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DAZN観戦 2019年J2リーグ第41節 愛媛FCvsFC琉球

2019-11-20 17:10:57 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の愛媛の記事はこちら(35節・京都戦)
※前回の琉球の記事はこちら(37節・栃木戦)

今季もホーム最終戦を迎えた愛媛。
既にJ2残留も確定し、来季への始動を考える時期になってきました。

そこに飛び込んできたのが、同じ愛媛県・今治市をホームにするJFLのFC今治が、来季のJ3参入を確定させたというニュース。
元日本代表監督・岡田武史氏が代表役を務める事で有名なクラブで、着実にJリーグへの階段を上りつつありましたが、今季それが果たされる事となりました。
今季は開幕前の補強で駒野友一・橋本英郎といった元代表の大ベテランを獲得し、監督には広島で経験のある小野剛氏(2003~2006年途中)を招くなど、「Jへの橋渡し」かのような人材を揃えたのが実った格好に。
当然同じ県である愛媛にとってのライバルになる事は想像に難くなく、尻に火が付いたような状況をクラブの活力に変えられるかどうか、来季以降は嫌でも注目される事となるでしょう。

とは言うものの、この試合に向けての愛媛の現状はかなり苦しく。
故障者続出なうえ、ユース代表参加で長沼が再び戦列を離れるという具合にベストメンバーを揃える事はままならず。
最近では禹相皓(ウサンホ)が重用されている他、広島からレンタルで在籍中の川村をボランチに抜擢。
故障で4試合離脱(うち1試合は出場停止ですが)していた前野が復帰し、陣容を整えるのに必死な内情が窺えます。
なお長沼の居ない右WBには、本来FWの丹羽が穴埋め。

一方の琉球も、故障続出で右サイドバックが穴になっている現状。
FWの上原が埋めていたものの、この日はFWの上門が出場停止となり、その代わりを上原が務める事で再び代役を抜擢する事に。
選ばれたのは金成純(キムソンスン)で、北朝鮮ユースの経験も持つ選手。(これが今季2試合目のスタメン)
また、夏の補強の目玉となっていた小野は故障で長期離脱と、既にその姿は無く。

双方ボール保持を下地にした攻撃的なクラブで、中下位同士の対決ながらもスリリングな展開を描いていきます。
前半3分、愛媛はスローインを受けた禹がスルーパス、受けた下川のグラウンダーのクロスを中で近藤が合わせますがゴール上に大きく外れます。
一方の琉球は5分、左サイドでセンターバック・福井がロングパス、これを受けた徳元からのパスを河合が受けてそのままエリア内へカットイン。
しかし後ろから愛媛・田中裕人に倒されてボールを失い、反則も無し。

早々に疑惑の場面を作ってしまった琉球ですが、失点シーンも疑惑ものでした。
13分の愛媛の攻撃、ロングボールが跳ね返されたのを田中裕が落とし、拾った西田がドリブルの後左へ展開。
受けた下川はグラウンダーでGKとフィールダーの間に絶妙なクロスを上げ、そこに飛び出したGK石井と禹が飛び込み激突。
キーパーチャージだと思ったその刹那、こぼれたボールを川村がゴールに蹴り込むと、反則の笛は鳴らず先制点を奪った愛媛。
当然の如く琉球サイドにとっては納得いかず、その後樋口靖洋監督が第4審判に抗議するシーンが目立っていました。

先制されたものの、アグレッシブに試合を動かさんとする琉球。
愛媛のビルドアップに対しても、前線からの激しいプレスで対応します。
洗練された速いパス回しを見せる愛媛ディフェンス陣ですが、そこまでしても中々抜けずに苦労する場面も散見されました。

そんな中で今一つ乗れていない印象だったのが、この日復帰戦となった前野。
左センターバックながら、要所での攻撃参加やプレースキッカー役で攻撃のアクセントとなるはずですが、この日はパスミスや無理なドリブルで逆起点となってしまう事が多々。
キッカーの役も若い川村が務めていた辺り、本調子には程遠かったのかもしれません。

前半も中盤辺りから、愛媛が際どい攻撃を頻発させます。
26分、右サイドからの攻めで田中裕のクロスがクリアされると、拾った川村がミドルシュートを狙うもGK石井がセーブ。
直後のコーナーキックでは、キッカー川村はファーへのクロスを選択し、山崎が折り返したボールを丹羽が反転シュート。
ループ気味に上がったボールは惜しくもバーを直撃し、跳ね返りを西岡が触るもゴール右に外れてしまいました。
29分には近藤の左へのスルーパスを受けた禹がクロス、これが西田の頭に合ったかに見えましたが、ミート出来ずボールは右に外れ追加点はならず。

その後琉球が押し戻し、ペースを握ります。
小野が不在でも、上里や風間兄弟など中盤にタレントは揃っている琉球。
36分には、左サイドからの河合のパスを受けた風間宏希、ミドルシュートを狙いますがゴール上に外れます。
38分には直接フリーキックを富所が直接狙いますが壁を直撃(その後自身で拾ってもう一度シュートも枠外)、40分には左サイドで組み立ててから、今度は風間宏矢がエリア手前左でシュートを放つもブロックされます。
45分、風間宏矢がミドルシュートを狙うも枠を外し、攻勢をかけたものの同点にはできず前半終了。

後半も一進一退の攻防が続く中、愛媛ベンチは一人の選手を交代に送り出します。
それはFW登録の河原で、既にシーズン後の愛媛退団が発表されている選手。
新潟でJ1経験も持ちながら、2013年から愛媛一筋でここまでキャリアを積み重ねており、一昨年(2017)は11得点も挙げています。(愛媛通算では44得点)
今季これが6試合目の出場であり典型的な構想外という図式ですが、活躍の記憶はまだ新しいため、少々早いのでは……という思いもあるでしょう。
そんな感情が渦巻いたのか、スタンドからは交代が告げられる前から、河原のチャントが流れるという情緒溢れる雰囲気になりました。

そして後半18分、川村と交代でピッチに入った河原。(ボランチに禹がシフトしシャドーへ入る)
しかし勝負の最中にそんな雰囲気を作ったのが仇となってしまったか。
21分の琉球は左サイドから徳元がクロスを上げると、これがワンバウンドする対処の難しいボールとなり、上原がヘディングシュート。
走り込みながらの難しいヘディングシュート、これまた緩いながら対処が難しいボールで、際どくサイドネットに突き刺さる同点弾。

このゴールが生まれる直前、両サイドとも選手交代の準備が行われていたため、「ひょっとしたら取り消しもあるか……」とも思いましたが両者そのまま投入されます。
琉球は富所→小泉に交代。
そして愛媛は西田→玉林に交代、FWには丹羽が回り玉林は右ウイングバックへ。
愛媛は本来ならば山瀬を使いたくなる展開だと思いましたが、情緒の雰囲気にベンチも飲まれていたのか、出番が殆ど無いベテランの玉林をそのまま起用(これが今季2試合目)。

琉球の攻撃は、右SBに不安があるためか左サイド偏重。
それでも試合は進んでいき、勝利のためには要所で右を使う攻撃も見せなければ厳しい。
30分という終盤が見えてくる時間帯で、上里は右へ展開し、受けた金は若干ドリブルで進んでから中央へパス。
これが小泉→風間宏矢と回り、右からクロスが上がったものの合わず。
40分にはカウンターで、ここでも上里は右を選択し、受けた小泉がドリブルで持ち込みます。
ここから上里がエリアすぐ手前でキープ、こぼされるものの金が繋いで上里→河合と渡り、エリア内から河合がシュート。(DFがブロック)

しかし右からのチャンスはこれぐらいで打ち止めに。
抜擢された金は、連携面で不安を抱えながらだったのか積極的なプレーは見られず、周囲も彼を生かすシーンは稀に終わったという印象でした。
そして決勝点も、彼と無関係な所から。
44分、左サイドからのスローインが中央の小泉まで届き、彼のパスを左から走り込んできた河合がシュート。
グラウンダーで見事にゴール左へ突き刺し、ついに逆転した琉球。

結局そのまま1-2で試合終了、愛媛はホーム最終戦を勝利で飾る事は出来ずに終わりました。
長沼不在の影響もあり、選手交代が行われる度にポジションも激しく入れ替わる事となったこの日の愛媛。(3枚目の交代は西岡→有田で、玉林右CB・丹羽右WBにシフトし有田はFWに)
藤本や神谷も不在だったため(神谷はベンチ入り)、中心軸に太さが足りなかったという印象で、河原投入後は一挙にグラグラとなってしまった風に映りました。

今治が同じ舞台に来るまでは未だ遠そうですが、果たしてそれまでに上位を目指せるチームが出来上がるのか。
未だ若い川井健太監督の続投も発表され、将来性重視のチーム運営である事は明白ですが、時間はどれだけ待ってくれるのか。
四国のJリーグ事情は来年以降目が離せなくなりそうです。

コメント
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