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DAZN観戦 2023年J2リーグ第34節 ロアッソ熊本vs藤枝MYFC

2023-09-14 16:02:07 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(32節・いわき戦、2-4)
※前回の藤枝の記事はこちら(28節・仙台戦、1-1)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 天皇杯は準決勝にコマを進めたため、38節・徳島戦の日程が変更となり9/27へと前倒し。
  • 前節(千葉戦、0-1)出場停止だった粟飯原が復帰してベンチ入り。
  • 負傷離脱していた大西が4試合ぶりに復帰し、即スタメンに。
  • 天皇杯準々決勝(J1・神戸戦、1-1・PK4-3)で負傷した道脇の詳細が発表され、8/31に手術実施してそこから全治8週間との事。
  • 天皇杯準々決勝で負傷した酒井の詳細が発表され、9/6に手術実施してそこから全治3ヶ月との事。

<藤枝スタメン>

  • 32節・群馬戦は落雷の影響で試合前中止となり、10/14への順延が決定。
  • 西矢がJ3・FC大阪からレンタルで加入し、30節(大分戦、0-1)から登録されて即途中出場、今節初のスタメンに。
  • レオナルドがJ1・名古屋から完全移籍で加入し、30節から登録されて即途中出場。
  • 中川創が磐田からレンタルで加入し、30節から登録、前節(栃木戦・0-2)初のスタメンで出場。
  • 中井が(JFL・ヴェルスパ大分へ)レンタル移籍となり、31節(千葉戦、2-3)をもって登録抹消。
  • 28節で今季2度目の退場となった山原は、出場停止(2試合)後ベンチ外が続く。まあある意味当然か。
  • 28節に負傷交代した河上の詳細が発表され、全治6~8ヶ月との事で今季はほぼ絶望か。
  • 大曽根の負傷が発表され、7/19に発生して全治3ヶ月との事。
  • 来季加入内定していた浅倉(拓殖大)が特別指定となり、29節から登録されて今節初のベンチ入り。

天皇杯準々決勝、死闘の末にJ1首位クラブ(神戸)を撃破するというジャイアントキリングを達成した熊本。
しかしそのダメージは深く、酒井・道脇の負傷でただでさえ薄い選手層の問題が深刻化。
おまけに連戦の疲労で、前節・千葉戦は完全な守備重視の戦いを強いられる事となりました。

11戦未勝利で20位という成績とも併さる事で、そうした自分達のサッカーを捨ててまで結果を求めなければいけない状況に追い込まれ。
しかもその結末は終盤での失点による敗戦と残酷なものとなり、12にまで伸びてしまった未勝利試合。
そうして迎えたこの日ですが、イベント(アイドルグループのライブ?)も行われるとの事で、普段のアベレージをはるかに上回る観衆を集めました。(17,805人)

そして相手は藤枝で、同じく未勝利が続いているクラブでありその数8。
監督同士の師弟対決(大木武氏⇐須藤大輔氏)とも釘打たれたカードが、そうした負の成績で彩られてしまうとあっては何とも語り辛く。

熊本のキックオフで始まると、左サイドからの前進でいきなりコーナーキックを奪うという成果に繋げ。(ショートコーナーから縦パスでエリア内を突くも実らず)
その後の前半3分、藤枝の攻撃を切って自陣から繋ぎを図る熊本に対し、藤枝はパスカットの意識を高めたゲーゲンプレスを掛け。
ボールホルダー(大本)に強くいかなかったのが災いしてカット出来ず、竹本の対角線へのロングパスが通って好機となり、受けた松岡の戻しを経て田辺がシュート。(枠外)
熊本の先制攻撃となったものの、これまでボールに強く向かうのがディフェンスの信条であった藤枝だっただけに、ここでその変節に気付くべきだったでしょうか。

その直後に藤枝もCKを得ると、熊本のマンマークディフェンスを攪乱しようと、ボックス内で激しく動き回ります。
これまでは高さ不足もありあまり有効打にならなかった印象のセットプレーでしたが、ここでも何とかモノにしようという意欲が表れていました。

立ち上がりの時間が過ぎると、藤枝はハイプレスを諦め、アンカー上村に1トップが付いた上でリアクションの構えを重視。
13分にはその姿勢から前に出た久富が右サイドでカットしたものの、時間が進むにつれて徐々に立ち位置は下がり、ほぼ全員が自陣で構える事となります。

そんな藤枝の意識故に、前節とは打って変わって自身で主体的な攻撃を仕掛けるゲームとなった熊本。
相手の変節もあり戸惑い気味の第1クォーターとなりましたが、飲水タイムを挟んで本領を発揮せんとします。

第2クォーター最初の攻撃は26分、右サイドでの繋ぎから竹本がそれに加わりポストプレイをする事で、藤枝・川島を釣り出した隙に島村がエリア内へスルーパス。
走り込んだ平川が収められずに終わったものの、藤枝ディフェンスを動かして崩す意欲の現れた攻撃。
いかにこの日はリトリートを重視したといっても、前から行きたがるその攻めの姿勢は簡単には払拭出来ず。
自陣で構えてもなお、ウイングバックはサイドに出されると前に出る性質なので、それを狙ってのサイド奥へのロングパスも有効となります。

しかし藤枝もじっくり守っての一刺し、というスタイルで、お互いの意思が交錯。
そして互いに決定機が生まれる流れとなります。
まずは32分の藤枝で、その前に西矢スルーパス→矢村エリア内へ走り込んでシュート(黒木がブロック)という流れで得た右CK。
ここでも激しく動き回る藤枝選手、何度か主審の注意が挟まれたのちにキッカー西矢のクロスが上がると、ファーサイドで鈴木が足下で合わせた事で混戦に。
その中で矢村が放ったシュートが左ゴールポストを叩き、尚も久富が詰めに行きましたがクリアされてモノに出来ません。
凌いだ熊本は34分、江崎の右サイド裏へのロングパスが島村に渡ると、奥に切り込んだのちにマイナスのカットインで右ポケットに入る事でシュートレンジに。
そして放たれたシュートを、ファーサイドで竹本が跳び込んでコースを変えましたが、これはオフサイドとなってしまい(シュート自体もミートせずにGK北村にキャッチされる)こちらもモノに出来ず。

決定機の交錯ののちは熊本が攻めあぐみ。
藤枝はロングパスを送り、それを熊本がクリアミスしたり(35分)、拾ったのちのプレッシングという「ストーミング」に近いスタイルで奪ったりして(41分)好機を生み出します。
これまでの「超攻撃エンターテイメントサッカー」から完全に逸脱した姿勢であり、何とか負の流れを押し止めようとする強い意志は完全に固定化される事となったでしょうか。

そしてスコアレスのまま前半が終了。
ボール支配率では熊本が勝るものの、優勢という印象はあまり無く。
そのためかハーフタイムで早くも動いて田辺→大崎へと交代、大崎をセンターフォワードに入れて竹本を本来の位置(左WB)へと移してきました。

前半ボールを握りながらも、ペースを掴めなかったのは、アンカーの上村が常時マークに付かれていたという事もあり。
そのため、後半3分に上村が最終ラインに降りてのビルドアップを見せる熊本。
そこから右サイドを島村を軸に前進していき、最後は平川のパスを中央で受けたその島村がペナルティアークからシュート(GK北村キャッチ)と先制攻撃に辿り着きます。
その後も、竹本が上村の脇でボールを受ける姿勢を取ったり、大西が前に出たりと形を変えながらの繋ぎで崩しを図る熊本。

それにより前半からさらに激烈に押し込まれる事となった藤枝ですが、追い打ちと言わんばかりにアクシデントにも見舞われます。
5分に島村のドリブルを反則で止めた榎本、この際に島村との交錯で自身が足を痛めてしまい。
その後もプレーを続けたものの、8分についに倒れ込んで続行不可能に陥ってしまいました。
長引きそうな痛み方だけに、「相方(?)の久保が移籍した事で、自分がやらなければ思いがあったんだろうな……」と感じさせながら、無念の交代となり。(田中と交代)

ポゼッションに安定感を得た熊本でしたが、好機を作るのは右サイドの推進力頼みという印象であり。
島村・大本の2段構えの体制で、強力ながらもそれしかないというような苦しさも滲み出るものだったでしょうか。
大崎の投入により高さが加わり、クロス攻撃もある程度有効となったものの、藤枝の粘り強さもありゴールを奪えません。
13~15分に、熊本のポゼッションvs藤枝のリトリートという対決となり、敵陣でひたすらボールを回す熊本。
そして大本が浮き球でエリア内を突いた事で好機となり、浮き球を繋ぎながら、エリア内へと加わった大本がマイナスのカットインで中央に流れたのち左へ横パス。
そして後方からの大西のシュート(枠外)と、フィニッシュには繋げたものの不発に終わり。

長い攻撃の熊本を尻目に、その後は藤枝の効率の良い攻めが繰り出され。
16分に浮き球を拾った横山が中央を進んだのち、エリア内のアンデルソンに浮き球を送り、こぼれた所を矢村が跳び込んでシュートしましたがゴールバーを直撃。
続く18分にはクリアボールを久富が落として好機となり、横山のミドルパスを受けた矢村がエリア内中央からシュート(GK田代セーブ)と攻め立てます。
後半も、しっかり守ったうえで一刺しを狙う姿勢は一貫していた藤枝、GK北村の素早いリスタートでサイド奥を突くというシーンも作り。(21分)

そして23分に得た右CK、これまでとは一転してボックス内は静の姿勢を取り、それを尻目にサインプレーでエリア手前へのクロスを選択する西矢。
横山がダイレクトでボレーシュートを放ち、ブロックされて今度は左CKとなると、再びボックス内で動き回る姿勢を取る藤枝。
これで熊本は揺さぶられたか、キッカー横山のファーへのクロスを西矢が折り返すと、熊本ディフェンス3人の間を抜けて(眼前の鈴木のシュートを意識したか動けず)小笠原の足下へ。
そしてダイレクトで放たれたシュートがゴールネットに突き刺さり、とうとう実を結んだ藤枝の姿勢。
先制点をゲットと同時に、飲水タイムが挟まれます。

一方またも後半にビハインドを強いられた熊本、キックオフの前に大西→阿部へと交代。
その後もボールを握って攻め込むものの、焦りからかロングパス・ミドルパスが悉く繋がらず好機を生み出せません。

そして31分、そのミドルパスを川島がカットして反撃に転じる藤枝、左サイドでの繋ぎを経て横山→西矢→久富と素早く経由してのサイドチェンジ。
久富がアーリークロスを送ると、ブロックに当たった事で逆に丁度良い塩梅で中央の矢村に収まるボールとなり、これが運命の分かれ道となります。
矢村のポストプレイからのアンデルソンのシュートこそ江崎がブロックしますが、上空にこぼれたボールをさらにアンデルソンが収めてのポストプレイ。
その後方でシュートの体勢に入った横山、ディフェンスに入られるもまたも逆にエリア内の久富への丁度良いスルーパスとなり、ワントラップから果敢に右足を振り抜いた久富。
ゴールバー下を叩きバウンドしてネットに突き刺さる強烈なシュートで、追加点を齎しました。

これで窮地に追い込まれてしまった熊本、33分に島村・松岡→粟飯原・東山へと2枚替え。
以降細かな崩しでアタッキングサードを突く余裕は全く無くなり、後方から粟飯原目掛けてのロングパスや、サイドから早めのクロスに活路を見出す事となり。

40分そのロングパスをエリア内で粟飯原が落とした事で好機が生まれ、拾った平川がキープを続けた末に、スイッチ気味に粟飯原がダイレクトでシュート。
しかしこれもGK北村の足でのセーブに阻まれ、どうしてもゴールを奪えません。
その後も粟飯原の落としで生み出される好機。
43分には黒木右→左への対角線ロングパスを、左ポケットで粟飯原が折り返し、竹本のヘディングシュートに繋がりますがGK北村がキャッチ。

そして45分、水野へのアフターチャージで上村が反則・警告を受けたというタイミングで、アンデルソンが足を攣らせて倒れ込んでしまう藤枝。
素早く交代措置を採ったものの、(2枚替えを選択した事が仇となったか)主審には交代が認められず数的不利のまま再開する事に。
それでも自身のフリーキックだった事が幸いし、蹴り出してアンデルソン・矢村→岩渕・レオナルドへと交代し事なきを得ます。

名古屋時代同様に、ボールキープで溜めを作って時間を進める事に貢献するレオナルド。
ロングボール重視となった熊本故に、攻撃を切ってボールを確保するのが容易となっただけに短い時間ながらその役割は重要といった感じでした。
さらに小笠原が足を攣らせて交代(中川創を投入)というアクシデントに塗れましたが、無事に試合終了まで辿り着き。
0-2で勝利を挙げた藤枝、9試合ぶりの勝利で勝ち点を40に乗せました。

その内容は理想をかなぐり捨てたもので、開幕前に「理想のサッカーを追及し続け、際どい残留争いはしない(10位前後か降格か)」と予想を立てていた自分としても驚きのものであり。
ここに来て現実的な方向に針を振ったその姿勢は罪の部分もあるものの、渡邉・久保を失った故の転換と割りきれば、リバウンドは最小限で済むかもしれません。

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