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DAZN観戦 2019年J2リーグ第42節 モンテディオ山形vsFC町田ゼルビア

2019-11-26 17:30:31 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の山形の記事はこちら(39節・水戸戦)
※前回の町田の記事はこちら(40節・山口戦)

追われる身の大変さ。

試合前の段階で4位に居る山形、3クラブに抜かされない限りはプレーオフ進出が決定します。
その可能性があるのが徳島・甲府・京都・水戸の4クラブで、願わくば勝ち点で並ぶ徳島と4位を争い、勝利して第1ステージをホームでの戦いに持ち込みたい。
そんな思惑も抱えつつ挑んだ事でしょう。

一方の町田、残留まであと勝ち点1に迫りながら、前節・柏戦で敗戦(0-3)。
この試合も敗れてしまうと、21位・栃木が勝利した場合に得失点差で上を行かれてしまうという具合に、降格圏に沈む可能性を残しての最終戦。
栃木や20位・鹿児島(町田と勝ち点は同じ40)の経過も気にしながらの戦いが予想されます。

その町田、今季の得点源であったロメロ・フランク(8得点)が、故障から復帰してベンチ入りを果たします。
彼が投入されるまでのスタメンは、前節と同じメンバーで挑んだ相馬直樹監督。
士気の上昇には一定の効果があったようで、序盤は山形を押し込み攻勢を掛けます。
いきなり前半1分、小林のロングパスを相手に囲まれながら中島が収めて繋ぎ、森村がエリア内からシュート。
GK櫛引にキャッチされるも、上々のオープニングを見せ付けます。

前回対戦時(3節・山形が3-0で勝利)は、町田の十八番であるワンサイドアタックが、「通用しなくなった」とも思えるぐらいの内容でした。
しかしこの日は存分に得意手で攻め上がり、山形はその勢いに押され気味。
とにかく町田は安全圏に行くために勝ち点を、それにはまず先制を。
判り易い思想が表れた形ですが、山形はただでさえ徳島・甲府などに追われる状況なうえ、町田のその思いを受けてしまってペースを乱された。
そんな格好に映った試合内容でした。

11分、山形はフリーキックからの攻撃で左サイドで山田が受けてクロス。
これをファーサイドで山岸がヘディングシュート。(枠外)
15分、本田が右に展開して柳→坂元と渡り、坂元はカットインでエリア手前まで入りミドルシュート。(GK増田がセーブ)
この2本のシュートでようやく山形がペースを握り出したか、と思ったものの、前半全体を見れば息継ぎにしか映りませんでした。

その後も町田の攻撃は冴え渡り、いつものように増大するスローインの数も、その後エリア内にボールを送るチャンスに結び付く事多々。
26分、李漢宰(リハンジェ)のグラウンダーのロングパスを左サイドで受けた中島、溜めを作ってからエリア内へスルーパス。
土居が受けてエリア内左の角度の無い所からシュートするも、左に外れてしまいます。
直後の27分は左サイドのスローインから、中島ポストプレイ→平戸クロスがブロックされた後、今度は中島が低いクロスを上げます。
これを森村がフリックし、中央で土居が走り込んでいましたが寸前で防がれ撃てず。

山形サイドはGK櫛引のフィードが伸びずにカットされたり(35分)、センターバック栗山がクリアミスしたり(45分)でピンチを招くなど、町田ペースの波に呑まれているようなシーンも散見。
それでも終盤、最大のチャンスがセットプレーから訪れます(44分)。
左サイド奥からのフリーキックで、キッカー中村が上げたボールに、GK増田が中途半端に弾いた所を栗山が頭でトラップ。
そしてゴールに近い位置でシュートしますが、増田が辛うじて足でセーブ。
ペースを握った町田と、乱されながらも決定機を作った山形、前半は互いにそれらを生かせず仕舞いで終了します。

そして後半開始、早々に試合が動きます。
左サイドからのコーナーキックを得た山形(後半2分)、ボールサイドに2人立ち坂元のフェイクからの中村のクロスがニアサイドを超え、中央に落ちる所を大槻が右足で合わせてシュート。
町田・森村に当たりGK増田も弾いたものの防ぎきれず、先制点を奪った山形。

その後は前半とは打って変わって山形がペースを取り戻してしまい、チャンスに持っていけない町田。
すると後半6分に早くも町田ベンチは動き、李→ドリアン・バブンスキーに交代。
バブンスキーが中島と2トップを形成し、李が抜けたボランチには右サイドハーフの森村が、それにより空く右SHには土居がそれぞれシフト。

それでも流れを引き戻せずにいた町田ですが、一本のカウンターを機にペースが変わります。
10分、山形のコーナーキック(キッカー中村)のクロスをGK増田がキャッチすると、彼のスローからカウンター攻撃。
奥山のロングパスを、最前線のバブンスキーがトラップしますが収まらず。
シュートには繋げませんでしたが、ここから町田が反撃開始。

12分、右サイドでの攻撃から、平戸が中央エリア手前で受けて横パス。
すかさずバブンスキーがシュートを放ち、ボールは山形・加賀が顔面ブロック。
ゴールは防いだ山形ですが、加賀がしばらく倒れ込む事態に。(しばらくして復帰)
その後は両チーム激しいデュエルで攻守が交代する最中、17分には山形・中村のスライディングが反則となると、反則を受けた町田・奥山が激しく応戦。
すると両サイド選手が入り乱れ一触即発となります。(中村と、彼に掴みかかった町田・井上に警告の両成敗)

そんな雰囲気から生まれた(?)、後半20分の町田のフリーキック。(中島のポストプレイに対する栗山の反則)
右サイドからのキックで平戸がクロスを上げると、土居が走り込んで中央でヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
その後町田は、センターバック2人が後方からショートパスを繋ぐというらしくないシーンが散見されるなど、点を奪うには何でもする姿勢が垣間見えます。
「あの町田が緻密なビルドアップをするなんて……」と思わず唸りましたが、結局サイドバックがすぐに前へ送っていました。

他会場では、後半26分に栃木先制という情報が錯誤。(現場に流れたかどうかは不明)
嫌でも点を獲らなければならない降格の危機に瀕した町田、31分ついに切り札・ロメロが投入されます。(森村と交代)
その直前に再び中島のポストプレイが潰されての反則があり、ロメロ投入直後のフリーキック。
キッカー平戸のクロスを今度はCB小林がヘディングにいくと、ボールは山形・加賀に当たりループ気味にゴールへ向かいます。
しかしGK櫛引が辛うじて弾き、惜しくも同点ならず。

一方の山形にも、徳島が3-0とリードという情報が襲い掛かります。(現場に流れ……以下同文)
これにより得失点差で徳島に上回られ、2点目を狙うかどうかの選択を迫られる事に。
交代カードは使わず、無理に得点を狙ってバランスを崩す事を避け、時間を経過させます。

しかし町田・ロメロを止める事が出来なかったのが運命の分かれ道に。
33分、囲まれながらもボールキープを果たすロメロ、土居とのワンツーでエリア内進入を図るも惜しくも繋がらず。
その直後、右奥からのスローインを受けたロメロ、エリア内でキープしコーナーキックを獲ります。
そしてそのコーナーキック、平戸のクロスを中央でで下坂がヘディングシュート。
ゴール右隅を綺麗に捉え、危機からの脱出となる同点弾が生まれました。

その後もロメロの対処に難儀する山形。
36分には右サイドからの攻撃でロメロ→中島→ロメロ→奥山と繋がり、奥山がクロス。
土居がトラップしますがこぼされ、そこにロメロが走り込んでシュート。(DFがブロック)
そしてセットプレー(コーナーキック)からは、小林に2本シュートを許すなど守備網に穴を開けられつつある事を実感するシーンが。

そしてとうとう44分、勝ち越しゴールが。
バブンスキーが拾って中島と大きくワンツーで前進、エリア内左に進入し中へマイナスのパスを送ると、そこにはロメロが。
ロメロは最後を仕上げ、キッチリ合わせてゴールに突き刺しました。
10分前とは逆に、山形サイドを慌てさせる逆転弾。

ここまでで徳島・甲府が複数点リード、京都は敗色濃厚、水戸は1点リードという状況。
このまま負けてしまうと水戸と得失点差勝負となりますが、水戸があと1点取ると並ばれ、総得点の差で逆転を許してしまい7位に落ちる事に。
まさに危機はすぐそこまで迫った状態の山形ですが、救いは既に試合終了間際という時間だった事。

アディショナルタイムの最中、水戸が1-0で試合終了という報がベンチに届き、それにより木山隆之監督が「このまま終わらせろ」という指示をピッチに送ります。
そしてGK櫛引がボールを持ち、そのまま終了の笛までボールを動かさず。
win・winの関係が成り立ったため、町田サイドもそのボールを奪おうとせずに試合終了。
4位どころかギリギリでのプレーオフ進出となり、山形にとってはまさに苦渋の決断で、ほうほうの体で逃げ切りという一日となりました。

この状況で思い出させたのが、2016年の最終節ですね。
優勝が懸かった札幌(現J1)と、降格の可能性に怯える金沢との一戦。
引き分け以上で札幌は優勝が決まり、試合が進み他会場のスコアが動き、金沢は引き分けで自動降格を回避できる状況に。
そのためスコアレスのまま終盤を迎えると、双方消極的となり、0-0ながら双方winという結果に。(札幌は優勝・金沢は入れ替え戦に回りその後勝利)

「申し合わせ」を彷彿とさせる賛否別れる展開ながら、長いシーズンの結果を反映するシーンという事で、趣深くGK櫛引のボールキープの様子を観ていました。

コメント
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