院も素晴らしいのだが、今の私にとってはマルタウグイのライズの方が、遥かにエキサイティングで、癒される光景だったのである。