再読のための覚え書き
オリンポスの果実
田中英光（1913-1949）
「ぼく」は、ロサンゼルス・オリンピックのボート競技の日本代表選手として、他の選手たちとともにアメリカ行きの船に乗り込んだ。
「ぼく」はその船内で、走り高跳びの選手の秋子に出会い、心を奪われてゆく……。
作者自身のオリンピック出場の経験を元にして書いた作品は、長い恋文のようにして秋子に対する想いを綴ってゆく。
2022.9.16読了
オリンポスの果実
新潮文庫
昭和26年9月30日初版発行
昭和42年11月10日22刷
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再読のための覚え書き
海と毒薬
遠藤周作（1923-1996）
戦争末期。
F大医学部では、欠員となった医学部長のポストを巡り、教授たちの争いがあった。
第一外科の橋本教授は、手術に失敗し、このままでは医学部長選から脱落してしまう。
ある日、第一外科医局員の勝呂二郎が命じられたのは、アメリカの捕虜を生体解剖することだった。
2022.9.15読了
海と毒薬
新潮文庫
昭和35年7月15日初版発行
昭和42年8月30日11刷
#本 #読書 #文学 #文庫 #遠藤周作 #海と毒薬
再読のための覚え書き
青春前期
若杉慧（1903-1987）
東京の明道高校3年生の河合奈津子は、通りすがりの不良から暴行を受けたことが原因で、信州の叔父の元に預けられ、転校させられることになった。
奈津子から窮状を伝えられた教師の青戸閏子は、奈津子のボーイフレンドの椎ノ木武志を、自分の代わりに信州に向かわせた。
数日後、武志は東京に戻るものの、教師たちは武志と奈津子の行動に不信感を募らせていた……。
2022.9.14読了
青春前期
角川文庫
昭和34年7月10日初版発行
昭和43年6月30日11刷
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再読のための覚え書き
禁断
若杉慧（1903-1987）
瀬戸内海の島。
国民学校の女学生の内藤みふねは、受け持ちの教師花巻貞雄の個人教授を受ける。夜の宿直室に通ううちに、いつしか二人は教師と生徒以上の関係になってしまった。
みふねの妊娠を知った花巻は、船で尾道に渡り、処置を求めてみふねとともに産婦人科を探すのだが……。
「わたしが子供であることを知りながらどうしてみんな意地悪く大人扱いするのだろう。私を救ってくれる人はいないのだろうか？わたしがわたしを救うほかには？そしてその方法は？……」
若杉慧の「エデンの海」が生を求める話ならば、この「禁断」は生を拒む話。乾いた文体は、二人の焦燥と苦悩が描き、やがてサスペンスのような緊張感を高めてゆく。
2022.9.12読了
禁断
角川文庫
昭和32年9月30日初版発行
昭和33年7月20日再版
旧仮名遣い
#本 #読書 #文学 #文庫 #若杉慧 #禁断
再読のための覚え書き
エデンの海
若杉慧（1903-1987）
瀬戸内海に臨む女学校。
信任教師として赴任した南条のクラスには、帰国子女の清水巴がいた。
物事に拘らず明るく天真爛漫な巴は、教師たちの間では「問題児」扱いだった。
そんな巴の眩しい姿に南条は惹きつけられ、二人の距離は近くなってゆくが、それゆえに巴は退学の危機を迎えることになる。
2022.9.11読了
エデンの海
角川文庫
昭和26年12月15日初版発行
昭和29年4月15日7刷
旧仮名遣い
#本 #読書 #文学 #文庫 #若杉慧 #エデンの海
