再読のための覚え書き
カインの末裔
有島武郎(1878-1923)
《カインの末裔》
広岡仁右衛門は妻と赤ん坊を連れ、働き場を求めて、北海道マッカリヌプリの麓の村の松川農場にたどり着く。
野生児のままに横柄な態度を取って村人たちに愛想を尽かされる仁右衛門だったが、村人たちの仕打ちもまた、仁右衛門にとっては理不尽なものだった。
《実験室》
三谷医師の若い妻Y子が、肺を患わせて死んだ。
病院長や他の医師たちは乾酪性肺炎を死因とするが、三谷は粟粒結核と診断。それを証明するために、自ら妻Y子の遺体の解剖を執刀する。
「生活と学術のどちらが尊いのか」と非難する三谷の兄に対し、三谷は「自分の生活は学術の尊さだけ尊い」と反論する。
兄が立ち会う中で、三谷は妻の解剖を始める。
2022.9.9読了
カインの末裔
角川文庫
昭和29年1月10日初版発行
昭和41年3月30日18刷
旧仮名遣い
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