私の寝起きの顔は我ながら素晴らしいのですが、ちょうど、ハッとする程いいものを見つけました。そうそう、まさにこんな↑感じ。
昔、友人に「なまはげ」と称されたくらいですから、実際にはもっと凄いのかもしれませんが…。
これをどこで見つけたかというと、福井県若狭町にある「若狭三方縄文博物館」。
別称「Doki Doki館」といいます。
ここ、中途半端な丘の上に煙突が何本も突き出ているような、よく分からない建物なんです。
何度かその前を通ったことはあるものの、いつも人影がないので大したことないだろう…と思っていた私が浅はかだった!と今回痛烈に思い知りました。
まず何より、ここの館長さん、なんと「日本仏教」や「日本古代史」や「スーパー歌舞伎」で有名な哲学者の梅原猛さんなのです!
それで、煙突だと思っていた奇妙な柱は、縄文時代にこの辺りに自生していたと思われるスギ林をイメージしたものだと分かりました。
で、入館一番にお目見えするのは、木肌の見えるコンクリートに囲まれて佇む、5700~3200年前の杉株。
何らかの原因で湿地に埋まったため、それほど永い期間、腐らずに残されたのだとか。
しかし驚くのは、立ち入り禁止の縄が張られているにも関わらず、その杉株に自由に触れてしまうということです。
まさに、パワースポット。
ちなみに館内の写真は許可を得て撮らせていただきました。
私としては、県民でありながら詳しく知らなかったことが非常に恥ずかしいのですが、この近くにある「鳥浜貝塚」は世界的に(少なくとも日本の歴史上)とてつもなく重要な遺跡だそうです。
それは「縄文時代はこうだっただろう」と考えられていた数々の常識を覆すほどのもので、青森県にある三内丸山遺跡の発掘調査にも大きな影響を与えたんだとか。
ちなみに、なぜ一般的な福井県民がそのことにあまりピンときてないかというと、鳥浜貝塚の発掘調査は50年前から30年間続いて、その後は再び川底に沈んでいるんですって。
今、川底にあるの。
当時の技術で掘れるもんだけ掘って、とりあえず博物館を造って、あとは将来またやれるときにやりましょう、ということなんですかね。
だから三内丸山遺跡みたいに派手じゃない。
・・・いかにも福井県民らしいというか、慎ましやかを通り越してPR下手すぎるだろう!と思わなくもないです(苦笑)
しかしとにかく中身は本物なの。
色んな発見がありました。
たとえばコレ↑。
土器の底に穴が開いてるんですが、これは死んだ赤子の骨を入れて埋めるためのものだったんですって。
それで、骨を入れた後にどこに置いたかというと、家の玄関に埋めるように置いてその上を母親がまたいで通ったんだとか。
そうすることで生命が再び母親の腹に宿ると信じられていたそうです、とスタッフの方が説明してくれました。
その場に一緒にいた知人は「つまりこの土器は子宮を表してるんですね!」と大興奮。
「そんな風にも想像できますね」とスタッフの人。
私はNHKで見たアマゾンのヤノマミ族を思い出していました。
これはウンチの化石。
説明文には、
『糞石の出土状況: 何千年も人が暮らした鳥浜ムラ。何千万個ものウンチがおとされたはずなのに、化石になったウンチはわずか。とてもラッキーなウンチたち。魚や貝に食べられもせずに埋もれたということは、彼らも動かない冷たい冬のウンチかな?そうだとすると、おー寒ぶ!』
…なんだかよく分かりませんが、ウンチが化石になるというのは考えただけでも凄いと思います。
しかも縄文人のものだし!
だけどやっぱり近寄ると臭いそうな気がして、及び腰で見入っていました(苦笑)
そこでまた、一緒にいた別の知人、というか先生である森環境教育事務所の森さんが一言。
「ウンチとウンコの違い、分かる?」
簡単にいえば、ウンチは柔らかくてウンコは硬いんだそうですが、これに関しては奥が深そうなのでまたの機会に講義してもらうことにしました。
シモの話ついでに、これは石棒ね。
男根が神聖なモノとして崇められたというのはよくある話ですが、そこで私はふと思いました。
…これって今でいう、バイブ?
まさか、高さ50センチ以上もある巨根を“使用”していたとは思いませんが、もしかしたら縄文の女たちは恐ろしく盛んだったかもしれません。(男衆も盛んだったでしょうから道具は必要ない可能性の方が高いと思いますけど。)
その女たちが、これは本当に使用していたモノとして「クシ」がありました。
なんと、漆塗りの技術が既にあったというのです!
これは凄い。
そして今流行りのファー付きブーツも発見!
これって、最近の若い女の子が履いてるやつでしょ。何て呼ばれてるのか知りませんけど。
ということで、「Doki Doki館」おススメです。
外には竪穴式住居もあって、申請すれば宿泊可能とのこと。
客が少ないのでデートにも最適そう・・・ということは、カップルで竪穴式住居に泊まって縄文の心に戻って野生的にア~レ~~~~(恥!)
ってのもアリですかね。ハハハ
それにしても、縄文時代の暮らしと風景を再現した模型を見ていて、無性に羨ましくなった次第。
自然を神と崇め、自分たちで必要な道具を作り、必要なときに必要なだけの食べ物を獲ってのんびり生きる暮らし…。
冬は寒かったでしょうけどね…。
少なくとも子どもが育つには最適な環境だろうなと思いました。はい。