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DAZN観戦 2023年J2リーグ第21節 ジュビロ磐田vsヴァンフォーレ甲府

2023-07-01 16:00:32 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の磐田の記事はこちら(19節・秋田戦、2-0)
※前回の甲府の記事はこちら(17節・金沢戦、1-0)

<磐田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 中2日という事で、前節(熊本戦、2-0)からGK以外フルターンオーバーを敢行。
  • 大森が前節に今季初のメンバー入りを果たし(ただし天皇杯2回戦で既にベンチ入り・ルヴァン杯6節ではスタメン)、今節スタメンに。
  • 針谷が7節以来のスタメン。(ただしルヴァン杯5・6節ではスタメン)
  • U-22代表から戻ってきた鈴木海が合流後初スタメン。
  • 後藤とA契約を締結。

<甲府スタメン>

ルヴァン杯に参加している清水・磐田は、来週水曜と相成って5連戦を強いられる日程に。
J1からの降格クラブにおける特権が、「罰ゲーム」と呼ばれるものに変貌してしまっているのが辛い。

ただしそれに付き合わされる相手が存在するのもお忘れ無く、と言わざるを得なく、磐田と相対したのは甲府。
22節から、磐田がGK以外全員スタメン変更したのに対し、甲府は変更無しというメンバー構成に両者ハッキリと差異が表れた一戦となりました。

そんな大胆な采配の恩恵にあやかったのが、今季初スタメンとなったゴンザレスでしょうか。
磐田における「新規登録禁止処分」の引き金となり、その身の置き所が危ぶまれる存在でしたが、出場停止期間を耐え凌いだ末に15節(群馬戦・4-2)からメンバー入り。
そしてこの日のターンオーバーを受けて頭から出場となると、控えメンバー中心のサッカーらしく、彼の能力を発揮させる立ち上がりを選択した磐田。

それは一重に彼の裏抜け狙いというもので、甲府の最終ライン裏へとひたすらスルーパスを供給して深さを取る立ち回り。
そしてゴンザレスはその期待に良く応えます。
早速の前半1分、右サイドで吉長のミドルパスに走り込み、ディフェンスに遭いこぼれるも大森が繋いだ事で受け直すゴンザレス。
吉長→大森→松本昌と経由させる細かい繋ぎで右ポケット奥を突き、松本昌のシュートが放たれましたがゴール左へと外れ。
その後も裏へと走りボールを受けにいくゴンザレス、度々発生する甲府のセンターバック・マンシャとのデュエルは優劣つかずも、プレッシャーを与え続ける事で甲府全体を困らせる働きは貫けていました。

その甲府は、攻撃面でも磐田の素早い寄せに苦戦し中々形を作れない流れを強いられ。
この辺りは控えメンバーであっても、現実的にJ1を目指すクラブらしい組織力ならびに層の厚さといった所でしょうか。
11分、最終ラインから左サイドへ展開し前進する姿勢も、プレッシングを受けた事で戻しを経てマンシャが裏へとロングパス。
そして中央で鳥海が走り込むという、相手を寄せたうえで対角線を利用した長い攻撃を見せたもののこのパスは繋がらず。

それでも甲府が応戦を見せた事で、ゴンザレスを利用した脅かしはひとまず終了となった磐田。
その後はポゼッションを高め、最終ラインからショートパス重視の繋ぎという普段通りのサッカーを見せていきます。

しかし控えメンバーだけあって、何処かに綻びは見られるものであり。
慎重なビルドアップの意識が強いのか、サイドバックの上がりが足りないというのが第一の印象。
最終ラインは小川が残っての3枚が基本形に見えたものの、その割には右SBの吉長の上がりが消極的に映り。
代わって遠藤保がサイドに張り出して攻撃に関わるシーンが目立ち。
これは大ベテラン・遠藤保の自身の判断という具合に移りましたが、遠藤保がチーム状況を見てそう動いているのか、あるいはフリーダムで動く遠藤保にチームが合わせているのか、若干不透明とった感じでした。

ゲームが動いたのが20分で、甲府は中央から縦パスによる前進を選択すると、林田→長谷川へのパスの際に主審(カタール人のカミス・モハメド・アルマッリ氏)がコース上に居たため(当然避けたものの)磐田サイドはカットに出れず。
そして長谷川のスルーパスに走り込むジェトゥリオでしたが、これはカットされてフィニッシュには繋がらず。
しかしイレギュラーの要素で、磐田サイドはやや乱されてしまったでしょうか。
その後23分に再びゴンザレスを走らせるロングパスを送ると、エリア内右角で追い付いてダイレクトでループシュートを放ったゴンザレス。
前に出て抑えにいったGK河田を抜いたものの、ボールは左へと逸れ惜しくもゴールならず。

一方甲府のビルドアップで光ったのが、両CBの持ち運び。
林田が2人の間に降りる3人の最終ラインにより、ワイドに広がったマンシャ・蓮川がプレッシャー無くドリブルに入る場面が目立ちました。
磐田はゴンザレス・大森の2人の最前線によるプレッシャーが無効化されたうえ、甲府SBの上がりにより後方の選手もピン止めされた格好となり。
そのため「スペースを得た際は持ち運ぶ」というセオリーが、苦も無く行えていたでしょうか。
24分にはその状況でマンシャがドリブルから縦パス、これをポストプレイで戻したジェトゥリオが、(長谷川→鳥海と経由して)佐藤のスルーパスに走り込み。
そして左ポケットで受けて角度の無い所からシュートを放ちましたが、ゴール右へと逸れてモノに出来ず。

磐田はその間に、22分に松本昌の右ポケットからのシュート(ゴール上へ外れ)、27分にはコーナーキックの跳ね返りを遠藤保がミドルシュート(ゴール左へ外れ)と攻め込むものの既に攻勢という程の勢いは無く。
次第に、好循環を得た甲府のプレッシャーに晒されてビルドアップに陰りが見え始めます。
そして30分、プレッシングを決めて中川に対して巧くパスコースを切った甲府、針谷に出すしか無いという状況を作ったうえでその針谷へのパスを鳥海がカット。
そして前進ののちエリア内へラストパスを送り、ボールカットと共に上がっていた林田のダイレクトシュートがゴール右へと突き刺さります。
磐田の持ち味を挫く、先制ゴールを挙げた甲府。

磐田は後方の経験値の薄さを突かれる形となってしまったでしょうか。
直後の33にも、失点に絡んでしまった針谷のパスミスであわやショートカウンターという場面を生んでしまい。(今度は鳥海→長谷川へのパスがズレる)

何とか再び左裏へのロングパスで深さを取るとともに、攻撃権を確保する磐田。
その際の左からのスローインによる攻撃で、古川がカットインを見せた辺りから、以降右では吉長・左では古川の推進力を利用する姿勢を取った事でそれは果たされ。
アディショナルタイムには長いポゼッションから好機を生み出し、中盤で古川の左からのカットイン、関口に倒されながらも繋いだ末に針谷の縦パスが通り。
エリア直前で受けたゴンザレスが反転シュートを放ちましたが、マンシャのブロックに阻まれます。
結局0-1で甲府リードのまま、前半を終える事に。

ハーフタイムで磐田は、今季前半しか持たないという状況の遠藤保を交代し、鹿沼を投入。
ボランチを微調整して後半に臨みましたが、その効果とは無関係に、慌ただしい入りとなり。
先に好機を得たのは磐田でしたが、古川の突破からのクロスがGK河田に跳ね返されると、確保した甲府のカウンターが炸裂。
ジェトゥリオ縦パス→ウタカポストプレイを経て受けた長谷川が猛然と中央をドリブルし、左ポケットへのスルーパスに走り込んだウタカは長谷川へリターン。
これをシュートに持っていった長谷川でしたがGK三浦龍がファインセーブと、追加点は防ぎます。

するとその直後、甲府の反則により中盤で止まるも、素早くリスタートする磐田。
そして大森が裏へと低い弾道でロングパスを送ると、走り込んだゴンザレスが追走する蓮川を振りきり、トラップで前に出たGK河田の股を抜いて無人となるゴール。
悠々とゴールへと蹴り込み、磐田の同点弾はゴンザレスを活かすサッカーにより齎されました。

磐田はこれで一安心といった所でしょうか。
特に前半は冴えなかった針谷が、その後縦パス中心のゲームメイクを果たすようになり。
その要因は、自身の逆起点での失点が帳消しになったからか、はたまた遠藤保のカバーリングに努めなければならなかった立場からの解放か。

攻勢に入る磐田、8分には古川が例によって左サイドを突破し、奥へ切り込んだ所関口に倒されて反則。
これで得たサイド奥からのフリーキック、キッカーは針谷でファーサイドへクロスを上げると、中川が合わせたヘディングシュートがゴールに吸い込まれます。
しかしオフサイドを告げる旗が上がり、中川が放ったヘディングが、その前方で跳んでいた吉長に当たった事で取られてしまいノーゴール。

着実にペースを掴んでいた磐田でしたが、12分に双方ベンチが交代を選択。
それにより針谷が退きドゥドゥを投入(同時に大森→後藤へと交代)と、ドイスボランチが双方交代となった磐田。
一方の甲府は佐藤・ジェトゥリオ→品田・三平。(長谷川が左サイドハーフへ回る)

針谷の縦パスは無くなったものの、その分尚も跳梁する古川。
積極的にドリブルで左ポケットを突く姿勢に、甲府サイドも攻撃の事を考える余裕は無くなります。
しかし甲府が守勢に回る事により、次第にボール支配はするがフィニッシュに持ち込めないという苛立ちも覚える展開に。
22分に再び双方ベンチが動き、磐田はゴンザレス→金子。(後藤が1トップに回る)
甲府は鳥海→宮崎。

ゴンザレスのポジションを務める事となった後藤、20分にはその通りに鹿沼の裏へのロングパスに走り込み。
蓮川と交錯してしまいますが、反則にはならずボールは奥へとこぼれ、いち早く拾いにいった蓮川。
それに対し後藤は後ろからチャージする形となってしまい、反則・警告を取られてしまい。
報復行為のような流れとあっては言い訳は利かず、若さが悪い方に出る好例となってしまったでしょうか。
その後29分に自陣でのボールカットからカウンターを仕掛ける磐田、小川のグラウンダーのクロスにフリーで走り込む絶好機を得た後藤でしたが、シュートは合わせきれず終わってしまい。

甲府はすっかり攻撃機会が減り、一矢は宮崎の突破力。
再三右ポケットを突きにかかるも、磐田ディフェンスの対応に遭いシュートには辿り着けず。
この日キャプテンマークを巻いた磐田左SB・小川に蓋をされるシーン(33分)には、「控えだから負けた」と言われたくないと言わんばかりの小川の意地を感じました。

こうなると、後はホーム(ヤマハスタジアム)の雰囲気のなか勝ち越し点を挙げるだけといった展開に。
投入直後は機能していなかった趣のあった後藤も徐々に馴染み、43分にはクリアボールを拾ったドゥドゥから松本昌経由でパスを受け、そのまま中央突破でエリア内へ。
しかしマンシャのチャージで倒れてしまいシュートは撃てず、反則の笛も無し。
45分には古川の左手前からのクロスを、胸でのワントラップからボレーシュートに持っていき。(ディフェンスに遭いジャストミート出来ず)

最後の交代は、磐田は43分に松本昌→ジャーメインへと代え、金子が右SHへシフト。
甲府は44分にウタカ→武富で、三平が1トップにシフトと、ともに前線を弄り。

時間も押し迫り、守備ブロックも乱れがちななか最後の力を振り絞る両チーム。
それでもジャーメインのドリブルを林田が警告覚悟の反則で止める(当然警告)など、甲府が苦しい状況は相変わらずであり。

その通りに、AT(3分)の最終盤に決定機を掴んだのは磐田。
カウンター気味に数的優位での攻撃から、例によって古川が左サイドからドリブルで仕掛け、左ポケットを突いたのちのカットインで宮崎のブロックをいなした末に中央からシュート。
しかしマンシャがゴール前でブロックし、跳ね返りをさらにドゥドゥがシュートしましたがこれもマンシャが身体を張ってブロック。
決定的なフィニッシュの前に立ちはだかったのは、この日再三ゴンザレスとの勝負に挑んで来たマンシャであり、寸での所で凌いだ甲府。
そして試合終了の笛が鳴り、1-1の引き分けで終わりました。

磐田がメンバー選択的にも難しい試合となった中、勝ち点1をモノにしたのに対し、一方の清水は秋田相手に敗戦。(0-1)
同県かつ同じ降格組のライバルが明暗分かれた一日となりましたが、果たして両者の鍔迫り合いは昇格に向けての相乗効果となるかどうか。

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