再読のための覚え書き
くれなゐ
佐多稲子(1904-1998)
夫婦の危機を描いた私小説。
明子と廣介の夫婦は、ともに作家である。明子の方が廣介よりも先に作家として認められたという事実が、夫婦の間に亀裂と隔たりを生んだ。
焦燥ゆえに外での恋愛に走る廣介。作家であると同時にひとりの女であることを悲嘆に思う明子。夫婦間の愛情のあり方が問われ続ける。
「いつでも家庭的な些事から廣介を守ろうとし、彼の俗世間には当てはまらぬような性質も、彼の詩なのだとおもい、純粋に保とうとして努力した。今になって見れば、彼は明子のこの心づかいにさえ反抗しているようなものだ。」
2021.11.26読了
くれなゐ
新潮文庫
昭和27年5月28日初版発行
昭和31年7月5日9刷
旧仮名遣い
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