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TV観戦 天皇杯 第103回全日本サッカー選手権大会ラウンド16 川崎フロンターレvs高知ユナイテッドSC

2023-08-04 18:18:51 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 公式では川崎vs高知の順だが、どう見ても高知ホームの試合(会場=高知県立春野総合運動公園陸上競技場)なのでそれに準じて表記。

2回戦でガンバ、3回戦で横浜FCを撃破し、ここまで歩を進めた高知。

2020年に取り上げた際のメンバーは横竹・西村(リザーブに田口)ぐらいで、新入団が多くなっている選手編成。
特に今季は、Jクラブからの移籍選手(レンタルのみならず)の割合が増え、本格的に「Jリーグを目指すクラブ」としての歩みの最中といった所でしょうか。

そんな高知に立ちはだかるのが、J1の強豪である川崎。
戦術浸透度が低かった(当時)ガンバや、エレベータークラブの横浜FCとは数段上の相手であり、その相手にどれだけ食い下がる事が出来るか。

今大会においてはカウンターの色が非常に強いという評判の高知。
その通りに試合を通して川崎がボールを握る展開となり、それにどう立ち向かうか。

しかし立ち上がりは、その川崎のポゼッションに対し果敢に前からディフェンスを仕掛けにいき。
前半4分に今井那が前に出てボール奪取、こぼれ球をさらに前に出てスライディングで繋いでショートカウンターに持ち込みます。
これを拾った西村、遠目からミドルシュートを狙ったものの、グラウンダーのボールは右へ逸れて枠外に終わり。

一つこうしたフィニッシュを生んだ事で、後はどれだけこれを増やし、かつ精度を上げるかが勝利のカギとなる。
そんな展開を想像したものの、前から奪いにいったのは結局これぐらいとなり。
その後ひたすら川崎のパスワークに晒され、とても前線でプレッシングを掛ける余裕が無くなる事となりました。
5-4-1の守備隊形を採る高知に対し、6分にその前5人の五角形の内側を瀬古が使ってのパスワークで揺さぶる川崎。
バックパスののちにシミッチが一気に裏へロングパスを送り、エリア内に走り込んだ宮代が足から跳び込むも合わずという際どいシーンとなり。
8分にもシミッチのミドルパスが通り、左サイドからポケットを窺いながら長らくパスワーク。
再びシミッチに戻されたのち、彼の縦パスを受けた瀬古が左ハーフレーンからミドルシュートを放ち、GK上田がセーブ。
短いパスで揺さぶられたのちの、シミッチの長いパスが決まるというパターンが確立しつつありました。

これで危うさを感じた高知。
以降ひたすらリトリートを強いられる格好となり、その中でワンチャンスロングカンターを狙うといった試合絵図が出来上がります。
自陣で横のラインを整えた5-4-1で構えるという、もはや五角形を作って前で守備をする状況では無く。

16分に再びのシミッチの縦パスを受けた橘田がミドルシュートを放つ(ゴール上へ外れる)など、川崎のゴールは時間の問題と思われましたが、ここから粘りを見せる高知。
直後の17分、川崎の攻撃を切ってクリアボールを橋本が拾うと、ボールキープで相手のチェックを掻い潜らんとする橋本。
これに対しシミッチが後追いで反則を犯した事で、何とか一糸が繋がった感があり。
その後18分、左サイドから細かいパスワークで前進していき、左ポケットを取った樋口が奥からグラウンダーでクロス。
これに小林心が足で合わせにいったものの僅かに届かず。
このシーンによりフィニッシャーを小林心にしようとしたのか、以降西村と小林心のポジションを入れ替えて暫くの間過ごした高知。
しかし攻撃シーンはそう多くなく、ひたすら続けられる川崎のパスワークによる攻撃。

結局25分辺りで、再び西村と小林心が入れ替わり開始時のポジションに戻ります。
そしてそこから最初に好機を得たのは高知で、自陣左サイドで橋本がボール奪取し、素早く縦に運んでスルーパスを右ハーフレーンで受けた小林心。
ドリブルでエリア内に持ち込まんとしましたが、タッチが大きくなった所をGKチョンソンリョンに抑えられ。
しかしそれでは終わらず、勢い余ってチョンソンリョンをチャージする形となった小林心、反則で警告を受ける事となってしまいました。
頭部を蹴られる格好となったチョンソンリョン、1分ほど倒れ込んだ末に脳震盪チェックも行われ、何とかプレー続行の運びとなり。

以降再び川崎の時間となるも、勝利への道筋を得た事で高知ディフェンスも引き締まり。
自陣でブロックを固める事で、流石の川崎も崩しに難儀する時間が続きます。
中々ポジションチェンジも仕掛けられないなか、左スローインの際には最初から家長が受けにいくなど、定番ながらもやや強引な変え方も見せ。
35分には山根が左サイドに張り出し、登里のミドルパスに走り込んで一気に最奥で受けるというシーンからクロスを上げ、小林悠がヘディングシュートを放ちましたがゴール左へと外れ。

そんな状況故にやや弛みが見られてきた川崎。
38分にはパスミスを小林心に拾われ、ドリブルでカウンターに入られる始末。(登里が反則気味のチャージで止める)
アディショナルタイムにもパスミスを吉田に拾われて高知の攻撃となり、右サイドで吉田が高井を股抜きで剥がして奥へ進入。
入れられたクロスはブロックされるも、こぼれ球を佐々木敦がミドルシュート(枠外)とフィニッシュで終え。

結局スコアレスで前半終了となり。
圧倒的に押されながらも、散発的に仕掛ける攻撃をモノに出来れば……という流れは作った高知。
ハーフタイムで西村→東家へと交代(小林心が再度FWへ回る)、J1クラブ(福岡)から移籍してきた選手の投入でそのプレッシャーを増しに掛かります。

後半も展開はさして変わらず、我慢を重ねる高知がカウンターに活路を見出す流れ。
後半3分に自陣でのカットから繋ぎ、東家が右サイドを前進ののち、佐々木敦のスルーパスで抜け出しグラウンダーでクロス(ファーで橋本折り返すも繋がらず)と早速その一矢を担った東家。

一方前半はゴールを奪えなかった川崎。
性根入れてパスを回し、ひたすらポケットを突きに掛かるものの、シュートチャンスは中々生まれず。

そんな流れのなか、11分敵陣で橘田がボールを奪って川崎のショートカウンター(とはいっても全体高知陣内に密集していましたが)という逸脱した流れに。
山根が左ポケットに進入して中央へ横パス、そして宮代がシュートを放ちましたがGK上田がセーブと辛うじて防ぎ。
危険な奪われ方は避けたい高知。

そして定型の流れへ戻ると、14分に待望のカウンターチャンスが。
今井那のロングパスで裏を取り、左サイドで東家を起点として前進していき、樋口が左ポケットへスルーパス。
そして走り込んだ東家がシュート、GKチョンソンリョンのセーブで右へこぼれた所を小林心が詰め。
GK不在故に決まったか、と思われたこのシュートは、戻った高井がブロックとまさに決死のディフェンスで防がれてしまいます。
先制点まで後一歩と迫った高知、その後コーナーキック→ロングスローとセットプレーで押し込むものの、やはり決定機を逃したツケが付いて回る事に。

一方何とかビハインドは避けた川崎、17分にシミッチ・小林悠→遠野・瀬川へと2枚替え。
橘田がアンカーに、宮代がセンターフォワードへシフトとポジションも入れ替えます。
メンバーを入れ替え目線を変えにいったものの、以降も展開的には変わらず。
攻撃が停滞するなか、高知の一刺しに脅かされるといった時間帯に。

高知ベンチは20分に小林心→田口へと交代。
22分に再び、自陣で高野のパスカットから素早く運ぶ攻撃を仕掛け。
しかし左ポケットは取ったものの、戻しから橋本のミドルシュート(枠外)と、先程のような決定機はそうそう得れるものでは無く。

ここから押し返す川崎、25分に中央からの前進を経て宮代がペナルティアークからシュート。(GK上田キャッチ)
これを皮切りに押し込み、シュートラッシュを掛けんとします。
しかし家長や遠野のシュートがジャストミート出来ずに終わるなど、今度は最後の精度に賭けるという流れに。

そして32分に再度動く川崎ベンチ、登里・宮代→佐々木旭・山田へと2枚替え。
これまで散々登里の上下動を起点としていただけに、そこを代えたのは勇気のいる決断でしたが、結果的に吉となったでしょうか。(単にベテラン登里のスタミナ面の考慮、という可能性もありますが)

良く凌いでいた高知ですが、守備で走り回らされると流石にスタミナ面は厳しくなり。
34分家長の左サイド手前からのクロスは流れてしまうも、CKへの逃げを選択と、その影響を感じさせるシーンを描き。
するとその右CKから、キッカー瀬古はニアにクロス→瀬川フリックを選択し、中央へ流れたボールを山田がボレーシュート。
GK上田がセーブするも、跳ね返りを佐々木旭がヘディングで詰めてゴールネットを揺らします。
ようやく先制点を挙げた川崎、客観的には遅過ぎといった所ですが、とてつもなく重い1点となります。

これで攻めなければならなくなった高知。
直後の36分に左サイド手前から橋本がクロス、田口のフリックがクリアされてCKを獲得するも、フィニッシュには繋げられず。

マイボールを失い、これで高知の命運はほぼ尽きたといった感じに。
以降川崎のポゼッションは守備面に大きく貢献し、これを遮断しなければ攻撃に入れず、またそれを果たす難度も非常に高く。
39分に2枚替えを敢行(橋本・樋口→田尻・新谷)するも、流れを変える一手とはなり得ません。

敵陣深くに進入しても、戻して作り直しという色を一層強める川崎。
その中でも41分に山田がボレーシュート(ブロック)、ATには遠野がミドルシュート(枠外)と、追加点の意識もチラつかせ。

何とか最終盤、ボールを確保した高知は最後尾から繋がんとしますが、川崎ディフェンスの前に好機が生まれる事は無く。
結局1-0のまま試合終了の時を迎えました。


健闘した高知ですが、そんな状況の最中に無視できないニュースが。

資金繰りが苦しい、と3年前の記事で書いたものの、そちらの方に針が振れてしまったかという感想を抱かざるを得なく。
大金を出してくれるならばどんな企業でも……といった精神は、財政破綻する前のJ2・大分に通じるものがあり、厳しい目は避けられない状況となってしまったでしょうか。
(どんな企業なのかは、↑のツイートのリプを見て頂ければ解るかと)

FC神楽しまねの解散など、現在のJFLの情勢は決して楽観的では無く、舵取りを間違えたクラブは不幸な結果に終わるものであり。
果たして高知がそのレールに乗ってしまわないかどうか。

(追記)

8/4に契約解除の報が発表されました。

 

スピード対応が過ぎる気がするものの、一安心といった所でしょうか。

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コメント
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