<両軍スタメン>
- 讃岐のホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
- 讃岐・川西は富山からのレンタル選手なため出場不可。
首位・愛媛が独走に近い状態となって来た事で、俄然注目となりつつあるもう一つの昇格枠。
しかしその要因は、長らくその座を守ってきた富山の息切れにあり。
ここに来て3連敗、後半戦はまだ1勝のみ(1分4敗)と、既に監督交代を敢行した鹿児島に通ずるものがある失速ぶり。
そしてこの日のスタメンを見ても、20試合以上出場している主力選手が軒並みスタメン落ちとなり。
大畑・今瀬・坪川・安光・吉平そしてアルトゥール・シルバといった名前は見られず、何とか凋落を止めようと必死な采配が伺えるものとなりました。
しかしいざ試合が始まると、富山の攻撃はとにかくロングボール頼みという印象が拭えないものであり。
後方から高橋駿狙いのロングフィードを繰り返し、紛れが起きれば……といった消極的な姿勢に映りかねないスタイル。
その紛れは前半7分に発生し、下堂の裏狙いのロングパスに高橋駿が走り込み、GK今村が抑えるも味方の奈良坂と交錯してこぼれるボール。
それでもここでは詰める人物がおらずに先制ならず。
一方の讃岐も立ち上がりはロングボール中心で、中盤からのフリーキックでも放り込みを選択。
お互いにボールを蹴り合うという一重に様子見の展開が描かれるも、そんな時間もいつか終止符を打たなければならない。
そしてそれを果たした讃岐が、主導権を握る事となりました。
最終ラインから繋ぐ体勢を取り始める讃岐。
右サイドバックの川﨑が前に出る、典型的な「右肩上がり」の布陣ですが、そこから左サイドで繋いだのちのサイドチェンジが良く通り。
富山は2トップこそプレッシングを掛けるも、讃岐の布陣をまともに受ける格好となったのか、川﨑の居る左サイドがピン止めされて引き気味となった結果こちらも右肩上がりの歪な守備陣形となってしまいます。
背番号10の選手(川﨑)がSBを務める意味合いを感じさせるようなサッカーとなり。
その下がった富山左サイドを見て宗近がドリブルを仕掛ける(21分、その後の川﨑へのパスがズレる)等、やりたい放題のようになってきた讃岐の攻撃。
当然ながら富山は自発的な攻撃を仕掛ける余裕は無くなり、20分頃から松岡と椎名のポジションを入れ替える試行錯誤も見られ。
23分に左→右への対角線のロングパスから、受けた川﨑がカットインを経てミドルシュート(GK田川キャッチ)と、前述のパターンをなぞり好機を生み出す讃岐。
飲水タイム(25分)後も最初に好機を掴み、今度は下川がミドルシュートを放ちますがエリア内での林堂のブロックに阻まれ。
富山はこのままではいけないと思ったのか、ブレイク明けは地上から繋ぐスタイルを見せ始め。
しかしスタメン入れ替えによる弊害か、思うようにパスが繋がらずという連携面の不安が露呈する事となります。
最終ラインからの縦パスが悉くカットされるなど、ビルドアップは完全に機能不全のまま前半を過ごす羽目に。
そんな状態では大した好機も生まれず、35分にコーナーキックからの二次攻撃で、林堂がミドルシュートを放った(ゴール右へ外れる)のがこの日初のフィニッシュとなり。
讃岐サイドも赤星をターゲットにしたロングボールは少なくなかったものの、36分にその場面で林堂が赤星にチャージしてしまい反則となり、警告を受け。
エアバトルでも不利な条件を強いられる富山。
39分には右へ開いた赤星へとロングボールが送られ、フリックから繋ぐ讃岐。
細かいパスワークを経て下川が右からカットインシュート(GK田川キャッチ)と、右サイドアタックを援ける手段として十分機能するに至りました。
結局スコアレスのまま前半は終了。
讃岐は遠目からのFKによる放り込みをはじめロングボール攻勢も多く、決して緻密な攻めとは言えなかったものの、それがかえって富山からリズムを奪う効果も齎していた感があり。
上位争いのプレッシャーも手伝ってか、攻撃が機能しなかった富山。
アディショナルタイムには自陣でのFKを素早くリスタート、林堂が裏へロングパスを放り込むなどそれ故の焦りも見られ、建て直しは必須といえました。
そしてハーフタイムに動き、FWに大野を投入。(椎名と交代)
選んだ策はターゲット役をより強力なものにする、といった所でしょうか。
その大野へのロングボールを配給するも、実質的には前半と変わらない富山の攻撃。
それを良く防いで矢印を反転させる讃岐、後半2分に川﨑が赤星を走らせるロングパスを送ると、エリアからすぐ手前で受けた赤星が前を向く好機に。
たまらず林堂が倒してしまい反則、際どい所でPKにはならなかったものの、近距離での直接FKという絶好機を得ます。
位置は右ハーフレーン外側で、入念に壁を作る富山に対し、何処に蹴るのかの選択を迫られるキッカー江口。
そして放たれたキックは壁の右を抜けるもので、これがゴールポスト内側を叩いてゴールイン。
しっかり作られたはずの防壁の側面を破るという、ベテランらしい頭脳と精度を見せた江口のFKで先制を果たしました。
一方、リードを奪われた事で浮足立つ富山。
直後の5分には最終ラインの連係ミスを赤星に拾われ、下川へのパスを何とか遮断するもCKに。
尚もキッカー江口の仕事が続く展開で、クロスがクリアされたのち自ら拾って再度クロスを入れる江口。
赤星の折り返しを経て川﨑がボレーシュートを放ち、ブロックで防いだ富山ですがさらにCKとなり。
押し込まれ続けると、9分には讃岐の右スローインからの攻めを遮断するも、そのままゲーゲンプレスを掛けられてゴールラインに出してしまいまたもCK。
そこでの二次攻撃から、川﨑が左からのカットインシュートを放つ(GK田川セーブ)など、追加点を奪われかねない状況に持ち込まれ。
一向に自陣から抜け出せないまま時間は進んでいきます。
何とかその流れを断ち切った富山。
その後は讃岐サイドも赤星狙いのロングボールの比率を高めた結果、蹴り合いのなかセカンドボールを拾う事で攻撃機会を確保します。
夏の移籍で獲得した左SB・野口の上がりを軸に、左サイドからのクロス攻撃に活路を見出し。
しかし重苦しい状況を変えるまでには至らず。
逆に讃岐のターンになった際、そのパスワークに翻弄されてしまい反撃意識も削がれる事に。
18分に右サイドで繰り広げられた讃岐のパスワーク(最後は岩本がパスを収められず終了)はじめ、一度ポゼッションに入られると辛くなり。
讃岐のビルトアップに対し2トップがプレッシングを掛けるも、その後方の選手はプレスにいかず繋がれるなど、散々攻められたが故の消極的姿勢も露わになり。
何とも上位らしくない、勝利への執念に欠けるような絵図が目立ちました。
結局後半開始からシュートを全く放てない富山、そのまま22分に飲水タイムが挟まれて第4クォーターへ。
ブレイクが明け、流石に尻に火が付く、逆に付かなければ拙いといった富山。
26分に左サイドを野口が抉ってクロスを入れ、クリアボールを脇本が拾ってシュート。
ブロックされたこぼれ球をさらに伊藤が詰めにいくもクリアされてCKと、やっとフィニッシュに辿り着きます。
このCKをモノに出来なかった所でベンチが動き(28分)、マテウス・レイリアを投入(高橋駿と交代、同時に伊藤→安光へと交代)と、順次攻撃の切り札を切っていき。
それでも引いて守るようになった讃岐に対し、最終ラインからの繋ぎを敢行しなければ打開できない状況を強いられ。
29分には脇本のロングパスがエリア内左の大野に通るという好機が生まれ、カットインを選択した大野でしたが奪われて撃てず。
こうしたポケットを突けた際の攻撃は逃したくない所であり、30分にはレイリアのボールキープから左へ展開、野口のクロスの跳ね返りを拾った松岡が右ポケットを突き。
そのまま奥へ切り込みましたが、入れられたクロスは精度を欠いて実りません。
そんな富山に対してしっかりと守る讃岐。(31分に下川→森へと交代)
前掛かりな相手に対するプレッシャーは29分で、富山の右からのクロスをクリアすると、そのボールが直接赤星に収まり。
するとすかさず自陣からロングシュートを狙います。(枠外)
所謂カウンターへの傾倒ながら、富山の精度の低さもあり試合運びは盤石に見え。
36分に両チームともベンチが動き、讃岐は後藤→岩岸へと交代。
一方の富山は脇本・末木→碓井鉄平・佐々木へと2枚替え。
パスの精度が高まらない中、どうしてもアバウトな繋ぎに頼らざるを得ない富山。
37分、逆に讃岐が敵陣で浮き球を繋いでいき、それを収めにいった吉田に対し鍋田が反則を犯してしまい。
これで讃岐のFKとなり、クロスをクリアするもさらにCKへ移行と、讃岐がセットプレーで時間を費やす立ち回りは後半も健在かつ有効となりました。
40分の富山、GK田川ロングフィード→大野フリックから敵陣でサッカーを展開し、野口が安光とのワンツーで左ポケットへと切り込み。
ディフェンスに遭いこぼれた所をレイリアがシュートしますが、ブロックに遭うと讃岐がカウンターに持ち込みます。
吉田がドリブルする所を、自己責任とばかりに必死に戻ってディフェンスに入ったレイリアでしたが、引っ掛けて倒してしまい反則・警告。
これでまた讃岐がFKから放り込みと、何とか押し込む状況を作っても、簡単にリセットされてしまう堂々巡り。
そしてとうとうアディショナルタイムに突入。
一向に攻勢に入れない富山を尻目に、ボールを確保した讃岐は森が右奥へ持ち込んでキープに入るなど、勝利へ向けた立ち回りを開始します。
富山は一度右サイド奥まで進入してクロスを上げ、ニアでのレイリアのフリックが流れた所、野口が折り返すもシュートには繋がらず。
これが最もゴールに近い所となったでしょうか。
逆にロングパスを受けた赤星がキープする所を下堂が反則を犯し、またもセットプレーで時間を与えてしまうという具合に流れは変えられず。
そして試合終了の笛が鳴り響き、讃岐がウノゼロで勝利。
これで4連敗となり順位も4位に後退してしまった富山、内容的にも本当に上位かと思うぐらい厳しいものがあり。
特に積極性の欠如は深刻で、何とか取り戻し好転させる事が出来るかどうか。
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