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DAZN観戦 2024年J2リーグ第2節 V・ファーレン長崎vsベガルタ仙台

2024-03-04 16:07:16 | サッカー視聴記(J2)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 守備時は名倉が最前線に上がる4-4-2の布陣。
  • 前節(藤枝戦、0-0)スタメンの飯尾はコンディション不良との事(放送席の談)でベンチ外。

<仙台スタメン>

今季も幕を開けたJ2の戦い。
その最終目標が、最上位カテゴリ(J1)の舞台に上がる事か。
ないしは下位カテゴリ(J3)に引き摺り込まれるのを避けるのかは、クラブによって千差万別。

その開幕試合である第1節ですが、今更ながら当ブログではあえて取り上げないスタイルに落ち着き。(前年は例外(いわきvs藤枝)あり)
流し見で全試合視聴するのに時間を割いているため、というのを述べておきます。

私事はさておき、恐らく昇格が目標なのは疑いようの無い2クラブの対戦。
長崎はストライカーのフアンマを軸に、前年の戦力を維持しつつの新シーズンとなったので、昇格候補に挙げられる程のクラブ。
しかしすったもんだの末の監督交代が及ぼす影響は少なくなく。
開幕節はスコアレスドローに終わるなど、そのサッカーは未だ発展途上といった感じに終わりました。
難しい舵取りとなる新監督・下平隆宏氏ですが、まずは初日が欲しいホーム(トランスコスモススタジアム)開幕戦。

一方の仙台は、前年は残留争いを強いられるという、3年前までJ1の座を保っていたクラブとは似ても似つかない成績に終始。
しかしそれ故に開き直れる状況となったのがかえって良かったでしょうか。
新監督に招聘したのは森山佳朗氏で、クラブの監督は初体験、しかしアンダー代表監督として確固たる地位を築いてきたベテラン指導者という味わい深いギャップを持つ人物なのもそれを後押しし。
前年の弱点をキャンプの段階で見事に克服し、開幕節(大分戦、1-1)では見違えるようなサッカーを披露。
勝利は得られなかったものの、期待感を一気に高める事となりました。

その仙台の弱点とは走力。
開幕前の大補強・戦術重視のスタイルで、下馬評こそ高かった前年ですが、いざシーズンが始まるやそれが露呈する形となり。
前半戦はまだしも、折り返しの辺りから大低迷するという具合に、走れない事が露骨に響く格好となりました。
その反省をメンバー選考でも踏まえたのか、石尾・オナイウ・工藤蒼といった若手・新人のウェイトを大きくし。
彼らを中心に齎されるフレッシュ効果も上乗せし、この日も積極的に長崎に対しプレッシャーを掛けにいきます。

未だ硬直感が拭えない長崎のビルドアップでは、仙台のその姿勢は脅威以外の何物でも無く。
前半5分、パスミスを拾ったエロンがそのままミドルシュート。(ブロック)
直後(同じく5分)にもパスミスで仙台にボールを渡すなど、早くも試合の優劣を露わにしてしまい。

4-1-2-3の布陣による、地上からのビルドアップを図る長崎。
しかしそこに付き纏う「アンカーを切られた時にどうするか」という課題に、練られた感は殆ど見られなかった立ち上がり。
サイドに追い込まれては詰まらされる(運びに成功するのは難しいワンタッチプレイを繋げた時)という、前年の弱点をなぞる事に終始します。

一方仙台の攻撃は、やる事はシンプル。
オナイウ(前節は右サイドでスタメンだったがこの日は左サイド)のスピードを矛として、プレッシャーを高めつつ相手のミスを誘うスタイル。
しかしそのシンプルさが奏功し、複雑な長崎とは違い完成への近さという面で明暗を分ける事となり。

ボール運びで苦戦する長崎。
14分、最終ラインでのパスワークで左右に振ったのちに中央からの運びを試み、田中が仙台2トップの間を通して秋野に渡す事に成功。
ここから左サイドを使って前進、米田のアーリークロスが中央のフアンマに収まり、ポケット奥へのスルーパスに増山が走り込む好機を生み出します。(増山はシュート気味にクロスを入れるも菅田がブロック)
これを切欠として流動化させたい所でしたが、残念ながらそれは果たせずとなり、この場面のような間を通す勇気も殆ど無くなる立ち回り。
18分には前進の最中に郷家のデュエルでボールを奪われてカウンターに持ち込まれる(その後右ポケットに走り込んだ工藤蒼がクロス)など、仙台の走力・強度の高さが冴え渡る試合絵図が続き。

前年得点王に輝いたフアンマですが、気になるのは長崎の組み立てに殆ど参加しない点。
ロングボールを収める能力は天下一品な彼だけに、地上で繋ぐ事を重視した結果、フィニッシャーに役割が限定されている感じ。
しかし当然ながらボールに触れる機会は激減する事となり、孤立感を高めるだけに終わるといったこの試合。
降りてグラウンダーの縦パスの預け所になる場面が何度かあれば、多少は楽になったでしょうが……。

30分が過ぎた所で、再び襲い掛かる仙台。
今度は自身でも最終ラインから繋ぐ形を取り始め、相手のお株を奪いに掛かります。
右サイドバックの高田を前に上げる、右肩上がりの基本形。
オナイウが左に控えているため、あくまで彼を活かすスタイルを採る影響で石尾が後ろに残るといったその形。

しかし石尾の能力自体は素晴らしく。
31分左サイド長澤とパス交換する石尾、それにより増山を引き付けた末に持ち運びで剥がすというプレーを披露します。
その後は前に位置するオナイウを活かすべく崩しに参加、32分には長澤を加えての3人でのパスワークで左サイドを崩しきり。(その後オナイウがクロスもGK原田キャッチ)
前節はオナイウが逆サイドだった事もあり、自ら上がり攻撃に加わっていましたが、この日のプレーぶりで「どんな場面でも対応出来る」選手という印象を高め。

仙台のポゼッションが牙を向いた事で、ただただ押し込まれるようになる長崎。
42分には最終ライン⇔ボランチ間で繋ぎ、ひたすらフアンマを走らせるパスワークを見せた末に前進。
そして小出が右から対角線のロングパス、エロンのフリックを経てオナイウに渡すという、「ボールポゼッション+オナイウという矛」を両立させる組み立てを見せます。(オナイウは左奥に切り込むもコントロールミスでゴールキックに)

光明を見出せない長崎、終盤に早くもベンチが動く事となり。
交代させようとしたのは名倉で、44分に澤田と代えるべく交代ボードが掲げられ。
しかしその刹那、長崎選手(キャプテンの秋野?)の「前半終わるまで待って」という声が響くと、取り消される運びとなり。
アクシデントも匂わせるようなこのバタバタした一幕ですが、仮にそうでなくても、この日の名倉の働きが今一つに映っていたのも確か。
秋野の脇で出口役となるべくの動きが果たせていなかったため、ベンチも改善すべく早めの手を打たんとしたでしょうか。

この騒動からの再開は長崎の中盤からのフリーキック、ここで秋野が放り込みを選択した事から、敵陣でセットプレー攻勢に入る長崎。(増山のスローイン→コーナーキック)
しかし結局は後半まで持たせられず、アディショナルタイムに突入すると、今度は逆に仙台のセットプレー。
ロングパスを収めにいった中島が反則を受けた事で、敵陣右サイドからFKを得た仙台。
キッカー中島が送ったファーサイドへのクロスを、菅田が合わせヘディングシュート。
右から送られたクロスを、ゴール右に突き刺すという対角線を描くお手本といったフィニッシュで決めきります。
終了間際の一撃でリードを奪った仙台、その後キックオフから暫く経って前半終了の笛が鳴り響きました。

痛恨の失点となってしまった長崎。
ハーフタイムで改めて動くベンチ、先程未遂に終わった名倉→澤田に、笠柳→松澤も加えた2枚替え。
追い掛ける展開を想定した采配となりました。

しかしいざ後半が始まると、仙台ペースは継続。
キックオフからの仙台の攻撃、オナイウ狙いのロングパスの跳ね返りを回収したのち敵陣で展開、例によって左奥を突いたオナイウの戻しを経て石尾がクロス。
そしてニアサイドでエロンがヘディングシュート、フリック気味に放たれたこの一撃をGK原田が何とかセーブ。
それでもCKで継続し、立て続けに攻める仙台の流れを一向に断ち切れません。

後半5分にはまたも長崎のプレッシングを剥がし、左から石尾縦パス→中島受けてスルーパス→オナイウで好機。
オナイウは細かいタッチでのカットインでポケットを突き、右足アウトで低いクロスと技術を見せた末に、ニアにエロンが走り込む(手前でGK原田がキャッチ)という際どいシーンを作り出します。
8分には菅田のロングパスを左奥で受けたオナイウから、戻しを経て今度は工藤蒼のミドルシュートが炸裂。
ボールはゴールバーを掠めて枠外と、追加点は時間の問題という絵図に。

反撃どころか前進もままならない長崎は、交代で左ウイングに入った松澤の突破力に託すという状態に。
10分に田中が中央→左への長いグラウンダーでのパスで、米田を飛ばしていきなり松澤に預けた事からもその思惑が伺えました。(その後松澤がアーリークロスでCKに持ち込む)

その後も仙台左サイド(主にオナイウ)の脅威に晒されながら、何とか攻め込む長崎。
17分、今度は米田経由で左奥の松澤に渡すという具合に、多少は流動性も生まれていたでしょうか。
19分に得た右スローイン、増山のロングスローからの二次攻撃で、後方から加藤ロングパス→右ポケットで新井折り返しという好機。
そしてボレーで合わせたのは澤田でしたが、ゴール上へ大きく外してしまいモノに出来ず。

21分にさらにベンチが動き、助っ人のマルコス・ギリェルメとマテウス・ジェズスを投入、秋野・加藤と交代させます。
これにて増山が右SBに、山田がアンカーに移るポジションチェンジも敢行し、反撃体制を作らんとする長崎。

しかし基本的には、試合構造を殆ど変えられておらず。
これと前後して、20分には菅田が前に出て敵陣でカット、23分には高田が敵陣右サイドでカット。
いずれもここから際どいクロスに繋がるという具合に、仙台の前線の守備は衰えを知る事無く進んでいきます。
25分には仙台ベンチも動き、郷家・エロン→相良・中山へと2枚替え。
オナイウが右サイドハーフへ移るという、前節スタメンと同一の布陣になりました。

右に位置したオナイウに従うように、今度は右サイドアタックが冴え始める仙台。
27分にオナイウの縦パスを受けた中島がドリブル、新井を剥がしてそのままフリーで突き進み、右ポケットを突いた末に中央へ横パス。
そして受けた相良がシュートするもゴールバーを掠めて枠外と、8分のリプレイのようなフィニッシュで追加点はならず。

長崎は31分に最後の交代を敢行すると、フアンマを諦める選択を採ります。(エジガル・ジュニオを投入)
その執念の采配も実らず、以降も仙台の攻撃は続くと迎えた32分。
ここもオナイウが前進からスルーパスと右から攻め、一旦は遮断されるもクリアボールを石尾が跳ね返して継続。
今度は左から相良が襲い掛かり、左ポケットを突いて奥へ切り込んだ末にクロス。
そしてこれを中山がジャンピングボレーと、アクロバットなフィニッシュでゴールへ突き刺します。
華麗な動作による追加点で、文字通り止めを刺すという格好に。

しかし往生際悪く、諦めずに攻める長崎。
フアンマが退いた事で、ギリェルメをロングボールの預け所としながら、徐々に流れを作り始めます。
最後に投入されたエジガルも、フアンマと異なりパスワークに加わる事で機能。

一方の仙台は、37分に中島→有田へと交代。
有田が右SHに入る事で、オナイウがトップ下気味のFWへとシフト。(つまりは4-4-1-1か)
直後の38分、敵陣でカットした高田がそのまま右ポケットへ切り込むという決定機を迎えましたが、シュートは威力に欠けGK原田がキャッチ。

これで潮目が変わったか、敵陣で押し込む展開に突入する長崎。
迎えた41分、右スローインからの繋ぎを経て増山がクロスを上げると、ファーで跳んだエジガルを越えて逆サイド奥で松澤が拾い。
そして再度上がったクロスに対し今度はエジガルが合わせきり、ヘディングシュートがゴールに突き刺さります。
この際空いたニアサイドに澤田が走り込んでいたため、仙台・小出はそれをケアしにいったのが仇となり、エジガルがフリーに。

1点差に迫った長崎、後はホームの声援を背にとにかく攻め込むだけとなり。
守勢を強いられる仙台は、最後の交代を守備固めに使用、センターバックのマテウス・モラエスと知念を投入します。(オナイウ・長澤と交代)
知念がボランチに入り、最終ラインは右から小出・菅田・モラエスの3バックという3-4-2-1(つまりは5バックシステム)に。
しかし石尾が足を攣らせるなど、そのダメージはいよいよ深刻となり。
ATでは止むを得ず石尾を前線に回し(最初は左シャドーもその後FWに)、相良が左ウイングバックを務める事に。

尻に火が付くという言葉通りに押し込みまくる長崎、敵陣でサイドを振りながらパスワークを続け、何とか同点を狙います。
そして右から増山のクロスが上がり、クリアが小さくなった所を米田が拾うという願っても無い場面が訪れ。
しかし放たれたシュートは菅田が寄せてブロックと、やらせない仙台。
結局最後まで仙台守備網を破れず、1-2のまま試合終了の笛が鳴り響きました。

2試合で勝ち点4と好発進となった仙台。
オナイウ・石尾は言わずもなが、ボランチとして広範囲での好守備を見せた工藤蒼も名を上げた試合内容に、このまま好循環を保てば……と希望が見えたでしょうか。

一方の長崎は、終盤の攻勢以外は良い所無く。
一言で言えばフアンマの存在が逆に足枷のようであり、彼をフィニッシャーに専念させている事で前進出来ないというジレンマが。
それでいてこの日は(フアンマが)シュートゼロに終わったとあれば、戦術の調整は必須といえるでしょう。

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