勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

戦う男たち

2006-10-06 | TVや舞台やスポーツのお喋り
―スポーツマンNo.1決定戦―

ずっと以前ラジオの番組で、品川さんは庄司さんに何度もこの番組に出るよう勧めていた。
そのたび庄司さんの答えは同じだった。
『体を一から作らなきゃならないから、面倒くさい』

それから2年以上の日々が経ち、品川さんはこう考えたに違いない。
『俺がやれば、庄司もついてくる』

品川さんは自ら肉体改造に着手し、筋トレや格闘技で体を苛め抜いた。
その姿を見て何かを感じたのか、ついに庄司さんも動いた。
16キロの減量で体脂肪率9%の肉体を作り上げたのだ。

満を持して、品川庄司は戦いに挑んだ。

品川さんの成績を責めてはいけない。
すべてのチャレンジャーの中で、学生時代にスポーツを経験していないのは多分彼だけだと思う。
スポーツ自慢の猛者が集まる不利な勝負に、彼は敢えて挑戦したのだ。

元々の意義は、相方を闘いの場に送る込むことだったに違いない。
負けず嫌いの彼が、自ら恥をかくことになっても成し遂げたかった使命。
そのことを考えると、私の胸は熱くなるのだ。
さらにトレーニングを積んで、雪辱してほしいと心から願う。

それからワッキーの涙。
もらい泣きした。
あの悔しさは本当に心から理解出来た。
戦わずして負けるということが、もう二度とないよう祈りたい。

さて。
番組が始まる前、私は庄司さんのボーダーラインを勝手に想定した。
どんな競技があるか詳しく知らなかったので、とにかく3つ。

・モンスターボックス―15段
・腕立て―170回
・ランニング―3回戦突破
・最終順位―6位以内

これは最高値だ。
初出場で30歳の庄司さんが、もしこれだけの成績を残せたらすごい。
そして実際の合格ラインがこちら。

・モンスターボックス―13段
・腕立て―150回
・ランニング―3回戦まで残る

現実は実に微妙な結果に終わった。
合格ライン以上だが、期待最高値を僅かに下回った。

それでも私は満足だった。
モンスターボックスに挑戦する時の、戦う男の顔がいい。
こういう顔が見たかったのだ。
笑いを求められない場に立った時、彼はどんな時も忘れなかった「芸人の顔」を捨てた。
だが番組とプロデューサーが求めるものを提供するのなら、「芸人の心」は忘れてないのだからそれでいい。

そして何より、中距離の持久走(競技名は忘れたが)の3回戦、本当に疲れてしまって彼は遅れていた。
前を行く3人は快調に飛ばす。
勝てないことは誰の目にも明らかだった。

だがここから彼は死力を振り絞るのだ。
無駄だとわかっている戦いに挑み、スピードを上げ、4位でゴールインした。
4位なら6位でも同じだ。
決勝レースには残れないのだから。
何も辛い思いをして、スピードを上げなくてもよかったのだ。

それでも彼は走った。
最後までレースを捨てなかった。
この瞬間の彼が、私には誰よりも輝いて見えた。

正直スポーツから長いこと離れていた庄司さんが、この番組で活躍できるとは思ってなかった。
元野球部と言っても補欠の3塁コーチャーだし。
だけど品川さんに引きずられたとしても、嫌々だったとしても、体を作り始めた時の彼の決意を、私は甘く見ていたのかもしれない。

今はこう言いたい。
もう一度挑戦してくれ。
そしてもう一度自分を越えてくれ・・・と。
Comments (4)
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