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DAZN観戦 2023年J2リーグ第13節 ロアッソ熊本vsザスパクサツ群馬

2023-05-04 16:00:08 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(6節・ヴェルディ戦、0-3)
※前回の群馬の記事はこちら(6節・清水戦、3-1)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 故障離脱が続いていた大本が前節(町田戦、1-2)に復帰。
  • 阿部の故障が発表され、4/3に発生して全治4週間との事。
  • 7節(徳島戦、1-1)で負傷交代した三島の詳細が発表され、全治8か月との事。

<群馬スタメン>

  • 基本は4-4-2なものの、長倉が流動的に降りてパスを受けるため便宜上4-4-1-1で表記。
  • 6節で武が負傷交代(ハーフタイムで)、以降ベンチ外が続く。
  • 10節(いわき戦、1-2)で川上エドオジョン智慧が負傷交代、以降ベンチ外が続く。

可変するフォーメーションによる戦術の洗練され具合はどちらか、という対決。

大木武監督の下で3年間、特異なフォーメーションによる攻撃サッカーの成熟度は言うに及ばず。
ただし今季は主力選手の引き抜きにより、如何せんマンパワーの不足が深刻であり、成績は思うように伸ばせておりません。

対する群馬は前年から大槻毅監督の下で、基本4バック(4-4-2)・攻撃時は3バックという可変に挑戦。
熊本の現在と同様に戦力不足のなか、こうしたハッキリしたコンセプトでの可変は害にはならず(あまりに可変が過ぎると何をやっているか解らなくなるものであり)といった所でしょう。
しかし押し込まれるとナチュラルに5バックを強いられるなど、腰が引けてしまう局面が多かったのがこれまでであり。
しかし前回観た清水戦での勝利の効果は予想以上に大きかったようで、強敵相手にも渡り合えるという自信を得てそこから4連勝。
以降も安定した戦いぶりで、目下5位と以前からは考えられない上位の成績を残しています。

共にチーム構築に手応えを得ているのか、連戦の真っ只中でもスタメンは不変で臨んだ一戦。
試合が始まり、群馬はキックオフからの攻撃を早速好機に繋げて(右から佐藤亮がクロスもシュートは撃てず)ペースを掴み。

それを受けてしまった熊本は、裏へのロングボールを配給して何とかペースの確保に努めざるを得ない入りとなります。
それを尻目に攻めまくる群馬、その流動性の象徴である長倉を軸として、急所に縦パスを通すシーンを連発。
長倉は言うに及ばず、佐藤亮も彼の対極のハーフスペースで受けて持ち運ぶなど、パスの引き出し役を捕まえられず危機を招き続ける熊本。

それでも前半6分の長倉のミドルシュート(ブロック)、8分の川本のミドルシュート(ブロック)という具合に、フィニッシュは遠目からに終始。
そうして良い時間帯を逃し、熊本のターンへと移り変わります。

お馴染みの最終ラインからのビルドアップで、試合を落ち着かせる熊本。
対する群馬は、3バック+アンカーが基本形の群馬に対してプレッシングで阻みにいくも、藤田が降りて5枚になった際は逆に自陣を固めるという姿勢。
今季の熊本は河原移籍の爪痕が強く残るかのように、こうして後ろへ人数を掛けがちなので、裏を取られない事を最重視していたでしょうか。

しかしいざ熊本の攻撃を防いでも、好循環を失った群馬はそこからの反抗が出来ず。
12分にGK櫛引のフィードを黒木にカットされるとそのままショートカウンターを受け、スルーパスで右ポケットを突いた末に平川がクロス。
逆サイドのポケットで収めた松岡の戻しから、さらに竹本のクロスが上がり、ファーサイドで石川がヘディングシュート(枠外)とアタッキングサードで長く展開され。
これで色を失うと、続く13分にも後方からのフィードを(松岡が)ブロックした熊本は敵陣で攻撃開始。
左サイドでのパスワークを経て竹本が遠目からミドルシュートを放つと、GK櫛引がセーブと際どいフィニッシュとなります。

何とかやり返したい群馬、15分に熊本のビルドアップを、藤田を取り囲んでパスミスを誘って回収し敵陣から攻撃。
左へ展開ののち奥を突き、川本のマイナスのクロスを送るもシュートは撃てず。
この藤田が降りてパスを受ける隙を突ければ……という所でしたが、前述の通りの姿勢なため以降そのシーンは見られません。

一方熊本は守備時も修正を施し。
降りて来る長倉に対して黒木がマンマーク気味にチェックする形を取り、これで容易に前へ運ぶ事が出来なくなった群馬。
流れが熊本に傾いたのは明白となり、以降熊本の猛攻を何とか凌ぎ、一糸を繋ぐという姿勢を余儀なくされます。
その一糸では、30分に熊本の攻撃を凌いだのち長倉が右サイドをドリブルで運び、それを上村が反則で止めて警告を受け。
34分には熊本に決定機、中央で石川に縦パスを通したのち右へ展開、藤田がグラウンダーでクロス。
島村が収めてこぼされたのち、拾った石川がシュートを放つもゴール前で酒井がブロック。
凌いだ群馬はカウンターに持ち込み岡本がドリブルで運び、中央でパスを受けた長倉が左へスルーパスを送ったものの、走り出した山中の前でカットされて実りません。

守勢を強いられた末のカウンターサッカーと、徐々に弱者の戦いが顔を出してきた群馬、以降もビルドアップのミスを突かれるなど流れは一向に良くならず。
事態をさらに悪化させたのが42分の一幕だったでしょうか、右サイド裏へ出たボールに藤田が走り込む好機となる熊本。
それに対して前に出ていたGK櫛引が対応した所、櫛引が藤田を引っ張ってしまい受けられずというシーンになるも、反則の笛は鳴らず。
これに対し異議の声を大きくする熊本サイド。

ややもすると熊本川が悪循環になりそうなシーンでしたが、それから間もなくの44分でした。
再びボールカットから敵陣で攻撃開始する熊本、右サイドから島村が低いクロスを入れ、平川がダイレクトで右ポケット奥へパスを送り。
走り込んだ上村は再度平川へ戻しと、二重三重にもディフェンスを揺さぶった末に平川のシュートがゴールネットを揺らします。
冷静さを保ち、攻勢を維持した熊本が先制点に辿り着きました。

ついに破綻してしまった群馬に対し、アディショナルタイム突入後も猛攻を仕掛ける熊本。
左サイドから竹本ミドルパス→平川ヒールでポストプレイで左ポケットを突いた末に、上村のマイナスのクロスを藤田が中央で合わせシュート。
GK櫛引にセーブされ、跳ね返りを石川が詰めにいったもののジャストミートせずと惜しくも逃し。
更なる追加点を匂わせつつ、前半を終えました。

危機を招き続けた群馬はやはりハーフタイムで動き。
佐藤亮→白石へと交代し、これにより山中が右サイドハーフへと移り。
また2トップから川本が降りて左SHに回り、白石が代わりにFWを務めます。

前線を入れ替えて臨んだ群馬ですが、熊本のキックオフで始まる後半。
ロングパスを前線に送り、相手に拾わせたのちに深めでボール奪取する「ストーミング」っぽい振る舞いで好機を作ります。(左ポケットを突くもフィニッシュには繋がらず)

その最初の危機を防いだ群馬、微調整した姿が顔を出します。
山中が右へと移った影響か、右ワイドに張る山中に対し、岡本がハーフレーンで絞るという形が基本となり。
また2トップでは、流動的に降りる役割つまりセカンドトップの役回りが長倉から白石へ交代と、熊本の対策への対策という手段が見られました。
弄った右サイドの役割に、さらに酒井が上がって圧力を増す攻撃。
5分にはそこから、山中がワイドからカットインを経てミドルシュートを放つもののゴール左へと外れ。

熊本が対応できないうちに追い付きたかった所ですが、ここから勢いを失う群馬。
その度に、川本と白石の位置を入れ替えたりと流動的に対応し手は施すものの、結局は熊本の攻撃に晒される事となり。
流動性は熊本の専売特許と言わんばかりに、竹本や平川の動きを群馬サイドは中々掴まえられず。
ゴール前は何とか固め、この時間帯の熊本のフィニッシュは遠目からが主となったものの、それでも反撃の機運は高められず時間を費やします。

16分に再度群馬ベンチが動き、川本・天笠→北川・内田へと2枚替え。
同時に熊本も島村・藤田→粟飯原・大本へと2枚替え。

FWの北川も、川本同様に左SHを務める群馬。
何とか目線を変えたい状況で、18分に中盤で奪ってカウンターの好機となるも、一旦戻しを選択して畑尾からの攻撃。
そこで縦に素早い運びで熊本のベクトルの逆を突く事に成功し、スルーパスで突いた右ポケットから長倉が低いクロス。
ニアで白石が合わせシュートしますが、黒木のブロックに阻まれ。
縦一辺倒とはならず、相手を引き込む手段をしっかり取っての攻撃には好感が持てたシーンでしたが、結果には繋がりません。
以降も中々好機が生まれない中で、25分に北川と白石のポジションを本格的に入れ替え、北川がFWに固定化。

一方の熊本も、27分に黒木が長倉とのデュエルで足を痛めてしまい続行不可能となります。
直後に黒木・松岡→田辺・大崎へと2枚替えし、最終ラインは右に大西・左に田辺というイレギュラーな形に。

それを突きたい群馬、30分に風間の浮き球のカットから前へ素早く運び、長倉のスルーパスに北川が走り込んで左ポケットからシュート。
しかしファーを狙ったこのボールはゴール右へと外れてしまいます。
少ないながらも訪れる絶好機をモノに出来ない群馬。

35分に両チームとも最後の交代、熊本は竹本→宮嵜、群馬は山中→平松。
熊本がプロ初出場の宮嵜が右CBに入った事で、大西(左CB)・田辺(左ウイングバック)ともに本来の位置に。
一方の群馬は右SHに北川が回って平松・長倉の2トップとなります。

山中が退いた事で、右サイドは岡本が本来の役割つまり右ワイドを前目に位置取る形に戻り。
37分に右サイドからその岡本がクロスを送り、ファーサイドに上がったボールをGK田代が抑えにいくもファンブル。
そこを白石が確保して中央へ横パスと、シュートを防ぎにいった田代の逆を完全に突きましたが、長倉とはズレてしまい繋がらず。

この決定機逸が響くように、39分・41分といずれもボールカットから好機に持ち込む熊本。
前者は大崎がシュート(ゴール右へ外れ)・後者は石川がシュート(ゴール左へ外れ)と際どくゴールを脅かし、終盤ながらも追加点は時間の問題という状況に。
対する群馬も44分、ハイボールの競り合いで長倉が宮嵜を後ろから軽くショルダーチャージして競らせないという、初出場選手に対するマリーシアを発揮して好機。
エリア内に流れたボールを自ら拾ってシュートするも、江崎のブロックに阻まれます。

そしてATを迎え、ともに運動量が落ちる影響が現れる中、決め手となったのが熊本の交代策だったでしょうか。
最初の交代で敢行した右サイド2枚替えの成果がここで発揮され。
中盤で受けた粟飯原がボールキープで溜めを作り、右サイド裏へスルーパスを送ると、大本が中塩を超スピードで追い越してボール確保。
そして右ポケットへ送ったボールを粟飯原が受け、カットインで白石を剥がした末にシュート。
全てを吹き飛ばすような豪快なシュートがゴール上部に突き刺さり、決定的な追加点を齎しました。

2点差としても尚ボールを確保し、敵陣でパスを繋いであわよくば3点目を狙う姿勢を保つ熊本。
それに対して群馬は反撃どころかボールカットもままならず、結局攻撃に入れないまま試合終了の笛を聴く事となりました。

こうした難しい展開の中でも、試合中にリズムを取り戻し勝利に繋げられたのは大きい熊本。
故障者も膨らんできた中、組織力ならびに現在の地位を維持していきたい所でしょう。

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