詩篇第八十七篇
賛歌。コラの子供たちの歌。
主の礎は聖なる山々の中にある。
主はシオンの城門を、ヤコブのどんな住まいにも優って愛される。
あなたの、神の都の栄光は語られる。セラ。
エジプトもバビロニアも私を知る者として思い起こす。
エチオピアと共にパレスチナとティラを見よ。
彼らもこの都で生まれた。
シオンについては言われている。
この人もあの人も主の都で生まれたと。
いと高き方ご自身がこの都を堅く定められた。
諸国の人々を記録するとき、主はその者たちをここで生まれたものとして
数えられるだろう。セラ。
歌う者も、奏する者もすべて言う。
シオンこそ私の泉であると。
詩篇第八十七篇注解 神の都に生まれて――命の源である 全人類の神
ここでは、イスラエルの神の特殊性と普遍性が告げられている。イスラエルの神、モーゼの神は、シオンの山々をユダヤの民の幕屋に優って愛され、この山に礎を置かれている。そして、その栄光はあらゆる人々に語られる。
このシオンの山々は、ただにユダヤ人のみならず、エジプト人もバビロニア人もすべて、主を知る人々として、そして、この都に生まれた者として主に記憶されている。
パレスチナ人もフェニキア人もエチオピア人もすべての国民が、このシオンの都で生まれた者として、主に記録され数えられている。こうして主は単にユダヤ人の神であるばかりではなく、全人類の神であることを示される。
このシオンの都から、命と恵みのすべてが湧き出てくる。
文中の「セラ」 (CELAH)の意味はよく分からないらしい。強調の音符とも言われている。