アジアはでっかい子宮だと思う。

~牧野佳奈子の人生日記~

ツアコンデビューの2歩手前

2014-12-20 | 2014年たわごと

添乗員の資格取得研修が、やっと終わった。

今日、4教科の試験を受験。

旅行業約款、国内旅行業務、海外旅行業務、英語。

 

あとは1年以内に1回以上、または、3年以内に2回以上添乗業務を行えば「主任添乗員」になることができる。

添乗付きツアーにはこの「主任添乗員」が必要、ということなので、これが取れれば1人でツアーを任されることになるらしい。

 

それにしてもまぁ、添乗員という仕事は大変だ。

 

今まで沖縄やフィリピンや台湾に学生を連れていき薄々感じていた“大変さ”を、教科書にきちんとまとめて突きつけられた感じ。整理整頓できたのは有難いけれど、「本業にしたらこうなる」ってことがリアルに想像できてしまって、ちょっぴりつまんない気がしている。

 

研修後半の講師は現役ベテラン添乗員さんだったので、こっそり報酬なんかも聞いてみた。

 

まず添乗員には2種類あるらしい。

添乗業務だけで食べてる人は「プロテン」と呼ばれ、大手旅行会社や添乗員専門の派遣業者に所属して、いわゆるフリーランスとして仕事を依頼されるらしい。

もうひとつは旅行会社の社員が添乗員として同行する場合で、この人たちは普段は会社の雑多な仕事に追われている。国内の場合だとバス会社の運転手やバスガイド、通訳の人たちが添乗員資格をとって、兼務するケースも増えているらしい。

 

…だったらプロテンの仕事は減っているのでは?と思ったら、「そんなことはないわよー!先月とか、私むっちゃ忙しかったもん!」とのこと。

景気に左右はされるものの、それでもヨーロッパ旅行は添乗員同行が多いという。

「だってフランクフルト行ってパリ行ってジュネーブ行ってロンドン、とかだから、誰かいないとお客さんが不安なのよね」

 

なるほど。

 

それで添乗員の報酬はいくらくらいなのかというと、1日当たり8000円~25000円、ということでかなりランク付けがあるらしい。

講師の先生いわく、ベテランになってしまえば一般サラリーマンの給料くらいは優に稼げる、と。

 

しかしですね。

講義の中でヒシヒシと感じた“添乗員の大変さ”は、

①にお客さんアンケート
②にトラブル対応

で、この2つがもんんんんんんのっすごくストレスになることは「火を見るより明らか」なんですよ。

 

そもそも団体ツアーに参加しようという人の習性として、依存態勢が強いことは容易に想像できる。
しかも最近は年配者ばかりで、かつ、「どこでもいいから旅行したい」人が手頃な値段のツアーを見つけて年に何度も参加してくるのだという。

しーかーも、旅行が身近になった近年は、「全て順調にいって、安全に帰って来れた」だけではダメなんですと。

「お客さんは、チラシに書いてあること+アルファの何かがないと満足してくれません」。

その+アルファをいかに提供するかが添乗員の腕の見せ所で、お客さんのニーズをさりげなく探り、ベストなタイミングでさりげない情報提供やアシストを行い、常にさりげなく気遣うことができれば「満足」という評価がいただけるというわけだ。

 

いやぁぁぁぁぁぁ………… 私にはむりかも。

 

②のトラブル対処も半端な仕事ではない。

特に海外の場合は「飛行機が飛ばない」「ガイドが来ない」「スリに遭った」「腹を壊した」「迷子になった」等々、ひやりとする事態がいくらでも発生する。時には日本の会社に助けを求める暇もないくらい緊急な時もあるそうで、そうなるともう自分の勘と経験と度胸だけが頼り、ということになる。

何人も(もしくは何十人も)の命を預かっている立場で。

 

いやいやいやいやいや…………… 大変っすよ、それほんとに。

 

講師の先生がいろいろと経験談を教えてくれたのだけれど、どれも「うわぁ…」というものばかりだった。

それでいてお客様アンケートで酷評されるんだから、たまんないっすよねぇ…。

 

だけど。

4日間みっちり「ツアー」について学び、それを率いる自分を想像してみて、まぁ、慣れてしまえばできないことはないのかも、という気になってきた。大変は大変だけど、皆さんそうやって奮闘されてるわけだし。

あとは自分が「ツアー」というものを「ツアー」というものとして割り切れるかどうか。

1人1人の参加者を、「お客さん」というまとまりとして扱えるかどうか。

 

…うーん。なんと表現したらいいか分からないのだけど、とにかく添乗業務をこなすためには、参加してくれた1人1人に向き合ってなどいられないんだろうなぁと想像する。

そもそも団体嫌いの私にそれが可能なのか?というのも疑問だし、そうなりたいか?というのも微妙。

 

うーん…。情けなくも言葉足らずでスミマセン。

 

しかし何はともあれ、旅してないと死んでしまう私にとって、添乗員というフリーランスの道は、有力な候補には違いありません。
その資格があとちょっとでとれる(かもしれない)というのは、まぁ、将来的には安心だわね。

 

未だぐにゃぐにゃの人生が、一層やわらかくなった感覚です。

 


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