再読のための覚え書き
山椒魚・遥拝隊長
井伏鱒二(1898-1993)
《遥拝隊長》
元陸軍中尉の岡崎悠一は、マレーシアで従軍中に足を負傷、精神にも異常をきたした。
終戦後、日本に戻った岡崎には、戦争が終わったことがわからない。郷里の村人たちを自分の部下と思い込み、東に向かって遥拝することを強いては、訓辞を述べる。
やがて、ある偶然から、戦地で岡崎が負傷した理由を、村人たちは知ることになる。
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わずか35ページの短編ながら、登場人物の何気ない会話や、あるいはその会話の齟齬の中に、まるで暗号のようにして、軍国主義や村社会の歪さに対する風刺と批判が織り込まれている。凄い作品。
他7編
2022.9.2読了
山椒魚・遥拝隊長
岩波文庫
1956年1月9日初版発行
1978年5月20日22刷
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