又吉直樹の小説。
「火花」に続いて読むのは2冊目。
売れない劇団の脚本家と女子大生沙希の物語。
「火花」でも思ったけれど、とにかく文章がほんとうに巧み。
瀬戸内寂聴に上手いと言わせただけある。
心理状態をよくここまで書くかという表現力にただただ感心する。
出会いから物語の終わりまでの、二人の変化が切ないね。
屈折した心、プライド、劣等感、優越感。
紗希への思いを素直に伝えられない…僕。
辞めていった劇団員青山と僕との、長文の激しいメールのやり取り。
本音のぶつけ合いはすさまじかった。
「劇場」の脚本家、「火花」のお笑い芸人は又吉氏をほうふつさせる。