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DAZN観戦 2024年J1リーグ第34節 京都サンガFCvsサガン鳥栖

2024-10-23 16:15:42 | サッカー視聴記(2024年J1)

<両軍スタメン>

  • 鳥栖は今節が降格リーチで、敗戦and湘南・柏がともに引き分け以上の場合で確定。

奈落の底へ一直線という感じである最下位の鳥栖、最後の勝利は22節・新潟戦(4-3)で、実に3ヶ月以上も遡り。
そしてとうとう降格決定の可能性が生まれたのが今節。
仮に決まらなくても、未勝利が続いているチームがここから全勝する確率を考えれば、ほぼ当確という状態に。
相手も残留争いの渦中である京都ですが、勝ち点差が12もあるため既に同じ土俵には居ないと言って良いでしょう。

試合が始まると、そのホームの京都が、そんな土俵際の相手に止めを刺さんと積極的な姿勢。
右サイドでの縦に素早い攻めで、奥を取ってのクロス攻勢を見せ付け、相手を専守に追い込む立ち回り。

鳥栖はマイボールとなっても、京都のハイプレスの前にまともに前進出来ない状況を押し付けられ。
よってマルセロ狙い(ターゲット・裏抜け双方を使う)のロングボール攻勢になるのは明白であり。
前半7分の最初の好機は、京都の中盤からのフリーキックを跳ね返してのカウンター(右サイドを中原が切り込んでクロス)と、堅守・速攻のいかにも下位チームらしいサッカー。
これが、以前はGKからのボール保持を志していたクラブと同一なのかと目を疑いたくなる展開となりました。

前線に繋がれば……というロングボールを蹴り込んでは、跳ね返されて京都の攻撃を浴びる。
そしてエリアスを中心とした前線の圧力に、数人掛かりでの守備でも中々奪えないという、個の力でも圧倒されかねない絵図に繋がり。
この日も苦戦は必至な展開のなか、それを塗り替えられるチャンスが訪れます。

10分自陣でボールを奪った山﨑、倒れながらも何とかゲーゲンプレスをいなして繋ぎ、受けたスリヴカがすかさず裏へロングパスを送り。
そこにマルセロが強烈に走り込み、ついにロングボールでのカウンターが炸裂かという所に、GKクソンユンが阻止せんと跳び出し。
その結果、先んじて触れたマルセロがクソンユンのスライディングで倒される格好となり、たまらず反則の笛が鳴り響きます。
誰が見ても決定機阻止という絵図に、注目を浴びる事となった主審(福島孝一郎氏)が突き出したカードの色は赤。
早期のGKの一発退場で、優勢だった京都は一転しかねない状況に陥ります。
当然リザーブの太田が投入される事となり、豊川と交代。

試合再開の局面は、鳥栖の直接FKという絶好機。(16分)
右ハーフレーンの位置から、キック自慢の中原が果敢にシュートを狙い、外側から巻かんとしたものの曲がりきらず枠外に。
逃してしまったものの、数的優位故にポゼッションを確保し、10人の相手を自陣に押し込んで攻撃権を支配する。
そんな試合展開に持ち込みたかったであろう鳥栖ですが、主力流出・監督交代(川井健太氏→木谷公亮氏)が重なった事で、その能力の衰えは想像以上だったようであり。

豊川が退いた事でエリアスの1トップとなり、トゥーリオが右サイドハーフ・平戸が左SHに入った4-4-1へと微調整した京都。
それでも前線の守備意識は相変わらず高く、そのSHが前目に出て鳥栖の3バックと人数を合わせに掛かります。
これにより、鳥栖は繋ぐ意識こそ高まったものの、3バック+アンカーでの繋ぎではプレスをいなしきれずに終わり。
そしてロングボールを送る事を余儀なくされる、という絵図が目立ちます。

一度鳥栖の攻撃が切れると、助っ人選手による強烈なカウンターで脅かし。
18分に右サイドをドリブルで運ぶトゥーリオ、スイッチでエリアスに託したのち、ポケットへのスルーパスに走り込んでマイナスのクロスを供給。
そしてエリアスも走りを止めず、これを中央ニア寄りで合わせシュート(ゴール左へ外れる)と、2人でやりきってのフィニッシュ。
この2人の実力・関係性を見せられては、数的不利は最早関係無いものになり下がり。
逆に低迷する鳥栖に対する、丁度良いハンデのような状態と化したでしょうか。

雨天により高温多湿となったためか、飲水タイムが挟まれたこの日。
第2クォーターも、数的優位のはずの鳥栖に重さが目立つ展開となり。
28分右ワイドに開いた原田を利用して何とかプレス回避、原田から中央のマルセロに縦パスを打ち込んだものの、マルセロはそのまま自ら遠目から無理目のシュートを放ち。(枠外)
前進する気運の無さを象徴するフィニッシュに留まります。

逆に京都の好機は膨らむ一方で、29分に再び右サイドでの前進から、スルーパスに走り込んだ福田心がポケット奥からマイナスのクロス。
そしてまたもエリアスが合わせシュート(GK朴キャッチ)と、縦パス攻勢からポケットを突くという意識は徹底され。

巻き返したい鳥栖ですが、37分に京都のコーナーキックからカウンターに持ち込む(中原のロングパスをマルセロが受けて突撃も撃てず)という具合に、相手の攻勢を利用しての好機なのは変えられず。
続く38分、京都のハイプレスの前に、GK朴がエリアスをかわしてロングフィードを裏に走る堀米に届けてからの好機。
ここから福田晃のエリア内中央からのシュートに繋げ、らしさを見せたものの、この際にGK朴がエリアスと交錯して痛む絵図も生まれてしまい。
無事に起き上がるも、何処かで無理をしなければ運べないという事を象徴する結果にもなりました。

その後も鳥栖は、バックパスのミスで京都にスローインを献上したりと、繋ぎの精度に欠く場面を目立たせ。
中盤でのパスカットからマルセロがドリブルで持ち運ぶなど、個人技で打開を図らなければならない厳しい状態は続きます。

迎えたアディショナルタイム、クソンユンの件もあり目安7分という長丁場に。
ややもすると集中力を欠き易い場面、ここで京都にミスが生まれ、左サイドで深めでのパスワークでゲーゲンプレスをいなしに掛かった所で鈴木義がまさかのキックミス。
エリア内でボールを拾った堀米により鳥栖の攻撃へと変わり、戻しを経て中原のアーリークロスを選択すると、合わせにいったマルセロの前でGK太田がパンチングで掻き出し。
すると交錯が起こり、またGKにアクシデントか……と思われましたが、倒れたのは2人に挟まれる格好となった宮本。
頭部を痛めたようで心配されましたが、無事に起き上がりピッチ外→復帰となります。

その後も京都の攻撃ターンが続くなど、どちらが10人か判らないような展開が描かれた末に、前半はスコアレスで終了となり。
どうしても勝たなければいけない鳥栖、戦術的な調整が必要なのは明白ですが、交代は行わず。

それでも積極性を高め、後半開始から仕掛けた鳥栖。
後半2分京都の最後方でのパスワークに対し、出足良く富樫が福岡からボール奪取に成功すると、そのまま福岡に腕で倒された事で反則・警告。
幸先良い入りを予感させましたが、このFKから、二次攻撃を仕掛けんとした所でトゥーリオのパスカットに遭い。
そしてドリブルに入ったトゥーリオにより齎されるカウンター、一度奪われるも奪い返したトゥーリオ、そのままエリアスとの2人で左ポケットを崩しに掛かり。
最後はエリアスのクロスが防がれるもCKで継続と、またも京都の強力助っ人に脅かされて有耶無耶になってしまいます。
その後もこのCKから福田心のミドルシュート(ブロック)、6分には敵陣で奪った福岡がそのまま推進してミドルシュート(GK朴セーブ)と、ひとしきりゴールを脅かす京都。

どちらが優勢なのかは明らかで、鳥栖はそれを理解したうえでどう立ち回るのかを考える時間帯に。
7分、右ワイドで最終ラインからのパスを受けた中原から前進を始め、中央へ縦パス→スリヴカスルー→富樫→マルセロ左へ展開と経由してサイドを変えた末に福田晃のクロス。
これをニアサイドに走り込んだスリヴカが脚で合わせると、ゴール右へ向かったこのフィニッシュを佐藤がブロックしたのち、跳ね上がりゴールバーを叩くボール。
尚も詰めんとした富樫の前でGK太田が掻き出すという、非常に惜しい絵面となります。

ここから鳥栖は、京都のプレッシャーをかわすために、ウイングバックが下がってボールを受けてのビルドアップへと舵を切り。
「前線に人数を配置する」意識の下、最初からWBが高い位置を取るのが一般的ですが、残された後方の選手が詰まらされれば当然ながら機能しない方法であり。
そんな弱さが露呈していた前半の鳥栖だけに、この修正は一定の効果を齎したようでした。

それでも「弱者の立ち回り」という開き直りが目立った指向だけに、京都ペースを変えるには至らず。
10分、鳥栖のクリアボールを宮本が拾うと、そのままの勢いで前進し前線へ届け。
そしてエリアスがペナルティアークでのキープで(西矢に)反則を貰い、近距離での直接FKを得た京都。
ここで失点したら一巻の終わりといった鳥栖も、入念に壁を作ったのちに、(エリアスのフェイクを交え)放たれたトゥーリオの直接シュート。
これが壁の間を抜けてゴール右を襲うも、僅かに外れてしまい未だスコアは動かずとなります。
この直後に鳥栖は、堀米・富樫→堺屋・鈴木大馳へと2枚替え。

1点が欲しい鳥栖、この後に原田がサイドバックのように振る舞う右サイドからの攻勢に活路を見出し。
やや下がり目となった中原との関係性で崩しを図り、サイド奥を取りにいき。
15分にこの攻めで得たCKから、3本続くCK攻勢を繰り広げましたが、流れを変える先制点は得られません。

すると20分、京都はGK太田のロングフィードで試合再開させると、これがバウンドを経てトゥーリオが収めるボールとなり。
ボールキープからエリアスへ通さんとするパスこそ遮断した鳥栖ディフェンスですが、拾い直したトゥーリオにより剥がされると、そのままミドルシュートが放たれ。
これを山﨑がブロックにいくも、ディフレクションでGK朴の逆を突く結果となってしまいゴールに突き刺さり。
結局最後まで、脆弱なデイフェンスが助っ人の存在に圧倒されるという形での先制ゴールとなりました。
2人を意識するあまり、フィードの落下点でクリアするという選択肢は取れなかったのか……と悔やんでももう遅く。
(なお、キックオフ前に宮本・原田の2人に警告が出されたものの詳細は不明)

そして京都は残留のための勝ち点3へと大きく前進。
そのまま24分に飲水タイムが挟まれると、明ける際に福岡→金子へと交代します。
一方鳥栖も交代の手を使い、キムテヒョンとスリヴカに変え、丸橋とジャジャ・シルバを投入。
これにより福田晃がボランチに・堺屋が左WBに回り、全体もドイスボランチの3-4-2-1へとシフト。

直後に再び京都の攻撃、ゴールキック→エリアスフリックのセカンドボールを確保ののち、トゥーリオのエリア内へのスルーパスに走り込むエリアス。
またも助っ人2人の脅威という絵図になり、GK朴が前に出てこれを抑え防いだものの、エリアスとの交錯を余儀なくされて痛み。
前半に続いての痛々しい倒れ込みに、ベンチもリザーブの岡本を準備させましたが、何とか無事に起き上がり続行する朴。

何とか打開したい鳥栖、頼みはやはり原田・中原を使った右サイドからの攻め。
35分にその前進で右奥を突いたのち、戻しを経て中央へ展開し、ミドルシュートを放ったのは丸橋。
川﨑のブロックを掠めゴール上を襲ったものの、これもGK太田のセーブに阻まれて同点ならず。

そしてCKで継続、というタイミングで京都は3枚替えを敢行。
佐藤・平賀・エリアス→アピアタウィア久・平賀・松田天馬へと交代します。(宮本が左SBに・トゥーリオがFWに回る)
一方鳥栖も福田晃→木村へと交代し、丸橋が左WBに・堺屋がボランチにシフトと激しく絡むポジションチェンジ。

警戒されつくすマルセロを囮に、投入されたジャジャが巧くハーフレーンからクロスやシュートに持ち込むものの、後一押しが足りないという状態に。
41分、そのジャジャのミドルシュートがブロックされてからの右CKで、キッカー中原のクロスをファーでマルセロが合わせ。
ミートせずにフリックのようになって奥へ流れた所を、西矢が収めてシュートを放ちますがGK太田が距離を詰めてセーブ。
その跳ね返りをジャジャがロビングを上げ継続させると、原田がバイシクルシュートで追撃したものの、これも福田心のブロックで阻まれ。
攻守ともに最大限のプレーがぶつかり合った結果、得点は生まれずとなりました。

しかしこの決定機逸により、鳥栖は燃え尽きてしまったでしょうか。
44分に最後方から前進する所、木村→丸橋へのパスが福田心にカットされてショートカウンターに。
勢いを持って仕掛ける福田心に対し、あっさりエリア内へ進入を許してGKと一対一を迎えた末に、放たれたシュートがGK朴の股を抜けてゴールへと転がります。
山﨑の必死のクリアも後一歩及ばず、ゴールラインを越えたため京都に追加点が入る結果に。

致命的な2失点目となった鳥栖。
既に敗戦ならびに降格への道を防ぐ手立ては無く、突入したATではさらに追い打ちが。
右サイドでボールを収めにいったマルセロ、鈴木義の後ろからのチャージで倒れてしまい反則となるも、その刹那事件が発生。
側にいた宮本に足を振って報復行為を敢行してしまい、膝に入れられた事で激しく痛む宮本により、VARチェックに持ち込まれます。
その光景が可視された結果、直ぐにチェックを終わらせマルセロに赤いカードを突き付ける主審・福島氏。
これにより10対10と、最後は数的優位のアドバンテージ(といっても、内容からしてあって無いようなものでしたが)も失ってしまう格好となりました。

その後は不在の1トップを埋めるべく、木村が最前線に回るという布陣で何とか打開を図る鳥栖。
しかし京都は余裕を持ってボールを回し、コーナーでのボールキープはじめ時間稼ぎの姿勢の前に成す術無く。

結局このまま2-0で試合終了の時を迎え。
またも勝利出来なかった鳥栖、これでどう頑張っても京都には追い付けない事が確定。
そして他会場では湘南が勝利、柏が引き分けとなったため、勝ち点差が13に。
よって残り4試合ではどうにもならず、降格確定の運びとなってしまいました。

数的優位にも拘らずという内容に加え、ビルドアップのミスによる失点・エースの自爆的な退場と、最後は盛大な幕切れといった試合になり。
元来のクラブ規模の小ささもあり、重くのしかかる初の降格ですが、何とかJ2で出直しを図る他無いでしょう。

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