再読のための覚え書き
妻の座・暦
壺井栄(1899-1967)
作家のミネ(壺井栄自身)は、同じく作家で妻を亡くした野村(徳永直)から、「後妻に来てくれる人を紹介してほしい」との手紙を受け取った。
ミネは、中年になるまでずっと独身のままでいた妹の閑子を野村に紹介した。野村には、前妻との子どもが四人いた。
紆余曲折あったものの結婚にたどり着いた二人だが、結婚後まもなく、ミネは離縁されてしまう。ミネにとって、妻の座とは何だったのか……。
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「岸うつ波」と同様に、壺井栄の妹がプロレタリア作家の徳永直のもとに嫁ぎ、2ヶ月で離縁されたことへの憤りを持って書かれた小説。
徳永直はこの「妻の座」に憤り、「妻の座」の登場人物と全く同じ変名の人物たちを登場させて「草いきれ」という小説を書き、壺井栄に反論した。
2022.10.26読了
妻の座・暦
角川文庫
昭和28年9月30日初版発行
昭和33年1月20日14刷
旧仮名遣い
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