再読のための覚え書き
女生徒
太宰治(1909-1948)
女性の一人称による短編集。
表題作の《女生徒》は、レオン・フラピエの《女生徒》に触発されて書いたようだ。
昨年読んだそのフラピエの短編集《女生徒》の中では表題作よりも他の小品に感銘を受けたように、太宰の短編集《女生徒》の中でも強く印象に残ったのは小品《葉櫻と魔笛》と《きりぎりす》だった。
《葉櫻と魔笛》
18歳の妹は腎臓結核を患い、痩せ衰えて死を待つばかりという有り様だった。
姉の私は、妹の箪笥の奥底に、三十通ほどの男性からの手紙が隠されていることを知り、いけないと思いつつ読んでしまう……。
《きりぎりす》
私は、売れない画家だった夫がいつしか有名になり、夫の思いとは逆に、夫の成功を不安に感じていた……。
2022.9.29読了
女生徒
角川文庫
昭和29年10月20日初版発行
昭和42年8月30日43刷
旧仮名遣い
#本 #読書 #文学 #文庫 #太宰治 #女生徒
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/69/ae3f09103edbc035c4792b017c791e0d.jpg?1664457018)