再読のための覚え書き
哭壁
丹羽文雄(1904-2005)
特攻隊員だった南条良平と菅達治は、復員して九州で療養した後、それぞれ元の生活の場に帰っていった。
東京で屈指の南条旅館を商う母の元に帰った良平。妻に逃げられ、郷里の栃木で息子と娘を育てる達治。その二人の思いも寄らぬ戦後の生き様。
「死に伴う自尊心を、彼はほんとうの自尊心だと考えたかった。以前の自尊心はあまりに死とかけ離れていて、それは自尊心といわれなくともよいものであったような気がした。」
2022.9.20読了
哭壁
新潮文庫
昭和26年4月5日初版発行
昭和45年2月5日27刷
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