再読のための覚え書き
黴
徳田秋声(1872-1943)
美化せずに現実をありのままを書くという自然主義文学。
作者の分身である笹村は、不遇の作家。同居する家事手伝いのお銀と関係を持ち、子どもが生まれて結婚するものの、互いに愛情のないまま世帯を持った二人は、愛情を育てる術もなく、不満を抱えながら無気力な日々を暮らしてゆく。
湿気を含んで澱んだ雰囲気と、妻に対する笹村の冷たい視線に辟易するが、結局、そこが味わいどころなのだろうなぁ。どうも私小説系は苦手だ。
2021.11.16読了
黴
岩波文庫
昭和24年11月10日初版発行
昭和31年9月30日8刷
旧仮名遣い
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