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DAZN観戦 2022年J1リーグ第27節 柏レイソルvsFC東京

2022-08-31 16:01:22 | サッカー視聴記(2022年J1)

<柏スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 佐々木
RCB 古賀 CCB 高橋 LCB 田中
RWB 大南 DH 椎橋 LWB 戸嶋
IH ドッジ IH マテウス・サヴィオ
FW 細谷 FW 小屋松
<FC東京スタメン> 4-1-2-3
GK ヤクブ・スウォヴィク
RSB 長友 CB 木本 CB 森重 LSB バングーナガンデ佳史扶
DH 東慶悟
IH 塚川 IH 松木
RWG 紺野 CF ディエゴ・オリヴェイラ LWG 渡邊

開幕前の下馬評を覆し、5位という好位置に着けている柏。
そこに長期離脱していたドウグラスが復帰・ベンチ入りとなった状況に、「エースストライカーを欠いていて上位キープしているのか……」と驚きの声を上げざるを得なく。
前々節(広島戦・2-3)のように、撃ち合いになると得点力の面で苦しさが露呈するだけに、それを補うべくの頼もしい駒となり得るかどうか。

一方のFC東京は、試合中止とACL参加クラブとの対戦による順延が絡み、3週間ぶりの試合となったこの日。
改革という割には低調な試合内容が目立っているだけに、久々の試合で結果を出して「男子別れて三日、刮目して待つべし」といくかどうか。

そのFC東京が、相手のシステムの裏をかくような攻撃を展開する立ち上がり。
前半3分、最終ラインから右サイドで組み立て、ウイングの紺野が降りて受けたのちのパスワークで柏の左ウイングバック・戸島を引き付け。
そしてスペースに東慶がダイレクトのミドルパスを送り、改めて紺野が前に走り込むというギャップを突く姿勢で好機を作ります。(パスを受けた紺野がさらにエリア内へスルーパスを送るも繋がらず)

その後も紺野と長友の立ち位置にナイーブになる柏サイド。
4-3-3と3-1-4-2のマッチアップ、そのままの状態では単純にサイドで2対1の状況となってしまうので、致し方無しといった所でしょうか。
そうして意識を振りつつ、逆の左サイドでバングーナガンデの推進力を活かすという、幅広い攻撃で翻弄していくFC東京。

17分に木本の裏へのロングパス一本で、受けた塚川がGKと一対一となり、シュートをネットに突き刺したもののオフサイドで惜しくも無効に。
ヒヤリとした柏サイドは、ここで布陣を弄り3-4-2-1に。
ドッジをボランチに、小屋松を左シャドーに降ろしての応対を見せました。
応急処置的なものですが、徐々に効果を表したのち23分に反撃する柏。
大南のミドルパスを右サイド奥で受けたサヴィオ、切り返したのちエリア内へ送り、走り込んだ南がグラウンダーでさらに中へ送り。
これをファーサイドに走り込んだ椎橋がシュートするも枠を捉えられず。

この直後に飲水タイムが挟まれ、好循環を持って第2クォーターに臨んだ柏。
しかし27分、右サイドで得たフリーキックでの攻撃で、クロスを合わせにいった高橋がFC東京・塚川と頭部同士で激突してしまい。
高橋の反則となったものの、高橋の方がダメージが大きく立ち上がれず。(塚川は1分程で起き上がる)
その間にベンチも交代の準備を進め、4分程経過してようやく立ち上がった高橋、ゆっくりとピッチを後にして一時的に10人となる柏。
そしてプレーが途切れた事で、上島が同ポジションで投入となりました。(脳震盪による交代の扱い)

アクシデントに苛まれた事で折角の手当ても効果が無くなったか、その後再びFC東京が右サイドで跳梁する展開に。
36分には紺野のドリブルを2人で止めにいくも、こぼれ球を長友に繋がれ結局紺野に抜け出される等、危ない対応が目立ちます。(その後ディエゴへのスルーパスがカットされる)

そして40分、ゴールキックの跳ね返りを塚川が落とし、再び右サイドから前進するFC東京。
紺野のミドルパスを受けたディエゴがエリア内右を突き、ボールキープから奥へ切り込んでグラウンダーでクロス。
これをファーサイドで松木が跳び込み、足で合わせてゴールへとねじ入れて先制点をゲット。
試合開始から貫いていた攻撃が実を結んだ格好となりました。

先制された事でプレッシングを強める柏でしたが、それが裏目に出る事に。
45分のFC東京、ビルドアップの最中に柏のプレスを受けるも、松木が最終ラインに降りつつ逃げ回りGKまで戻したのちスウォヴィクの右へのフィード→長友のフリックで脱出。
拾った塚川がスルーパスを送り、紺野経由で中央へと渡り、渡邊のラストパスに走り込んだのはバングーナガンデ。
ダイレクトでの力強いシュートがゴールに突き刺さり、GKから両サイドの選手をくまなく使った末に辿り着いた得点となりました。

一気に2点差を付けられてしまった柏、さらにアディショナルタイムに裏抜けを図ったFC東京・渡邊を上島が倒してしまい反則・警告を受け。
余計なミソも付けてしまい、窮地のまま前半を終える事となりました。

当然流れを変える必要性が出て来た事で、ハーフタイムでネルシーニョ監督は大胆にも3枚替えを敢行。
細谷・小屋松・戸嶋→ドウグラス・武藤・川口へと交代。
2トップにパワーを齎す+FC東京に踏襲され続けた左サイドの手当てを行いました。
ただし前節(清水戦・1-1)も同じくHTに3枚替えをしたものの、同時に4バックへのシフトも行っており。
この日は3バックはそのまま(尚、この交代で再びスタート時の3-3-2-2へと戻す)にして、駒を入れ替える事での対処という選択でした。

交代効果で入りから攻め上がる柏。
後半2分にコーナーキックを得ると、サヴィオのクロスをニアサイドで、投入されたドウグラスがフリック気味のヘディングシュートを放ち。(GKスウォヴィクキャッチ)
このドウグラスのヘディングという、忘れられていた感のある武器を再装着した柏。(ちなみにドウグラスの前回の出場は4節と遠い昔)
これに武藤の裏抜けを交え、2トップのプレッシャーでFC東京サイドに脅威を与えていき。

試合展開としては、FC東京も攻撃の手を緩める事の無い、アルベル・プッチ・オルトネダ監督らしいサッカーを繰り広げた事で乱戦模様に。
ともにカウンターに持ち込むシーンも目立つなど、攻撃権は激しく移り変わり。

それでも、ドウグラスという絶対的なターゲットを得た事で、多少強引なクロスも可能になった柏。
9分、大南の右サイド手前からのクロスを中央でドウグラスが合わせにいき、流れた所FC東京・長友に当たってのこぼれ球をドッジがシュートしてゴールネットを揺らし。
単純ながらも強力な攻撃で、ドッジのJリーグ初ゴールという嬉しい副産物も生まれ、柏が1点を返します。

しかしその直後に最初の交代カードを使うFC東京。
紺野・塚川→アダイウトン・安部へと2枚替え、こちらも強力な手駒であるアダイウトンを投入しました。(アダイウトンが左WGに入り、渡邊は右WGに回る)

撃ち合いに徹底抗戦、といった交代策となり、試合もその通りの展開を描きます。
12分のFC東京、自陣右サイドからのスローインで、投げ込まれたボールをポストプレイで繋いだディエゴが倒され痛む中でも攻撃は継続。
右サイドを前進していき、松木のスルーパスに走り込んだ長友のクロスを、ファーサイドで合わせたのはアダイウトン。
このヘディングシュートはゴールバーを叩くも、跳ね返りをさらにヘディングシュートしてネットを揺らしたのは安部。
交代選手2人が早速矢継早に放ったシュートで、再び2点差とします。
尚、倒れたディエゴは続行不可能となり、直後にルイス・フェリッピへと交代。

しかし柏も執拗に追いすがり。
17分椎橋のボールカットから繋ぎ、サヴィオが中央突破を経てペナルティアークからシュート。
ブロックされるも尚も繋ぐ柏、左サイドへ展開ののち川口とのパス交換を経て武藤からクロスが上がると、ファーサイドで頭から跳び込んだのはドウグラス。
低い姿勢で放たれたヘディングシュートでゴールゲット、再び1点差に詰め寄ります。

一気呵成に追い付かんとする柏、21分にもドウグラスはサヴィオの左からのクロス(グラウンダー)でシュートを放ち。(ブロック)
観衆との距離も近いホーム(三協フロンテア柏スタジアム)の中、同点そして逆転への機運も最高潮といった雰囲気でしたが、そこに落とし穴が待ち受けていました。
22分再び敵陣で展開(川口のパスカットから)し、武藤がエリア手前中央でボールを持つも、囲まれて奪われてしまいFC東京のカウンターに。
奪った松木がドリブルで運び、フェリッピのポストワークを経由してアダイウトンへ渡ると、左ハーフレーンから一気に前進してエリア内中央を突いてシュート。
ゴール右隅へと突き刺し、これがジョーカーのパワーと言わんばかりの得点を挙げたアダイウトン。
再び2点差とした所で、飲水タイムが挟まれます。

その明ける際に、サヴィオ→アンジェロッティへと交代した柏。
その後は柏サイドも、最終ラインからGKを使っての組み立てを見せる場面もあり、FC東京はそれにプレッシングを掛けるも今一つ嵌らず。
そして迎えた29分、敵陣左サイドでのパスワークから、川口のスルーパスに走り込んでクロスを上げたのはドウグラス。
このターゲットマンがクロッサーに変化した隙をFC東京は突かれたか、ニアサイドに走る武藤を通り過ぎたボールを、大外から大南が合わせ。
放たれたシュートがFC東京・バングーナガンデのブロックを掻い潜り、ゴールに突き刺さり。
これで三度1点差に迫った柏。

細かいビルドアップの姿勢が実った格好でしたが、33分の柏はゴールキックでロングフィード→ドウグラスフリックからの好機。
やはりこれが最も効率が良いようであり、その後エリア内へ武藤が迫るも跳ね返され、左サイド手前から川口のクロスがファーサイドに上がるもドウグラスには惜しくも合わず。
押し込まれる絵面が目立ってきたFC東京、直後に選手交代(バングーナガンデ・渡邊→中村帆高・木村)と共に布陣変更。
<後半33分以降のFC東京> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK スウォヴィク
RCB 木本 CCB 森重 LCB 木村
RWB 長友 DH 東慶 LWB 中村帆
IH 安部 IH 松木
FW フェリッピ FW アダイウトン
柏と同様のフォーメーションを採り、守りを固めます。
同一フォーメーションといっても、ミラーにはなり辛い3-3-2-2同士の戦いに。

これでプレッシングの強さが増したのか、迎えた36分。
柏が左サイドでのパスワークの最中プレスを受け、逃げのパスが中央でアダイウトンにカットされる事態となり。
そしてカウンターになりかけた所、上島がオブストラクションで止めてしまい反則となると、当然の如く主審(西村雄一氏)から黄色いカードが突き出される事に。
2枚目で退場となり、アクシデントにより途中出場の上島でしたが、この日は散々な目に遭い終わってしまいました。

一気に苦しくなった柏、上島が抜けた分そのまま4バックへ移行。
<後半36分以降の柏> 4-2-2-1
GK 佐々木
RSB 大南 CB 古賀 CB 田中 LSB 川口
DH ドッジ DH 椎橋
IH ドウグラス IH アンジェロッティ
FW 武藤
機動力の高い武藤を最前線とし、数的不利ながらもプレッシングの望みは潰さないスタイルを採ります。

それが実りかけたのが39分で、FC東京エリア内でGKスウォヴィクのパスを武藤がカットするという大チャンスが到来します。
しかし齎されたのは得点では無く、カウンターを招いての失点でした。
直ぐにシュートは撃てず、左へ流れてのクロスを選択した武藤でしたが、クリアされたボールがアダイウトンに渡ってしまいこれが完全に裏目に。
裏へのミドルパスが送られると、受けたフェリッピがドリブルに持ち込み、エリア内に進入してのシュートがゴールネットを揺らし。
ここに来て再び2点差とし、柏の僅かな望みを絶つ格好となりました。

何とか再び1点差に迫らんと、ドウグラスをターゲットとしての攻撃に託す柏。
しかし厳しさは拭えず跳ね返され続け、迎えた44分。
左サイドで松木のパスを受けたアダイウトンが細かいタッチでのドリブル、そこから中央の安部とのワンツーも交えて中央方面へと切り込んでいき、ついにエリア内へ。
そして放たれたシュートは綺麗に右サイドネットへと突き刺さり、止めとなる6点目を挙げます。

これで勝敗は完全に決まったようなもので、尚もフェリッピのエリア内でのシュートがゴールを脅かす(GK佐々木セーブ)など、数的優位を活かしてのサッカーを繰り広げるFC東京。
そのまま3-6で試合終了の時を迎え。
ブレイク明けの試合は、怒涛のゴールラッシュに拠る爽快な勝利となりました。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第26節 湘南ベルマーレvs鹿島アントラーズ

2022-08-24 16:00:48 | サッカー視聴記(2022年J1)

<湘南スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 谷
RCB 岡本 CCB 大野 LCB 舘
RWB 石原 DH 米本 LWB 畑
IH 茨田 IH タリク
FW 瀬川 FW 大橋
<鹿島スタメン> 4-4-1-1
GK クォンスンテ
RSB 広瀬 CB 関川 CB 三竿 LSB 安西
RSH 仲間 DH 中村亮太朗 DH 樋口 LSH アルトゥール・カイキ
ST 土居 FW 鈴木優磨

「外国人監督を解任→チームOBが監督就任」という流れを2年続ける事となった鹿島。
以前現地で観たこの試合では、本当に上位チームなのかと思うほど内容は良くなく、下位である札幌に終始押され気味であり。
そこから改善の兆しが見えなかったとあっては監督交代も止む無しと思われますが、ここから鹿島の凋落が始まる事となった……なんて展開にはならない事を祈るばかりです。

その鹿島の監督に就任した岩政大樹氏ですが、シーズンも終わりが見え始め、かつ優勝争いに踏みとどまらなければならないという状況では出来る事は少なく。
前年の相馬直樹氏(現大宮監督)以上に、いかにチームを壊さないかの手腕が問われる所でしょうか。

終盤を迎えたJ1で、そんな下から見れば贅沢ともいえるような悩みを抱える鹿島とぶつかった、残留争いの渦中にある湘南。
ストライカーの町野も、故障に苛まれるなどで前回観た京都戦以来得点は無く、フィーバーは終焉といった感じ。
この日も運動量と人数を掛けた前進でペースを握らんとしますが、立ち上がりはミスによる危機が目立ち。
前半4分中盤でカイキが奪って攻守交替させた鹿島、鈴木優の裏へのミドルパスを受けた土居がエリア内左を突いた所、湘南・岡本に倒され。
反則の笛は鳴らずと際どいシーンになると、直後にはクリアミス(蹴り出したボールが味方に当たる)を拾った仲間がそのままシュート(GK谷キャッチ)というピンチの招き方。
ホーム(レモンガススタジアム)での試合ながら、断続的に降り注ぐ雨という天候の影響か、好循環を得られない入りとなりました。

この日はレギュラーを弄り、岡本が3バックの右に入るという布陣。
そのため片側を上げてのビルドアップは影を潜めたものの、代わりにその岡本の裏狙いのロングパスを交えながら好機を作る湘南。
12分にそのロングパスに走り込んだ大橋が右サイド奥からマイナスのクロス、ニアサイドで瀬川が合わせるもディフェンスに遭いミート出来ず。
15分に今度は中盤でのボール奪取から右サイドをショートパスで前進、タリクのエリア内の瀬川へのパスはカットされるも、こぼれ球を自ら拾ったタリクがそのまま浮き球をコントロールした末にボレーシュート。
しかしGKクォンスンテのセーブに阻まれ、依然としてゴール運の無いタリク。

長短交えて相手を押し込む体勢を作った湘南に対し、次第に鹿島は耐えるだけといった状況を強いられ。
22分には湘南のコーナーキックからカウンターに持ち込んだものの、ドリブルで突き進んだカイキのラストパスは鈴木優に渡らず。
飲水タイムが挟まれた(23分)のちもその流れを修正する事は出来ず、湘南の独壇場といった展開で進んでいきます。

28分に右CKを得た湘南、キッカー茨田のクロスの跳ね返りを畑がダイレクトでエリア内へ送ると、混戦の中細かく繋いだのち瀬川が左奥からシュート。
これを鹿島・三竿が戻りながらのブロックで何とか防ぐも劣勢は明らかで、この辺が暫定政権(肩書き上は正式な監督の岩政氏)ならではの苦しさでしょうか。
自身のサッカーの形が次第に停滞していく中で監督の座を受けた故に、それを覆せる程の手段を施せなければこうなる、といった感じであり。(といっても冒頭の通り、無理に手を施せる状況でも無く)
次第にカウンターの機会も得れなくなるほど押し込まれ。
42分には敵陣でカイキがパスカットするも、そのまま遠目からシュートを放つ(枠外)など、無理目なフィニッシュを狙うなど焦りと苛立ちが滲み出ます。

しかしペースを握っている湘南も、それを得点という結果に繋げる事は出来ず。
それが出来れば今頃はもっと上位に居る、と揶揄する声が聞こえてきそうでもありますが、目下7試合連続で得点は1以下という有様であり。
前試合(2週間前)で5失点した守備面が取り沙汰されていたものの、課題は依然として得点力といった流れで試合は進んでいき。
結局スコアレスのまま前半を終える事となりました。

ハーフタイムを挟み、湘南は大橋→町野へ交代と、課題克服のためストライカーの投入に踏み切り。
一方、攻撃の形自体がままならない鹿島は3枚替えを敢行します。
中村亮・仲間・土居→キムミンテ・和泉・エヴェラウドへと交代し、キムミンテがセンターバックに入る事で三竿がボランチへと上がり。
そしてエヴェラウドがトップ、鈴木優がセカンドトップの位置というFWとなります。

流れを変えようという鹿島ベンチの意気込みを感じたものの、後半の入りも湘南ペースは変わらず。
後半2分舘のドリブルから町野のボールキープという、後方の上がりと前方のポストワークを交えたのち、米本の縦パスがエリア内を突き。
受けた瀬川が切り返しののちシュートを放つも、GKクォンスンテにセーブされ決定機をモノに出来ません。

前半よりもサイドチェンジの割合を上げ、左サイドから畑が突破力を見せるなど、後半に向けてギアを上げてゴールに迫るという立ち回り。
その狙い自体は概ね成功していたものの、やはりゴール前での運気が無く。
7分には敵陣で茨田が左サイドでのボール奪取から、カットインののちエリア内へパスを送り、走り込んだタリクがヒールパスを選択するも空振りしてしまい。
11分には敵陣でのパスワークの末に、瀬川のシュート気味のキック(エリア内へのロビング?)がブロックに入った鹿島・樋口の腕に当たりハンドの反則。
これで直接フリーキックを得たものの、キッカーを務めた町野の直接シュートは落ちずに大きくゴール上へと外れ。
流れを失ってしまいそうな最後のシーンが続くと、その通りの結果が齎される事となります。

14分の鹿島は一旦攻撃が途切れるもクリアボールを繋ぎ、右サイドで持ったエヴェラウドがカットインでエリア内を突いてスルーパス、奥に樋口が走り込み。
そしてマイナスのクロスを入れると、リターンのような形で合わせたエヴェラウドのシュートが、GK谷を弾いてゴールに突き刺さり。
劣勢が続いていた鹿島が先にゴールに辿り着き、リードを奪いました。

これで精神的に余裕が出た鹿島。
以降はロングボールをエヴェラウドが収め、最後方からのビルドアップでは鈴木優が降りて出口役となる事で、ボールを運べる体制が出来上がり。
18分には最終ラインから受けた鈴木優が縦パス、樋口ポストプレイ→三竿裏へミドルパスという流れるような攻撃で、エリア内に走り込んだ和泉がシュート。(ブロック)
前半から見せていた、湘南の攻撃を凌ぎつつの逆襲という流れが一層スムーズに行えるようになります。

一方焦りという要素と戦わなければならなくなった湘南。
長短織り交ぜる攻撃も、ショートパス主体の前進ではフィニッシュまで繋げられず、ロングパスの割合が増えていき。
それにより得たスローインから、22分には米本が左からのカットインを経てミドルシュート(左サイドネット外側)というシーンもありましたが、ビハインドを抱えたまま後半の飲水タイムが挟まれます。

共にHTで交代カードを切ったためか、中々次の一手が見られない両ベンチ。
湘南サイドが先に動きを見せ、3枚替えの準備をしていた所で28分に右サイドからの攻撃でCKを獲得。(ここでの交代は待ち)
するとキッカー茨田ファーにクロス→大野折り返し→瀬川ヘディングシュートという、完璧な流れを見せてゴールゲット。
付け加えるならば、高い跳躍で大野が鹿島・三竿に完璧に競り勝ち、瀬川のシュートはフリック気味の絶妙な合わせといった所でしょうか。
苦境を跳ね返す、セットプレーでの一撃を炸裂させました。

同点に追い付いても予定していた交代カードは変えず、直後に石原・タリク・茨田→中野・平岡・阿部へと交代した湘南。(畑が右ウイングバックへとシフト)
勢い付いてさらに32分に左CKを得ると、キッカー阿部ファーへクロス→中野と同様のパターンを見せるも、中野が鹿島・安西を倒してしまっての反則で実らず。

逆サイドに移っても、武器のスピードを前面に出していた畑。
しかし34分に阿部のスルーパスに走り込んだ際に、足を攣らせてしまい倒れ込み。
序盤からハイテンションを貫く湘南スタイル故に、真夏の戦いはやはり厳しいものがあったでしょうか。
何とかプレーを続けた畑でしたが、その後クロスが精度を欠くシーンを作るなどやはり影響は隠せず。
結局37分に交代の運びとなりました。(福島と交代、福島が右CBに入り岡本が右WBへ回る)

一方同点に追いつかれた鹿島は、それにより再びサッカーの形の乏しさが顔を出し、湘南の攻撃を受け続ける展開に。
32分に樋口→舩橋に、37分にカイキ→エレケへと交代していくも、流れを押し返すには至りません。
さらにエレケ投入でポジションも不透明なものとなり、鈴木優が中盤に降りる事でエヴェラウドと2トップを組んだ、新加入かつ初出場のエレケ。
しかしかなりフリーダムに動く選手といった印象で、両サイドを動き回りボールを受けんとし、それにより鈴木優の位置も決まるといった感じに。
それにより右サイドハーフなはずの和泉はやや後ろ気味で、3ボランチといった布陣に見えました。

そんな乗り切れない相手を尻目に攻め上がる湘南。
39分にはスローインから、投げ入れられたボールを町野がダイレクトでエリア内へ送り、そこに走り込む瀬川。
しかし放たれたシュートは枠を捉えられず、再び決定機を逃してしまいます。
それでもカウンターを狙うには格好の展開ともいえる鹿島、43分にそのチャンスが訪れ、エレケのパスを右サイドで受けたエヴェラウド。
湘南の戻りが遅れ、中央の鈴木優とともに2対1の状況が出来上がりましたが、エヴェラウドのパスはあろう事かゴール方向へ逸れてしまい繋がらず。

ともに勿体無い逃し方をした直後、湘南はさらに岡本が足を攣らせてしまう事態となり。
右WBが受難といった絵図であり、これを期に瀬川と入れ替わり最前線へ位置する事となった岡本。

相手の弱みに付け込むように、遅まきながらもここから攻め上がる鹿島。
既に時間はアディショナルタイムで、湘南は押し込まれたのを受けてか、再び岡本と瀬川のポジションを入れ替えてあくまで勝ち越しを狙いにいき。
しかしその後齎されたのは船橋のボール奪取による鹿島のカウンターで、左サイドでエヴェラウドがクロスを上げると、ファーサイドに走り込んだ鈴木優がスライディングで合わせ。
しかし中央のエレケへ折り返しを狙ったボールは、ディフェンスに当たり繋がらず。
その後CK・FKを1本ずつ得たものの、結局時間が足りずにゴールまで辿り着けなかった鹿島。

1-1で引き分けとなり、下位の湘南の方が、優勢だっただけに悔やまれる勝ち点1となったでしょうか。
今後順延になる試合も挟まれ過密日程となる中、過去何度も残留争いを勝ち抜いてきた実績?を活かす事は出来るか。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第24節 サガン鳥栖vsジュビロ磐田

2022-08-11 16:01:18 | サッカー視聴記(2022年J1)

<鳥栖スタメン> 4-4-1-1
GK 朴一圭
RSB 原田 CB ファンソッコ CB ジエゴ LSB 中野
RSH 長沼 DH 福田 DH 小泉 LSH 岩崎
ST 菊地 FW 宮代
<磐田スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 梶川
RCB 森岡 CCB 伊藤槙人 LCB リカルド・グラッサ
RWB 鈴木 DH 山本康裕 LWB 小川
IH 上原 IH 黒川
FW ジャーメイン良 FW 金子

シーズン中でも無風で終わらないのが、財政面に難を抱えている鳥栖のチーム編成。
夏の移籍期間が幕を開けると待ってましたとばかりに、「クラブ規模に似合わない好成績のチーム」である鳥栖選手の引き抜きが始まり。
クラブの強さは金次第という、サッカー界の現実を再確認させられる事となりました。
とは言っても、完全にチームを離れたのは飯野(神戸)と中野嘉大(湘南)の2人なので大袈裟感はありますが。
それでも今季の鳥栖にとっては貴重なレギュラーである事に変わりなく、薄くなった層をどうカバーしていくかが問われる戦いへと突入。
失った2人に合わせるように、すかさず長沼と手塚を完全移籍で加える応急措置が採られましたが、果たして成果の程は。

川井健太監督とは気心知れた関係である長沼(愛媛時代に川井氏の下でプレー)の方が早速レギュラーに加わり、デビュー戦で早速ゴールという結果を叩き出し。
この日も、代表にまで登り詰める等進境著しい岩崎と共にサイドアタッカーの役を任されました。

しかし早速目立ったのは負の要素で、前半3分にパスを受けた磐田・グラッサに対しスライディングでチャージしにいった長沼。
激しく痛むグラッサを尻目に、当然反則を取られて警告を受ける結果となってしまい。
こうして幕を開けたこの試合、立ち上がりから鳥栖の厳しい寄せに対し苦戦を強いられる磐田という絵図となり。
11分にはゴール前でディフェンスに入った森岡がチャージを受けて痛むなど、代えの効き辛いセンターバックに早々に傷がついてしまう事を強いられました。
15分にはこぼれ球を追い掛けた山本康が、鳥栖・菊地に後ろから腕で引っ張られ、反則で途切れると菊地に対し激高するシーンも見られます。

そんな状況故かペースを掴めない磐田に対し、ボールポゼッションを高めて攻勢に入る鳥栖。
相手の2トップを基点としたプレッシングに対しても、お馴染みのGK朴を加えた最終ラインでの繋ぎで立ち向かい。
またサイドハーフがワイドのレーンに張り続ける・菊地がセカンドトップ的な動きで自在に中盤に顔を出すなど、J2山形に類似した攻撃を展開する辺りが、いかにも前年山形でコーチを務めていた川井監督らしいサッカー。
12分にその朴からの攻撃で決定機を迎え、右サイドでの前進から原田のスルーパスに対し、逆サイドから加わっていた岩崎が走り込んで受けGKと一対一へ持ち込み。
そしてエリア内でGK梶川を左にかわすも、シュートは角度の無い所からになってしまい枠外に。
16分には敵陣右サイドで福田がボール奪取、プレスを嵌めてのショートカウンターへ持ち込み、菊地を経由して受けた宮代がエリア内中央からシュート。(ブロック)

サッカーの内容でもダメージを受けていく磐田守備陣は、20分についに表面化。
森岡が先程のチャージの影響で倒れ込み、続行不可能となってしまいます。(この際もう一方のグラッサも屈み込みを見せていた)
松原が投入されると共に、鈴木が右CBに降りるというスクランブルを強いられる事に。(小川が右ウイングバックに回り、松原が左WB)

飲水タイム(24分)後も、岩崎の突破力をはじめ鳥栖の攻撃に悩まされるシーンが目立った磐田。
しかしジャーメインをスイッチとしての連動したプレッシングで対抗する姿勢も出来上がり、次第に鳥栖の勢いは削がれ膠着状態となります。

そして磐田が反撃の狼煙を上げ。
37分スローインをエリア内左で金子が収めてボールキープを経て中央へ向けパスワーク、細かな繋ぎからジャーメインがワントラップののち反転シュート、しかしGK朴がセーブ。
39分にもセットプレーから決定機を迎え、中盤左サイドからのフリーキックによる放り込みがクリアされたのち、拾って右サイド奥を突いた金子がクロス。
ファーサイドで松原が折り返しにいき、DFに当たってこぼれた所を黒川がシュート。
ジャストミート出来ずもゴール方向へと転がり、先制かと思われたもののライン寸前で鳥栖・中野のクリアに阻まれ、モノに出来ません。

この好機の連続に気を良くしたのか、以降小川と鈴木の位置を入れ替えた磐田。
本来の位置で鈴木に攻撃に絡んで欲しかったのだと思われますが、その直後に落とし穴が待ち受けていました。

41分に岩崎の鋭いドリブルからのシュートが放たれ、GK梶川がセーブ。
これで落ち着きを取り戻した鳥栖は続く43分、今度は逆の右サイドを長沼がドリブルで奥を突き低いクロス。
磐田ディフェンスはニアサイドで伊藤槙がクリアにいくも触れず、中央でフリーで待ち構えていた宮代が合わせ、ゴールネットを揺らします。
磐田の攻めっ気を逆手に取るように、終盤に試合を動かした鳥栖。

悔やまれる失点となってしまった磐田、前半の残り時間で何度か好機を作るもシュートまではいけず。
ハーフタイムが挟まれ、残留争いの渦中にあってどうしても勝ち点が欲しいという状況で、最低でも1点取らなければならない。
そんな心境から、早くもFWのファビアン・ゴンザレス投入に踏み切った伊藤彰監督。(黒川と交代・金子がシャドーにシフト)

後半開始となり、その攻撃姿勢に従うように何度かエリア内を突く攻撃を仕掛ける磐田。
しかしフィニッシュには繋がらずもどかしい時間を過ごすと、後半5分に再び岩崎のドリブル突破が炸裂。
長距離を突き進んだ末に、カットインでエリア内左を突いてシュートを放ちますがゴール右へと外れ。
この岩崎の強烈な推進力に続くように、以降鳥栖の攻撃を受ける展開へと移り変わります。

「相手の組織力を個の力で打ち破る」ような岩崎の突破力ですが、彼とて今シーズンが始まるまでは、戦力になるかどうか怪しい立場であり。
アンダー代表に選ばれる程の将来性がようやく形になった今季。
自身に合ったクラブと出会うまでの苦労が伺い知れますが、依然として札幌からのレンタルの身である岩崎。
果たしてこの流れのまま帰還してしまうのか、あるいは首尾よく完全移籍になったとして、他のチームメイトのように直ぐに他クラブに移籍になりやしないか。
そんなピッチ外の事まで考えさせられがちな鳥栖の現状ですが、逆に移籍のレールへと乗っかる事が出来る程登り詰められた選手は(契約の条件的に)幸せなのでしょうし、鳥栖サイドもそれを織り込み済みで飛躍のために力を貸しているのでしょう。

話を戻すと、果敢に追加点を狙いにいく鳥栖。
8分にはGK朴のロングフィードから、敵陣で細かく繋いだのち菊地が右サイドからのカットインを経てミドルシュート。(枠外)
その直後にも菊地がエリア内左を突き、奥から入れたグラウンダーのクロスをGK梶川が何とか弾いて防ぐなど、追い掛けたいがそれすらままならない状態を強いられる磐田。
ようやく好機を得たのは14分でしたが、ゴンザレス目掛けた右からのクロス、鳥栖のクリアが尚もエリア内上空へと浮かび。
これを足下で収めたゴンザレスがシュートにいきましたがミート出来ず、左へこぼれたボールを松原が折り返すも得点には繋がりません。
折角のチャンスも、自らフイにしてしまうといった絵図でリズムに乗れず。

そして18分再度アクシデントに見舞われ、森岡同様気丈にプレーを続けていたグラッサにも限界が訪れてしまい。
既にジャーメイン→杉本への交代を用意していたベンチでしたが、一手待ち2枚替えへ切り替える事となりました。
その交代要員には大ベテランの遠藤が選ばれる等、同点のために守備面をある程度犠牲にする姿勢を強いられ。

こうして磐田が準備している間にも、容赦は無い鳥栖のサッカー。
22分に再び岩崎が自陣からドリブル、華麗なダブルタッチも交え相手をかわしていき、ラストパスを受けた宮代がエリア内左からシュート。
GK梶川が何とかセーブし、コーナーキックとなった所で磐田はようやく選手交代。(ジャーメイン・グラッサ→杉本・遠藤)
<後半22分からの磐田> 4-4-2
GK 梶川
RSB 鈴木 CB 小川 CB 伊藤槙 LSB 松原
RSH 上原 DH 山本康 DH 遠藤 LSH 金子
FW 杉本 FW ゴンザレス
CBを2人も失ってしまったため、4バックへのシフトは当然過ぎるほど当然であり。

反撃体制を整えた磐田ですが、鳥栖の右CKで試合再開したため早速ピンチを作られ。(ニアで長沼落とし→こぼれ球を岩崎ボレーシュート・ブロック)
その後杉本のポストワークも攻め手に加わり、本来WBであるサイドバックの2人も果敢に前目でボールに絡むなど、総員体制で同点を狙いにいきます。

後半の飲水タイムが挟まれたのが26分で、その前に鳥栖ベンチも動いており、24分に菊地・長沼→本田・堀米へと2枚替え。
磐田の前へのベクトルの逆を突くように、30分磐田のミスから本田が拾っての好機、エリア内右から堀米のクロスがグラウンダーで入り。
これを走り込んだ福田の前でクリアするも、小川に当たってしまい跳ね返りサイドネット外側と、攻撃しなければならない状況での守備を強いられる磐田の苦しさが滲み出るシーンとなり。

それでも、広範囲で動き回る杉本を鳥栖サイドが捕まえきれない事で好機が膨らむ磐田。
31分には中盤右サイドで繋いだのち鈴木が低いアーリークロスを入れると、中央で杉本が跳び込んで合わせにいくも撃てず。
33分には今度は右サイドでポストワークする杉本から繋ぎ、中央に渡ったのち金子のラストパスを受けた松原がエリア内左からシュート。
しかし左ゴールポスト外側に当たる枠外となり、惜しいシーンの連発となるもモノに出来ない磐田。

こうなると前半同様、決定機を逃した後の危機もケアしなければいけず。
その後疲労度が織り成すオープンな展開となり、乱戦気味に推移。
磐田は最後のカードを34分に切り、上原→大津へと交代。
杉本が一列降り、最初は右サイドハーフに入ったものの、後にトップ下気味に中央に位置する事となり。(ダイヤモンド型の4-4-2か?)
39分にはその杉本が中央でボールを受け、エリア手前から果敢にシュートを放ったもののゴール右へと外れ。

すると鳥栖ベンチも動き、宮代→垣田へと交代。
その直後の40分、この押し迫った時間帯でチームのトップスコアラー(5得点)を投入した意味を知らしめる事となります。
ゴールキックを落とした垣田から、拾った本田が左サイド奥へ切り込んで低いクロスを入れると、猛然と走り込んだ垣田がニアサイドで綺麗に合わせ。
僅か1分足らずという電光石火で追加点を齎した垣田、起点とフィニッシュ双方を務める働きぶりで磐田サイドを絶望の淵へと突き落としました。

こうなると運動量に定評ある鳥栖の試合ですが、流石に夏場の試合という要素もありダメージは隠せず。
小泉が足を攣らせてしまった事で交代となったのが43分で、チーム2位の出場時間を誇っていた小泉ですらフル出場出来ずに終わる厳しい環境。(藤田と交代、同時に岩崎→西川へと交代)
しかし既に磐田にも希望の光は見えず、相手の攻撃の芽を摘んでいき時間を進め。

もはやターゲットに向けたロングボールを蹴り込むしか手の無い磐田。
運動量を補填した鳥栖のプレッシングにも悩まされるなど、少ない残り時間ではその機会も少なめとなり。
何とかアディショナルタイムの最終盤にCKを獲得し、キッカー遠藤のクロスをゴンザレスがヘディングで合わせた(枠外)ものの、得点が生まれる事は最後まで無く。

結局2-0で試合終了となり、鳥栖がチーム再編成後初の勝利を挙げました。
一方残留争いを有利にする勝ち点を得られなかった磐田、負傷者も膨らむ痛い敗戦となった中、最後までもがき続けられるかどうか。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第23節 ヴィッセル神戸vs柏レイソル

2022-08-04 16:02:17 | サッカー視聴記(2022年J1)

<神戸スタメン> 4-1-2-3
GK 飯倉
RSB 酒井 CB 山川 CB 小林友希 LSB 初瀬
DH 大﨑
IH 山口 IH 中坂
RWG 飯野 CF ムゴシャ LWG 汰木
<柏スタメン> 3-3-2-2
GK 佐々木雅士
RCB 高橋 CCB 上島 LCB 田中隼人
RWB 大南 DH 椎橋 LWB 三丸
IH ドッジ IH マテウス・サヴィオ
FW 小屋松 FW 細谷

この記事で挙げた8クラブの中では、比較的J2暮らしが短いand少ないクラブ同士の戦い。
それでも今季その数を積み上げてしまう確率は、現状神戸の方が圧倒的に高く。

再びの監督交代が行われ、吉田孝行氏が3度目の就任(しかも5年間でという短い間に)という神戸の人事には失笑せざるを得ないものですが、同時に「形振り構ってはいられない」という意識をクラブに植え付ける効果はあったようで。
自身のサッカーの構築は脇に置き、とにかく勝ち点を積み重ねると言わんばかりに、吉田氏就任以降は好成績(3勝1分)を残しています。
それが「解任ブースト」という普遍的な現象で、決して長続きするものではないと解っていながらも、手を出さざるを得ない。
そういった心境に陥らせるものである、残留争いの恐怖。
そんな見通し暗い状況に陥ったクラブを、かつて率いていた相手の柏・ネルシーニョ監督はどう観ているのか気になる所ですが、それはさて置きキックオフ。

2週間のインターバル明けという事で、どんなフォーメーションを採用するかに焦点が集まる神戸でしたが、前節(鹿島戦、1-1)と同様の4-1-2-3の形に。
しかし橋本を海外移籍で失ったとあり、アンカーには大﨑が起用されるという台所事情の苦しさが滲み出るスタメン。
アンドレス・イニエスタが不在な状況もあり、中盤の展開力を欠く中で敢行される最終ラインからのビルドアップ。
前に出るGK飯倉を中心としながら左右にボールを回していくも、フィニッシュに結び付く好機は生み出せずに時間を浪費していきます。

柏の守備はしっかりと5バック(5-3-2)で構え、左右のウイングバックは神戸の両ウイングを抑えるポジションを常時取り。
そしてCFのムゴシャには上島がマンマークで、中間ポジションに出される所には左右のセンターバックが対応。
こうしたディフェンスを基調とし、積極性を欠く神戸を封じ込めに掛かりました。

上記のようにイニエスタ不在の影響か、パスの出し手がハーフレーンを突く意識に欠けており硬直化する神戸の攻撃。
サイドから攻め込まんとしても、WGが抑えられている状況では突破する手段に乏しく。
時折左サイドで初瀬がドリブル突破を見せるのみに留まります。

そうした状態で迎えた17分、自陣でボールカットしたサヴィオからカウンター気味に仕掛ける柏。
サヴィオがドリブルを経てエリア内右へスルーパスを送るとともに自身もエリア内へ駆け込み、小屋松の横パスをポストプレイで後方へ繋ぎ、椎橋のリターンを受けてシュート。
神戸はそれを小林友がブロックするも、跳ね返りを椎橋が詰めて連続シュート、さらに大﨑がブロックで防ぎましたがそこまででした。
こぼれ球を細谷が拾って三度のシュート、GK飯倉が弾くも及ばずゴールに突き刺さり。
執拗な連撃で、必死のディフェンスを打ち破った柏が先制します。

こうなると典型的な「ボールを持たされる展開」を描いてしまう神戸。
裏狙いのロングパスでWGを走り込ませるも、やはり柏の組織立ったディフェンスに阻まれてさしたる効果は得られず。
やはり後ろでボールを繋ぐしかない状況で、そのボールポゼッションも、柏のリトリートからのプレッシングに四苦八苦する場面が目立つ悪循環。

そんな堅固な柏ディフェンスですが、今季初スタメンの左センターバック・田中隼からやや綻びが見られ始め。
35分に彼のクリアミスを拾った山口がそのままミドルシュート(枠外)と、神戸にファーストシュートを与えてしまい。
続く36分にもトラップミスを深めの位置で飯野に拾われてクロスに繋げられるなど、穴となりかねないプレーを連発してしまった田中隼。

39分の神戸、敵陣での奪い合いの流れで、トランジションの隙で柏・大南の上がりによって空いた左サイドを突いて汰木が奥へ進入。
ここから敵陣でポゼッションする流れが出来始め、続く40分にも右サイドでのパスワークからのサイドチェンジで空いた左サイドを突き、初瀬の奥からのクロスをムゴシャが折り返すという好機が生まれ。(中央で中坂が待ち構えるもクリアされる)
柏の5バックを能動的に崩していく流れへと移りつつあり、3分あったアディショナルタイムでも攻撃権を独占。
ボール支配率(一時は70%超えの時間帯もあった)どおりのサッカーを展開しますが、結局ゴールは奪えずに前半を終えます。

そんな徐々に表れた勢いに乗らんと、ハーフタイムで一気に3枚替えを敢行した吉田監督。
ムゴシャ・汰木・中坂→大迫・小田・小林祐希と一気に前線を代え、後半に臨んだ神戸。

今季初スタメンの影響か、硬さが見られたCFムゴシャに代わって投入された大迫。
いきなりの後半1分、相手のクリアボールを初瀬がラフにエリア内に跳ね返すと、そこに猛烈に走り込んであわよくばというシーンを演出。
歴戦の選手らしい、どうムードを高めていくかを熟知しているかの振る舞いを見せます。
4分にその大迫の下に決定機が舞い降り、再び初瀬のエリア内へのロングパス(今度は狙ってのパス)を小田が収め、キープののち託された大迫。
ループ気味に放たれたシュートがゴールを襲うも、惜しくも右へと外れてしまい。

硬直性が取れつつある神戸の攻撃に対し、劣勢に陥る前に早めの追加点が欲しい状況となった柏。
6分にそのチャンスが訪れ、左サイドで三丸のロングパスを受けた細谷が奥を突いてマイナスのクロス、ニアで受けたサヴィオのポストプレイを経てシュートにいったのは小屋松。
しかし神戸・大﨑のブロックに阻まれ(腕に当たるもハンドは取られず)実らず、以降危惧した通り神戸の猛攻に晒される流れとなり。
最小リードを守るという厳しい戦いを強いられます。

5-3-2の柏の守備の弱点である、2列目のサイドを支配する事により攻撃リズムを掴む神戸。
新戦力の小林祐を含めた選手交代の効果もあり、前半とは打って変わってのスムーズな繋ぎに対し柏ディフェンスのスライドも遅れがちになり。
14分、山川のロングパスがクリアされるもセカンドボールを拾い、左サイドへ展開して初瀬がクロス。
大迫が合わせにいき、こぼれ球を落ち着かせた酒井がエリア手前右からシュート。
ループ気味にゴール上部を襲ったものの、バーを掠める結果となり惜しくもモノに出来ず。

直後に柏はサヴィオ→武藤へ交代(小屋松が一列下がり左シャドーに)するも、流れを変える事は出来ず。
何度もサイド奥を突いてクロスを上げていく神戸に対し、プレッシャーに押されつつあり。
20分という早い段階で、神戸のオフサイド後のフリーキックの際にGK佐々木雅が遅延行為とされて警告を受ける始末となりました。

その後神戸が飯野→佐々木大樹への交代を準備した所で、それが果たされる前に飲水タイムが挟まれ。(23分)
明ける際に交代すると共に、大崎・山口がドイスボランチ気味に位置取りつまり4-2-3-1のような布陣を取り始め。
この日良い働きを見せる小林祐をトップ下に置く事で、イニエスタの代わりを務めさせるという意図でしょうか。

ブレイク明け最初の攻め(26分)で、右サイドでの前進から酒井の戻しを受けたその小林祐がミドルシュートを放って(GK佐々木雅セーブ)柏ゴールを脅かし。
尚も右コーナーキックを得て、キッカー初瀬のゴールへ向かうクロスをGK佐々木雅がパンチングで弾くも、ファーサイドで大迫が折り返したのち佐々木大がボレーシュート。
ノーマークで放たれた決定的なフィニッシュでしたが、ゴール左へと外してしまった佐々木大。

寸での所で凌ぐ柏ですが、直後にドッジが足を攣らせてしまい。(一旦ピッチに出たのち復帰、その後交代)
30分に細谷と共にピッチを去る事となり、アンジェロッティ・加藤が投入され。
補填したのも束の間、34分に今度は大南も足を攣らせてしまうなど、守勢故のダメージが深刻となります。
その大南もドッジ同様、一旦ピッチ外に出たのち復帰し時間を作ったのち、交代の措置が取られます。(川口を投入・35分)
以降5-3-2を改め、武藤を1トップにした5-4-1で守備ブロックを作るようになる柏。

これにより神戸は容易にサイド奥への侵入は果たせなくなるも、40分には左サイドで一瞬の隙を突いて初瀬がスルーパス、裏を取った小田が奥からマイナスのクロス。
ニアサイドで受けた大迫からさらにクロスが上がるも、シュートは撃てずCKに。
するとベンチは最後の一手とばかりに、(キッカーを務めようとした)初瀬に代わって槙野を投入。
DFの槙野を完全なパワープレイ要員とし、終盤戦を迎えます。

その直後の左CK、初瀬に代わるキッカー小林祐のクロスを、中央で大迫が合わせヘディングシュートを放つもゴール右へと際どく外れ。
以降、大迫・槙野の2トップとした4-4-2へとシフトし、小林祐がボランチに・大﨑がCBに・山川が右SBに・酒井が左SBにと選手も玉突き的にシフト。

しかしパワープレイという言葉の通りに、放り込み主体の姿勢となった神戸の攻撃。
それまでのような攻撃権を独占する流れを自ら失う事となり、それに伴い柏がカウンターを展開する下地が出来。
45分にクリアボールをアンジェロッティが落とし、拾った武藤がドリブルで単騎突撃するカウンターに持ち込み。
それでも放たれたミドルシュートがゴール右へ外れると、小屋松までもが足を攣らせる事態が発生してしまいます。
既に交代枠は無いため、急遽小屋松を1トップとして2列目に武藤が降り、ブロックを整える方を優先した柏。
以降神戸DFの裏へのスルーパスは、誰も走り込まずに単なるクリアと化し、カウンターの芽は無くなり。

それでもターゲット目掛けてのロングボールに頼るしかない神戸。
山口ロングパス→槙野エリア内へ落とし→大迫脚から跳び込んでシュート(枠外)と好機は生まれる事は生まれたものの、最後まで得点は生まれず。
ウノゼロでの勝利を過去2試合続けている柏、その自信と集中力は伊達ではありませんでした。
結局0-1のまま動かず、試合終了の笛が鳴り響き。
最後まで折れない守備とともに、決して折れないチームの軸を相手に見せ付けた格好となりました。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第22節 ガンバ大阪vsセレッソ大阪

2022-07-18 16:03:04 | サッカー視聴記(2022年J1)

<G大阪スタメン> 3-4-2-1
GK 東口
RCB 福岡 CCB 三浦 LCB クォンギョンウォン
RWB 小野瀬 DH 齋藤 DH ダワン LWB 黒川
IH 中村 IH 石毛
FW 鈴木武蔵
<C大阪スタメン> 4-4-2
GK キムジンヒョン
RSB 松田 CB マテイ・ヨニッチ CB 西尾 LSB 舩木
RSH 毎熊 DH 鈴木徳真 DH 奥埜 LSH 為田
FW 山田 FW 加藤

大阪ダービーという事で、ガンバのホーム(パナソニックスタジアム吹田)で開催されたこの試合は残留争いの真っ只中という事も忘れているかのように勝利を目指すべく周囲も熱狂。
同じ地元のライバルチームという観点では、先日J3の静岡ダービーの間柄である、沼津藤枝の間で禁断の移籍が実行されるに至り。(渡邉りょうが沼津→藤枝へ移籍)
夏の移籍期間という事もあり、こうしたグラウンド外の事象も勝負を迎えるに辺り気になる所です。

その移籍という要因では、ガンバは先日獲得を発表した鈴木武を登録即スタメン起用してきたこの日。
Jリーグへ出戻りの運びとなったストライカーの力を早速チームに組み込まんとするだけでなく、こちらはガンバ自体に出戻りとなった食野もベンチ入りさせ。
戦力隆々といった状態で迎えたダービーマッチ、生え抜き重視のセレッソとは相対するような布陣でぶつかり合いました。

15節・広島戦(順延で18・19節の間に開催、2-0)から、ハッキリとした3バックでのシステムを採っているガンバですが、前節は4-4-2のシステムで挑んでは退場者を出したのもあり手ひどく敗戦。(川崎戦・0-4)
迷いは未だ拭えないといった感じですが、再び3バックに戻して挑んだ片野坂知宏監督。
いきなりの前半1分に、ダワンの反則気味のボール奪取から、小野瀬が右サイドを前進からカットイン。
パスを受けた中村は撃てずクリアされるも、拾った福岡が右ハーフレーンからミドルシュート(枠外)と、積極的なディフェンスから先制攻撃を果たし。
これで流れを掴むと、期待の鈴木武にも好機が訪れ、5分にはスローインから右サイドで持った鈴木武がマイナスのカットインを経てシュート。(GKキムジンヒョンキャッチ)
8分には小野瀬の裏へのミドルパスに走り込み、受けてエリア内右を突きシュート(枠外)と、勝利を齎さんと果敢にゴールを狙います。

攻撃権を握ったガンバは、3バックを殆ど可変せずのビルドアップながら、ボランチの齊藤が右に動く事により全体的に右肩上がり気味に。
鈴木武へのロングボールや小野瀬の推進力も絡めつつ、ワンサイド気味で攻撃を完結するシーンが目立つ中、セレッソの守備をどう崩していくかという展開を予想させます。
しかし先制点は早期に入り、それもセットプレーからでした。
16分に右コーナーキックを獲得すると、キッカー石毛の中央へのクロスを、クォンギョンウォンが合わせヘディングシュート。
ボールはゴールバーを叩き、本人は決まったと思い込んだか両手を挙げたもののぬか喜びとなります。
しかし再度右CKとなると、キッカー石毛は今度はファーサイドへクロスを上げると、再びクォンギョンウォンが合わせ。
そして今度はしっかり叩きつけてゴール右へと突き刺し、やり直しを見事に決めて先制点を齎したクォンギョンウォン。

その後も飲水タイム(23分)と前後して、セレッソゴールへと迫るガンバ。
これまでの低調な試合とは一線を成す好調ぶりは、3バック効果か、あるいはダービーマッチ故のハイテンションぶりが光っての事か。

劣勢のセレッソは、巧くいかないビルドアップを受け、ボランチを一人降ろしての3枚で最終ラインを形成するようになるとリズムを取り戻し。
27分にはそのボランチである鈴木徳が中盤で展開したのち、左サイドでの前進から舩木のマイナスのクロスに自ら合わせシュート。(枠外)
ガンバはその直後の28分の守備で、ダワンがあろう事か味方のクォンギョンウォンと激突して倒れ込む事態(1分半程で起き上がり、ピッチ外へ出る→復帰)になると、以降攻撃機会は激減します。
リードを齎したのがクォンギョンウォンなら、リズムを失わせる原因となったのも……という表現をしたくなる展開を描き。

32分は左CKからキッカーを務めた鈴木徳が、クロスが跳ね返されたのち戻って来たボールを、カットインからミドルシュートを放つもゴール左上へと外れ。
こうしてJ2から這い上がった選手が上で躍動する姿に清涼感を覚える物ですが、セレッソ自体もそうだったのか、前半の終盤には一方的な展開へと持ち込みます。
42分には左サイドから前進するも跳ね返され、逆の右サイドへ展開して松田がクロス、中央で加藤が合わせヘディングシュートを放つもGK東口がセーブ。
続く43分にも、左サイドでのパスカットから逆へと展開して松田がアーリークロス、走り込んだ加藤が再びヘディングシュートを放ちましたがこれもGK東口がキャッチ。
アディショナルタイムに突入後も押し込み続けるセレッソ、舩木のミドルシュートが襲う(ブロックに当たりゴール右へ外れ)場面もありましたが、ゴールを破る事は出来ず。
最後はエリア手前でミドルパスを収めにいった山田がハンドを取られた事で、攻勢終了とともに前半も終わる事となりました。

無事にリードを保つ事が出来たガンバですが、終盤にはすっかりペースを失っていた事もあり後半どうなるかは全くの不透明。
交代無く開始を迎え、意識を変えるべくか前半とは逆に黒川が左サイドを前進する機会が増え。

一方のセレッソは、前半と同様に松田のクロスに持っていく攻撃を展開するも、ガンバサイドも対応を見せ。
そんな中での後半7分のセレッソ、GKキムジンヒョンが縦パスを左ハーフレーンの為田に通すと、一転して中央突破による攻撃を敢行。
ドリブルで一気にエリア手前まで迫った為田、加藤のポストプレイを交えたのちエリア内へスルーパスを送ると、フリーで受けた山田がシュートをゴールネットに突き刺し。
変節が綺麗に結果に繋がり、同点に追い付きます。

一方後手に回ってしまったガンバの守備、その後もセレッソの多彩な攻めの前に苦戦気味。
左からの攻めを警戒すれば、右の松田へとロングパスを通されてクロス……というシーンも目立つようになり。
何とかマイボールにしても、ビルドアップで脱出する事は叶わずカットされるという具合に、押し込まれる土台が攻守両面で出来上がってしまいます。
そんな状況故にベンチも早め、そして矢継ぎ早に動き、9分に中村→食野。
そして15分に鈴木武・石毛→坂本・倉田へ2枚替えと、前線3人を入れ替えて巻き直し。

そして耐え忍んだガンバに攻撃チャンスが訪れたのが19分で、右サイドを坂本が小野瀬とのワンツーを挟んだのち前進、そしてエリア内右へのスルーパスに走り込んだ食野がシュート。
しかしオフサイドを採られる(シュートはゴール左へと外れる)と、苦労して結び付けたフィニッシュも実りません。
直後にセレッソサイドも動いて一挙に3枚替え、山田・加藤・為田からブルーノ・メンデスと上門、そしてジェアン・パトリッキへ交代します。

前線の顔ぶれが代わっても、また飲水タイムが挟まれ(22分)てもペースを保つセレッソ。
22分に左スローインからの攻撃で、ボールを持った舩木が奥埜・上門のポストプレイを交えてのカットインで、中央やや左からシュートを放つもゴール右へと外れ。
26分からセットプレー攻勢に入り、CKを2本続けたのち右からのスローインに。
ひたすら耐えるのみという状況のガンバは、その際にクォンギョンウォンがセレッソ・メンデスとのポジションの取り合いで、激しく腕を使った事でヒートアップに発生する事態となってしまいます。
そして主審の水入りが入ったのちも尚も競り合う2人、後ろからメンデスを抱え込む形となったクォンギョンウォンが警告を受けてしまう事で決着を迎え。

何とか流れを変えたいガンバ。
その願いが通じたのかないしはセレッソの燃料切れか(32分に毎熊→北野へと交代)、33分に久々の好機。
空中戦を制してボールを受けた坂本が中央を前進ののち左へパス、受けた食野がエリア内を突き、切り返しからシュートするもゴール上へと外れ。
逃してしまいましたが、続く34分にはカウンター気味に前進し、左サイド奥を突いた黒川からマイナスのクロス。
ニアサイドで倉田が合わせシュート(GKキムジンヒョンキャッチ)と、とうとう流れが来たかのように攻め立てます。
しかしその直後にクォンギョンウォンが足を痛めてしまい続行不能となり、無念の交代に。(高尾と交代・同時に黒川→藤春へと交代、38分)
先制点は挙げたものの、その後は流れを切ってしまうようなシーンが目立つ事となったこの日。

クォンギョンウォン離脱→交代までの数的不利の間でもボールを握って攻撃を展開するなど、ペースを逆転させたガンバ。
今までの劣勢ぶりが嘘のように、ホームの後押しも受けて勝ち越しを狙わんとします。
敵陣でのポゼッションを高めて押し込むも、シュートチャンスが訪れた倉田がミート出来ず(43分)に終わるなど、モノに出来ず時間が進んでいき。

しかしその反動ぶりが、そこに迫る危機を忘れさせてしまったでしょうか。
小野瀬へのスルーパスが右奥でカットされるとセレッソのカウンターが始まり、左サイドで持ったパトリッキ、メンデスのポストプレイを挟んでドリブルに持ち込み。
前から止めようとして失敗し、必死に下がるガンバディフェンスを嘲笑うかのようにミドルシュートを放つパトリッキ。
右ゴールポスト内側を叩いてゴールに吸い込まれ、押し迫る時間帯でのスーパーゴールで勝ち越したセレッソ。

セレッソ・舩木にカットに入られた段階でネガトラへの判断が遅く、パトリッキ相手に齋藤1人でプレスしなければいけなかったのが分岐点となったこの場面でのガンバの守備。
反省が残る失点の仕方にショックは大きかったようで、その後のATではまるで攻撃に持ち込めず。(得点直後にセレッソは松田→進藤へと交代)
逆に更なるセレッソの好機に晒されるなど、失意がハッキリとピッチ内に表れ。
止めを刺さんとするセレッソ、押し込んだ状態で一旦攻撃が途切れるも奥埜が敵陣でカット、すかさずエリア内へミドルパスを送った所に北野が走り込み。
そして右足アウトサイドで合わせたもののGK東口がキャッチ。
さらに攻撃は止まず今度はGKキムジンヒョンのロングフィードから、右サイドで前進してメンデスが奥からグラウンダーでクロス。
ニアサイドで受けた北野がシュートを放ち、GK東口が足で何とかセーブという具合に、同点どころの話ではない状態に追い込まれました。

三浦を前線に上げてのパワープレイも実る事無く、そのまま試合終了の笛が鳴り。
ホームの場でライバルに膝を屈する事となってしまったガンバ。
代表ウィークを挟んでの今後は、残留争いという現実をどう勝ち抜くかが唯一の見所でしょうか。

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