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TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会準決勝 ヴィッセル神戸vs京都サンガFC

2024-10-29 16:00:19 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 神戸ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

前回の天皇杯の記事 -準々決勝・千葉vs京都(0-3)

カップ戦も終盤と、タイトルを賭ける時期。
特にリーグ戦では不本意なクラブが、それを手にする好機を得たとあれば血眼になって獲得を目指すのは当然であり。

ルヴァン杯では新潟、そして天皇杯では京都がそんなクラブに該当し。
相手の神戸が、ACLとの並行によるターンオーバーを強いられるなか、躊躇わずにベストに近いメンバー(34節・鳥栖戦と同じスタメン)を並べて挑みました。

しかしサイドを制圧し、序盤から主導権を握ったのは神戸。
ウイングにもサイドバックが本業の選手を起用する、ターゲットタイプをWGに置きたがる京都と対をなすような布陣を存分に活かしに掛かり。
特に右サイドでは、飯野の推進をその後方で支える酒井という関係性が巧であり。
速攻に持ち込まずとも、アタッキングサードで形成されるトライアングルでのパスワークで京都ディフェンスを翻弄した末に、何度もクロスに辿り着いてはコーナーキックに持ち込みます。

対抗する手段を持ちたい京都ですが、前線へロングボールを当てるだけの一辺倒を強いられ。
豊川が中央に寄ってエリアスとWターゲットとなるも、そのセカンドボールを拾う環境が整っておらず攻撃機会を得られません。
そして神戸の攻めを防ぐべく、しゃかりきになって寄せる結果反則も膨らむ事に。
主審(西村雄一氏)の中々笛を吹かない傾向に助けられるも、前半7分に鈴木義のチャージを受けた飯野の、痛々しく膝から出血する絵図を見せられてはこの試合と同様の感想を抱かざるを得ず。
高レベルの攻めに対し、負傷も厭わずのプレーで止める事はそれに対し「激しいプレー」と称賛混じりで語る地上波の実況・解説とともに「禁止されていないのだから何でもやっていい」という精神に拍車が掛かりかねません。
憚らずも、準々決勝で相手(J2・千葉)にレベルの違いを見せ付けた京都が、真逆の立場での戦いを強いられ続ける一戦と化しました。

攻守に圧倒する神戸の先制点は、17分にやはり京都の(宮本の佐々木に対する)反則によるフリーキックから。
位置は中盤からで、センターバックの岩波がキッカーになる繋ぐ姿勢というフェイクを仕込み、エリア内へ放り込み。
右ポケットで収めた佐々木から深めで攻撃開始という状況になり、最初のクロスは跳ね返されるも、拾ったのち例によって持ち込まれるトライアングル(酒井・飯野・佐々木の3人)でのパスワーク。
そして佐々木のクロスが上がると、ディフェンスもその繋ぎに目を奪われていたのか、(マーカー宮本が剥がされた末に)宮代が悠々と頭で合わせヘディングシュート。
ゴールネットを揺らし、上位クラブの貫禄を見せるリードを奪いました。

遅れを取った京都、ギアを上げに掛かるものの、それにより一層膨らんでしまう反則のシーン。
20分に初瀬が豊川に反則を受けると、側にいたトゥーレルがヒートアップし詰め寄るという具合に、神戸サイドも冷静さを保つのは難しい展開となり。
その後もCKを得る神戸に対し、マンツーマン重視で守る京都(3人ほどニアでゾーン守備を取る)は神戸選手と激しい揉み合いを繰り返し。
蹴られる前にほぼ一悶着起こすのが茶飯事となっていたこの試合。(38分には、それにより岩波が福岡を倒してしまい警告を受ける)

おまけにこのタイミングで京都は戦術を調整し、川﨑・福岡をドイスボランチとした4-4-2(4-4-1-1?)へと布陣変更。
トゥーリオがエリアスの衛星的に立ち振る舞い、頭に血が昇る状態に陥った(かのような)相手の目線を変えに掛かります。
これによりロングボールが合わずとも、エリアス・トゥーリオ・豊川の誰かに渡る(便宜上右サイドハーフとなった豊川は相変わらず中央寄り)ようになり、不確実ながら好機を作れる状態に。
28分GKクソンユンがエリアスを狙ってのロングフィード、セカンドボールを平戸が繋いで豊川に渡るという具合。
その後左からクロスを入れるも流れ、奪い合いを経て逆サイドからトゥーリオがクロスを入れ直し、左ポケットの豊川に収まる絶好機に。
しかしマイナスのクロスを選択するも、これが裏目となってクリアボールを繋がれ神戸のカウンター。
飯野が溜めを作ったのちアーリークロスを送ると、宮代がワントラップからバイシクルシュート(枠外)と、未だ流れは神戸にあるといった攻防となります。

打開にはもう一つ何かが欲しい京都。
それは地上でのビルドアップで、ドイスボランチとなった影響か、福岡が降りる3枚での最終ラインによる繋ぎを試み始め。
すると直ぐに結果に繋がり32分、右に開いた宮本がそのドイスボランチとのパス交換で漸進して福田→平戸と経由し中央へ繋げたのち、エリアスへ縦パスを打ち込む平戸。
これをポストプレイで繋ぐエリアス、飯野のカットに遭うもこぼれ球が逆にエリア内へのスルーパスのようになり、拾ったトゥーリオがシュート。
ゴールネットに突き刺さり、解決したのはボール保持、と言わんばかりの同点弾となりました。

その後も、戦力差を前掛かりな姿勢と球際でカバーせんとする京都。
しかし追い付かれた神戸も、それを見て酒井が冷静に裏へのミドルパスを供給しCKに繋げる(35分)という具合に、あくまで立場を固めに掛かります。

1-1のまま迎えたアディショナルタイムは、選手が痛む+セットプレーでの揉み合いが絡んで目安6分という長丁場に。
その+3分に神戸はプレスを嵌めて井手口のボール奪取から好機、右からのクロスが跳ね返されるも、鍬先が左へと切り替える浮き球パスを送ったのち初瀬から受け直して自らポケット奥へと切り込み。
そして上がったクロスからまたも宮代がヘディングシュートを放ちましたが、ゴール上へ外れて惜しくも決められません。
そして京都が押し返すも、福田のロングスロー(この助走の際にも、アップする神戸リザーブ選手と一悶着……)が跳ね返されたのち繰り出される神戸のカウンター。
しかも初瀬のラフなロングボールが繋がる、京都が総員前掛かりという情けなく裏を突かれる格好での好機で、拾った佐々木が左ハーフレーンからミドルシュート。(枠外)
フィニッシュで終わらせ、どう転んでも神戸優勢という印象を植え付けた末に前半終了となりました。

同点にはしたものの、このまま続けば(神戸ベンチに大迫や武藤が控えているのもあり)ジリ貧に陥るのは明らかな京都。
早めにリードを奪うべく、後半は入りから果敢に仕掛けます。
後半3分、鈴木義のミドルパスをトゥーリオが(足での)ポストプレイで繋ぎ、そのまま前へ走ってエリアスのスルーパスを受け。
そして右奥へ切り込みカットインからクロス、ブロックに当たり中央へこぼれた所をエリアスがボレーシュート(ブロック)と、リーグ戦さながらに助っ人2人でやりきる攻め。
やはり頼りになるのはこの2人、という思考を押し出すとともに、再び彼らを狙ったロングボール重視へと偏りを見せる京都の攻撃。

5分に神戸の右サイドでのキープに対し、豊川が鍬先から反則気味に奪ってトゥーリオに託すと、すかさず裏へ送られたロングパスにエリアスが抜け出し。
これを神戸は同じ助っ人のトゥーレルがカバーして防ぐも、徹底したエリアス・トゥーリオを活かす姿勢で、あわよくばを狙う展開に持ち込みつつあった京都。

しかし、その反則を厭わずという姿勢が直後に仇となり。
防いだトゥーレルのロングパスを酒井が収めて攻撃スタートとなる神戸、その後中央→左へとサイドを移した末に初瀬が奥へ切り込んでクロス。
ブロックに当たるもニアサイドにこぼれ、拾った佐々木に対しディフェンスに入った福岡が倒してしまい。
完全に足に入った福岡のアタックでしたが、反則の笛はならず。
そんな主審・西村氏の姿勢に対し待ったを掛けたのがVARで、チェックの結果OFRへと持ち込まれる緊迫の瞬間に。
そしてさしもの西村氏も判定を変えざるを得ず、といった反則・PKへの移り変わりとなりました。

このPKを蹴るのは、反則を受けた佐々木。
気負いを見せずに中央やや左寄りに蹴り込まれたシュートですが、GKクソンユンは右へ跳びつつも足を残してこれをセーブ。
しかしその跳ね返りは無情にも佐々木の下へ流れ、結果1タッチで放たれた再度のシュートがゴールネットを揺らします。
一瞬ヒヤリとしたものの無事に決め、再びリードを奪った神戸。

京都は巻き返すべく、キックオフの前に豊川→原へと交代。
しかしその原も、投入直後に酒井に反則を犯す(11分)という、京都全体のラフプレーへの傾倒に乗るかのような絵図を早速作る始末。
倒れ込んだ酒井は1分程で起き上がりピッチ外→復帰と無事だったものの、やはり納得し難いそのチーム方針。

神戸は盤石を期すべく、14分に大迫・武藤の投入に踏みきります。(広瀬・飯野と交代し、佐々木が左WGに回る)
それに対抗せんと京都も17分に3枚替え、佐藤・福岡・平戸→アピアタウィア久・金子・米本を投入。(宮本が左SBに回る)

双方采配が交錯するも、やはり見所は投入された神戸の2人の出来。
18分に岩波ミドルパス→武藤落とし→大迫右へスルーパス→酒井クロスと好機に持ち込むと、ブロックを掠めてニアに入ったボールを収めた大迫がボレーシュートの体勢と、少ない手数で魅せに掛かり。
これはミートせずも、クリアボールを繋ぎ再度右から攻め込み、今度は武藤が強引な突破からのカットインという力強い推進。
ポケットに切り込んでのクロスはシュートに繋がらずも、早速その実力で脅威を植え付けます。

京都はその恐怖と戦いながら、攻撃により振り払わんとするもののゴールには辿り着けず。
すると23分、宮代の反則気味のボール奪取から素早く攻める神戸、大迫がボールキープで中継役となって右ポケットへ送られたパスを酒井が受け。
そしてカットインから中央で放たれたシュート、GKクソンユンがセーブして防ぐものの、CK攻勢へと突入。
3本続いたその2本目での二次攻撃、右ワイドから佐々木の切り込み、トゥーレルのポストプレイも交えエリア内中央へ切り込んでシュート。
鈴木義がブロックと何とか防いだ京都ですが、防戦一方の色が強まればそれだけゴールから遠ざかり。

尚も敵陣でサッカーを展開する神戸は、その最中の27分に佐々木→パトリッキへと交代。
再開は酒井のロングスロー(CBは上がらない)からで、こぼれ球を繋いでCKに持ち込みと、セットプレー攻勢は途切れず。
右CKからキッカー初瀬クロス→中央のパトリッキを越える→奥で大迫が拾いシュート(アピアタウィアがブロック)と、途絶える事の無いフィニッシュ。
投入されたパトリッキも当然それに便乗し31分、左奥からのカットインで福田を剥がしてシュート(GKクソンユンセーブ)と、痛烈に個の力を発揮します。

そして32分、汲々としながらの守備を強いられる京都に止めを刺すかのように、左から初瀬のミドルパスを受けた武藤がカットインの姿勢からアーリークロス。
裏へ綺麗に抜け出す格好で合わせたのは宮代で、ヘディングシュートをゴールに突き刺します。
大攻勢を締める追加点という絵図に、ひとしきり歓喜に渦巻く神戸サイドでしたが、ここはVARチェックが逆に立ちはだかり。
オフサイド判定に引っ掛かってノーゴールとなり、ぬか喜びと化してしまいました。

何とか救われた京都ですが、依然として攻撃シーンは散発。
35分に川崎→平賀へと交代し、直後にその平賀が空中戦からのこぼれ球で浮き球を上げ、中央チャンスエリアで受けたトゥーリオがシュート。(ブロック)
偶発的な好機から、何とか得点を狙いにいくという依然として苦しい状況。
42分に得た左CKがこの日初という点も、攻勢に入りたいがままならず……な展開を証明するに至り。(ここでは、エリアスがニアでヘディングシュートも枠外)

神戸最後の交代は45分で、岩波・鍬先→菊池・扇原へと2枚替え。
守備強度を保たんとする交代ながら、直後にまたも左から初瀬クロス→宮代合わせるもミートせず→大迫と京都ゴール前での展開となり、撃ち切れずこぼれた所を尚も繋ぎ。
武藤のバックパスから扇原のミドルシュートが放たれゴールバーを直撃と、投入直後にあわや追加点というシーンを演出する結果に。

しかし京都も、AT突入後は圧力を掛け。
パワープレイ気味に前線へ運び、何とかCKを獲得すると、GKクソンユンも前線に上がり最後のチャンスに賭けるという体制に。
この右CKから、キッカー・トゥーリオはニアにクロスを入れ、平賀のフリックで中央へ流れたボールを鈴木義が足でシュート。
しかしライン寸前で武藤がブロックし、こぼれ球を拾ったエリアスも追撃しますが、またも同位置で武藤がブロック。
訪れた決定機もモノに出来ずに終わると、再度の右CKからの攻めは神戸のカウンターに繋がり。
井手口のクリアを拾った宮代、GKクソンユンが不在のゴールへ自陣からロングシュート。
ゴールマウスを捉えるも、ハーフラインから戻って拾う格好となっていたため、オフサイドで残念ながら無効となり。

あわやという危機はあったものの、最後までリードを保った神戸。
2-1で試合終了の時を迎え、無事に決勝進出の運びとなりました。
相手は延長戦の末に勝ち上がったガンバで、関西勢同士の対決。
一瞬わざわざ国立まで出向く意味は……と思わされるそのカードですが、勝負の行方は如何に。

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